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法務局という言葉は耳にする機会があっても、実際どのようなことを行っているのか、その詳しい仕事内容はあまり知られていません。しかし、家の購入や会社の設立などの重要な場面では法務局を利用しますので、個人法人ともに関わる機会があるでしょう。そこで本記事では、法務局の概要や業務について詳しく解説します。
日本は法治国家であるため、さまざまな手続きや起こる出来事に関して法が関わるケースも少なくありません。国民の生活には法が必ず関わってきますが、全ての国民が法に詳しいわけではありません。そこで設置されたのが法務局であり、全国の県庁所在地に地方法務局や出張所として存在しています。
仕事の内容は、人権擁護や不動産・商業登記の受付や管理、国籍や戸籍に関した業務や供託・公証関係に関した業務などを行っています。この中でも、登記は法務局の業務の多くを占めます。
登記とは、重要な権利や義務などを公に示すことです。登記を完了させることで、国がその内容を保証します。
登記に関しては、主に以下の種類に分けられます。
・不動産登記
・商業・法人登記
・非成年後見人等の登記
それぞれ詳しく解説します。
不動産登記では、土地や建物の所在や権利、面積などを記録して財産や権利を保護します。不動産は高額かつ重要な財産であるため、登記して公的に権利を保証されなければなりません。
特に令和6年4月からは、相続登記において申請が義務化されますので注意が必要です。怠ってしまった場合には、10万円以下の過料が科されるケースもありますので必ずチェックしておきましょう。
商業・法人登記では、代表者名や商号、資本金や目的などの重要な情報を記録します。会社の規模などがわかりますので、取引する上での判断材料として役立ちます。
非成年後見人の登記は、認知症の患者などが起こすトラブル対策として行われます。この登記は、国が対象者を認知症であると保証しますので、認知症患者が行った取引などを無効にできます。
戸籍とは、日本国民の身分を登録して証明するものです。父や母の名前や、婚姻した日などが登録されています。法務局は戸籍事務を取り扱っている市区町村に対して、研修や指示、助言などを行っています。
また国籍に関しては、外国国籍の人が日本の国籍を取得するための手続きの受付や審査を行います。さらに国籍の取得届や離脱届などの受付や審査も行っています。
供託とは、有価証券や金銭、その他の財産を法務局に預けることです。供託が利用される主なケースは、不動産の賃貸借契約です。例えば賃貸借の契約中に、貸主が一方的に値上げを決めたが、借主は以前の家賃を払おうとしました。この場合に貸主が家賃を受け取らないなどのトラブルが起こった時、法務局に家賃を預ければ家賃を支払ったことにできます。
このように、法務局は法律上の目的を達成させるために金銭等の預かりを行っています。また遺言を作成した人自身で作った自筆証書遺言書を保管する仕事も行っています。
法務局は、人権擁護活動も行っています。市町村区の人権擁護委員と協力しており、具体的には、いじめや家庭内暴力、性暴力など生活する上での困りごとや悩みの相談を受ける人権相談をしています。
また学校などに法務局の職員や人権擁護委員が訪れ、ビデオなどを使って人権に関する授業を行うなどの人権啓発活動も行っています。
日本国民は、人生の多くの場面で戸籍を確認されますので、必ず登録しなくてはいけません。また自宅を購入したり会社を作ったりすれば、不動産登記や商業・法人登記が必要になります。さらに終活で遺言書を作成した場合には、その遺言書を法務局に預けることもあるでしょう。
そして不動産を相続させる場合、相続するための不動産登記が必要です。相続登記は令和6年4月から義務化されるため、特に注意が必要です。
これらの事務を行ってくれるのが、法務局なのです。このように法務局は国民の生活の重要な場面で大きく関わりますので、ぜひその概要や業務を覚えておいてください。
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