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電子請求書を利用するメリットとデメリットを解説。デメリットを理解して使いこなそう! システムを選択する際のポイントも説明

 

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最近業務のデジタル化が進む中で、あらゆる紙媒体が電子的なものに取って代わろうとしています。

請求書についても、電子請求書を利用して請求書を発行する企業が増加しています。電子的な方式で書類を発行したり保管したりすることで、環境保護に役立つだけでなく業務の簡略化にも役立ちます。

電子請求書を利用することにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。この記事で詳しく解説いたします。また、電子請求書を利用する際の注意点などについても知っておくことで、電子請求書を導入する際の参考になります。

目次

電子請求書って何?

電子請求書とは、これまで紙ベースで発行していた請求書をすべてオンライン上で発行し、電子的な形で保存した請求書で取引を行う方法を指します。電子請求書は、PDF形式などの規格で電子ファイルを発行します。そして、電子メールなどを利用して相手に送付し、相手が受信することをもって請求が完了します。

電子請求書と電子帳簿保存法

電子請求書の利用が進められるきっかけになっているのが、電子帳簿保存法と呼ばれる法律です。電子帳簿保存法では、電子的な形で領収書を保存することなどが定められています。請求書についても電子帳簿保存法が関係していて、国を挙げて電子化に取り組んでいることがわかります。電子取引の定義については、次のように定められています。

「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいいます(法2六)。
 なお、この取引情報とは、取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいいます。
 具体的には、いわゆるEDI取引、インターネット等による取引、電子メールにより取引情報を授受する取引(添付ファイルによる場合を含む。)、インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引等をいいます。

【引用】https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/07denshi/01.htm

前述の国税庁のサイトでも説明されているように、電子取引にはEDI(電子データ交換)取引や電子メールに電子請求書を添付してやり取りをする方法サイト上で請求書の授受を行う方法などがあります。

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EDI取引とは

電子取引の方法の1つに、EDI取引があります。EDIは英語のElectronic Data Interchangeの頭文字から取られた言葉で、電子データ交換という意味があります。

EDI取引における請求書や領収書などのやり取りは、専用に設けられたインターネット回線を使用して行います。EDI取引では書類がEDIシステムを経由して送受信されることから安全性が高く、これまでのように紙媒体に印刷して再度入力をする必要もないため、業務の簡略化に役立ちます。

EDI取引のメリット

紙媒体での請求書のやり取りで発生する可能性が高いのが、伝達ミスです。メモをしておいた内容に不備があり、不正確な情報に基づいて請求書を発行してしまったり、請求書を発行する際にタイプミスをしてしまったりする可能性があります。これは主に発行する側のミスですが、些細なミスでも信頼関係に与える影響は大きいため、ミスをできるだけ抑えたいと思うはずです。EDI取引ではこうしたミスが発生する可能性が少なくなるため、結果的に自社の信頼を高めるのに役立ちます。

紙媒体でのやり取りの場合、たとえばFAXで送信したものの、受け取る側の機器が故障していて正しく受信できないといったケースも発生します。EDI取引はこのようなリスクも抑えられます。

電子請求書を利用するメリット

電子請求書を利用するメリットとして代表的なのが、次の4つです。

1.紙媒体への印刷がなくなるため、省資源化や環境保護に役立つ

電子請求書を利用することの最大のメリットに、省資源化が挙げられます。紙媒体に印刷する場合、用紙代やインク代が発生します。請求書や発注書、領収書を郵送する場合には郵送代が発生しますし、社員が取引先を巡回して請求書などを手渡す場合は、そのための時間が取られるだけでなく、ガソリン代なども発生します。

電子請求書に切り替えることで、これまでかかっていたこれらのコストを削減できるため、大幅なコストカットにつながり、その分の資金を他の用途に活用できるようになります。自社が電子請求書を含め、書類の電子化を進めることで、環境に配慮している企業であることを内外にアピールできるというメリットもあります。

2.書類を保管する必要がなく、ワーキングスペースをより広く利用できる

請求書や領収書、契約書など、紙媒体の書類を保管するには、保管場所を確保しなければいけません。企業規模によってはかなりのスペースが必要になることもあります。それぞれの書類をファイルにまとめて保管することになり、資料を参照したい場合に、資料を探すための時間がかかってしまうこともあります。

電子請求書を含め、電子的な媒体に変更することで、これまで必要だった書類の保管スペースは不要になります。また、これまで中規模のオフィスを使用していたのが、小規模オフィスでも対応できるようになり、賃料を節約できるかもしれません。書類を探す場合も、検索をかければすぐに見つかるため、時間の節約にもつながります。

3.修正や訂正がスムーズ

紙媒体の請求書を訂正する場合、再発行をする必要があるため、手間がかかります。企業規模によっては膨大な量の請求書を再発行しなければならず、そのために多くの時間や労力、費用を割かなければならないでしょう。電子請求書を利用することで、これらの作業を簡略化できるようになります。システム上で修正や訂正をかければ即座に反映されるため、スムーズに対応できるようになるのです。

4.在宅でも業務が可能

コロナ禍以降、多くの企業が、在宅業務を推進するようになりました。請求書を含めた書類の電子化で、在宅業務をより推進できるようになります。自宅でも、システムにアクセスすることで、請求書の発行や訂正などを行えるようになるからです。現場主義の場合、どうしても担当者が直接書類を確認して承認する必要がありますが、WEBシステムを利用することで、リモートでも承認ができるようになります。これまでは在宅ワークが難しいと思われていた部署でも、在宅勤務ができる可能性が高まります。

電子請求書を利用するデメリットとは

電子請求書を利用するメリットのほかに考えたいのが、デメリットです。メリットとデメリットの両方を正しく理解することで、電子請求書を導入する必要性がわかります。

1.電子取引システムを採用する費用がかかる

前述のEDI取引システムもその1つですが、電子取引を導入する場合、そのためのシステム開発やハードの導入が必要になります。電子請求書を発行する過程で電子スタンプを付与する機能などを実装させる必要があることから、専用のシステム導入は必要不可欠です。電子請求書を含め、電子取引システムを導入する場合、そのための予算の確保が必要になるため、事前に入念な準備が求められます。

2.電子媒体以外に紙媒体での取引も引き続き存在する

電子化をしても、紙ベースでの請求書や領収書が完全になくなるというわけではありません。紙媒体での請求書の発行を希望する取引先が一定数存在することも、理解しておく必要があります。そのため、電子取引システムを導入した後も、紙媒体での請求書発行ができるよう、既存のシステムを残しておかなくてはなりません。

業種にもよりますが、取引先の多くが紙媒体での取引を希望するというケースもあるかもしれません。そのような場合は将来的に電子媒体への切り替えが進むことを予期して導入するかどうかを決定することになります。判断に迷う場合もあるかもしれないので、社内でしっかり検討する必要があるかもしれません。

もう1つ覚えておきたいこととして、電子取引を始める場合、取引先もそのことを承認する必要があります。事前に協議を行い、確約を得ておくことも忘れないようにしましょう。

3.電子取引を理解するための社員研修が必要

電子取引システムの導入にあわせて、システムの操作を担当部署の社員が理解できるようにしておかなくてはなりません。そのために、研修会や勉強会を開催し、社員に周知してもらうことが必要です。講師の派遣なども検討する必要があります。これまでの請求方法と過程が異なる可能性もあるので、変更点を含め、しっかり理解してもらうのに、ある程度の時間がかかります。

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電子請求書を発行するシステムを選択する際のポイント

電子請求書を発行するメリットとデメリットを比較して、電子取引システムを導入することを決定したら、次はどのようなシステムを選べば良いかを考えます。システムといってもいろいろなパターンがあるので、自社の環境にあった最適なものを導入することが大切です。

ポイントは以下の4つです。

1.今利用しているシステムに電子取引システムを連携させる

電子請求書などを発行するために新しいシステムを導入する場合、現在利用しているシステムと連携できるかどうかをあらかじめ確かめておくのは良いことです。連携できない場合、2つの異なるシステムを稼働させることになるため、業務がかえって複雑になってしまうかもしれません。

このような事態を避けるために、電子取引システムの開発元と事前に協議を行い、既存のシステムと連携ができるかどうかを確認しておきましょう。もし既存のシステムとの連携ができるのであれば、移行はスムーズに行えます。

それができない場合は、導入の可否を再度検討しましょう。あるいは、システム連携が可能なシステムを開発できる業者を選択することも考えられます。

2.どの業務を自動化させるかを決定する

請求書の発行を含め、電子取引システムを導入する前に、自動化できる範囲を確認しておくようにしましょう。そのために必要になるのが、自社の業務で何を自動化させると良いかを把握しておくことです。リストを作成し、どの部門のどの業務を自動化させるようにするかを検討しておきましょう。リストアップができたら、それにあわせて最適なシステムの選定をすると良いでしょう。

3.電子取引と関連した自社の業務を一元管理する

電子取引システムを検討する際には、請求書の発行に関連したほかの業務についても、自動化できるかどうかを検討しましょう。電子請求書を発行できたとしても、取引先との間で入金に関する管理業務や請求書の郵送業務が発生します。これらの業務もシステムで一元管理できるようになると、担当部署の負担を軽減できるため、業務の効率化につながります。

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4.ほかの導入事例を参考にする

初めて電子取引システムを導入する際には、どんなシステムになるのか、なかなかイメージが湧かないと感じるかもしれません。そのような場合には、他社で実際に導入しているシステムが参考になります。取引先がすでに導入しているのであれば実際にそれを見せてもらうことができるかもしれませんし、システム開発業者に依頼して、他社の稼働事例を見学させてもらうこともできるでしょう。

まとめ

電子請求書の導入により、請求書発行に関連した業務の効率化ができ、社員の仕事量を軽減することも可能です。人材不足に悩んでいる場合であっても、システム化することで、少ない人材でも効率的に業務ができるようになります。

電子請求システムを導入することにはいくつかのデメリットがあります。というのも、たとえば紙媒体での請求書や領収書の発行を希望する取引先が一定数存在するからです。この場合、電子請求システムでの取引と紙媒体での取引の2つの取引が混在します。紙媒体の取引先が多い場合、社員の負担が増えてしまう可能性もあるかもしれません。今後紙媒体での取引は減少することが予想されますが、一定の期間はこのような状況が存在することを踏まえて、導入の可否を決める必要があるでしょう。

ここで取り上げた、システムを導入することのメリットやデメリットをしっかりと把握し、自社が導入すべきシステムについて入念に調査を行えば、失敗する可能性は極めて低くなります。

今後、少子高齢化が加速するため、どの業界も人材不足に悩まされるのは確実です。今の段階で自動化システムを導入することで、将来の慢性的な人材不足にも対処できるようになるでしょう。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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