電子契約で来庁する事業者がほぼゼロに
押印業務の見直しからはじまった菰野町のDX
- 三重県菰野町役場
三重県三重郡菰野町。鈴鹿山脈の東側に位置する人口約4万人の町が、電子契約の利用をスタートさせたのは、2023年4月のことです。契約締結に要する日数の減少や、郵送コストの削減にはじまり、来庁者の大幅減など、電子契約を導入したことで、大きな業務改善効果が見られると言います。同町が電子契約を導入した経緯や活用の現状について聞きました。
取材協力 三重県菰野町役場 財務課 主査 土岐了潤さま 財務課 主査 大橋貞徳さま
業種 | 契約類型 | ご利用プラン |
---|---|---|
町役場 | 工事請負契約、コンサルタント契約、業務委託契約、物品購入契約など | 契約印&実印プラン |
記事の要約
- 押印業務の見直しから電子契約サービスの導入へ
- 初見での使いやすさや利用料の安さで電子印鑑GMOサインに
- 競争入札契約のほぼすべてが電子契約に置き換わっている
- 電子契約の導入で来庁して手続きする事業者がほぼゼロに
―菰野町で電子契約サービスを導入するに至った経緯を教えてください。
2021年度に菰野町ではデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくために、押印業務に関する見直しを行うことになりました。本当に押印する必要がある書類なのか? 慣例で押印しているだけではないのだろうか?と、一つ一つ書類を確認し、法律上、必須なもの以外は押印を廃止する方針を取りました。また当時はコロナ禍。非接触型行政サービスの提供を視野に入れて、押印業務の見直しによるDXから、さらに一歩進んだ、電子契約サービスの導入を検討することになりました。
―電子契約サービスを導入するにあたって、懸念点や不安はありましたか?
競争入札で受注した事業者に、どの程度電子契約に対応していただけるか予測できず、不安に感じていました。また電子契約の手続きの流れや、紙から電子に変えるメリットを説明する必要があり、その負担がどれほどなのかも未知数でした。これに関しては、ホームページ上に契約時の流れを掲示して、それを元に説明する形にしたことで、大きな負担にはなりませんでした。もうひとつの不安は、職員の対応についてです。電子契約サービスを導入したのに、使い方がわからず職員が積極的に利用しなかったら、どうしようと思っていました。せっかく導入したのに、職員が使いたがらないという状況は避けたいと思っていました。そこで電子印鑑GMOサインのサポートスタッフの方に来庁していただき、職員向けの説明会を実施しました。使い方はもちろん、電子契約とはこういうものだといった理解を深める良い機会になりました。
―電子契約の事業者はどのように選定されたのですか?
まず数社の電子契約サービス事業者にお越しいただき、操作性や仕組みについて説明していただきました。同時に電子契約の法的効力を調査して、運用に問題がないことを確認しました。事業者の説明を受け、操作が難しくないことがわかったため、実証実験は実施しませんでした。事業者の選定にあたっては、受注者に利用してもらう以上、初見での使いやすさと双方の事務負担が軽減できるかという点を優先条件としました。その上で、グレーゾーン解消制度において、適法性を有するサービスなのかを確認し、最後は価格面を重視して、選定しました。電子印鑑GMOサインはこれらの条件を満たしており、料金も低額だったため、随意契約で導入を決めました。
―現在、どのような契約で電子印鑑GMOサインを利用されていますか?
競争入札で契約している、ほぼすべての工事、コンサルタント契約、委託業務、そして物品購入で利用しています。契約件数は、時期によってかなりバラつきがあるため、一概には言えませんが、年度当初の繁忙期には1日5〜10件ほどの契約を締結することがあります。これらの契約は、ほぼすべて電子契約に置き換わっている状況です。
―電子印鑑GMOサインを導入したことで、業務はどのように改善しましたか?
電子印鑑GMOサインを導入し、非接触での契約事務が可能となったことで、遠方の受注者との契約時のやり取りがスムーズになりました。従来であれば、自治体側は契約書作成用の仕様書を郵送、そして受注者が契約書を製本し、再び自治体に郵送する日数を要します。さらに、自治体から押印した契約書副本を郵送するため、どうしても日数と手間がかかります。その作業と郵送にかかるコストが削減できました。また、来庁して契約書を提出される方がいなくなったことで、契約書の確認作業をこちらのタイミングで行えるようになった点もわれわれにとってはメリットの一つです。そのほか紙の契約書の場合、製本後に提出された契約書を確認することがほとんどであったため、訂正が必要な箇所があると、手間でした。その点、電子契約書なら、受注者から作成された契約書をデータで確認するため、訂正が簡易になったと感じています。
―入札契約のほぼすべてが電子契約に切り替わっているということですが、そこまで浸透した要因はどこにあると思いますか?
財務課以外の課で、どれくらい電子契約を活用しているのか、アカウントを見れば利用状況がわかります。電子契約の利用が少ない担当課があった場合には、「どうして使っていないのですか?」と、理由を尋ねています。電子契約を使用するメリットを各自が痛感するのはもちろんですが、こうした声がけが功を奏しているのかもしれません。
―電子印鑑GMOサインの利用に関する、今後の目標はありますか?
とくに数値目標や計画を立てているわけではありませんが、今後も菰野町のDX推進の方針に沿って業務の効率化・電子化には取り組んでいきたいと思っています。可能なら、請求書の電子化にも対応できると、工事関係で着工前に前払い材料費などを受注者にお支払いするケースがあるので、利便性がさらに高まると考えています。
―お忙しいところ、ご協力いただきありがとうございました。
- 感染症対策を実施の上、インタビューを行っております。
- 掲載している内容、所属や役職は取材当時のものです。
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