自社の売上を上げたいけれど、何をすればいいかわからないとお困りではありませんか。売上アップを狙うなら、重要な原則を理解したうえで動く必要があります。すべてを把握して行動すれば、これまでよりも高い利益を得られるでしょう。
この記事では、売上を上げるために知っておきたい5つの原則とアイデアを紹介します。自社の売上にお悩みの方はぜひ参考にしてください。
目次
売上を上げるために必要な原則とは？
売上を上げたいけれど、思うようにいかず、利益が伸び悩んでいるとお困りの方も多いでしょう。ここでは、売上アップにつながる5つの原則と、原則を達成するために必要なポイントを紹介します。
売上アップへの5つの原則
売上をアップしたいと思ったら、5つの原則を見直してみましょう。大切な5つの原則は以下の通りです。
- 新しいユーザーを獲得する
- 離脱してしまったユーザーを取り戻す
- 商品の単価を上げる
- 購入される数を増やす
- 購入の頻度を高める
売上は商品が購入された数×商品の単価で決まるため、購入数と単価を上げなければなりません。購入数を増やすには、新しいユーザーを獲得する・離脱してしまったユーザーを取り戻す・購入される数を増やす・購入の頻度を高める必要があります。
新しいユーザーの獲得によって商品の購入数が増えるため、新規ユーザー獲得に向けた広告やキャンペーンが必要です。また、離脱してしまったユーザーを取り戻すことで継続的な購入が見込めるので、ユーザーが魅力的に感じる宣伝も必要になるでしょう。また、ユーザーの一度の購入数を増やすことも重要です。
ユーザーの獲得によって購入される数はアップするものの、商品に魅力がなければ購入頻度は下がります。他社にはない魅力を持った商品は継続的に購入されるため、他社にはないアイデアを商品に施すことが大切です。
魅力的な商品は多少単価を上げても購入されますし、価格が上がれば売上も上がります。ただし、単価が上がれば顧客が離脱する可能性もあるため、適切な価格設定を見極める必要があります。
原則を達成するにはマーケティングが大切
5つの原則を達成するには、マーケティングが大切です。購入される数を増やしたり購入頻度を高めたりするために必要なユーザーは、効果的なマーケティングでの集客によって少しずつ増加します。
注意したいのが、商品のニーズに合った層を見つけることです。やみくもに集客をしても、商品を必要としていないユーザーからの購入は期待できません。時間も費用も無駄にしてしまうため、自社商品は誰に求められるかを分析したうえで行動するようにしましょう。
マーケティング施策の実行には、ターゲットやペルソナの設定が重要です。
【5STEP】売上アップを目指す前にやるべきこととは？
売上アップにつながる原則を把握したら、これから何をすべきかを確認しましょう。ここで売上を上げるためにやるべき流れを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
STEP
自社が抱える問題を洗い出す
まずは自社が抱えている問題を洗い出しましょう。
そのために顧客データと向き合い、分析をします。いくつかの問題が浮上すると考えられますが、何を解決すれば原則を達成できるかを話し合うことがおすすめです。優先順位を決めて1つずつ対処することで、徐々に利益アップにつながる集客を行えるようになるでしょう。
STEP
市場を理解したうえでマーケティング戦略を立てる
マーケティング戦略を立てる際には、市場への理解は欠かせません。市場を理解しない状態で集客しても、受け入れられる市場や求められるニーズがわからず、うまくいかないからです。
まずは自社商品に適した市場を確認しましょう。そのうえで、市場にいるユーザーがどのようなニーズを持っているかを調査します。市場には似たような商品を販売する他社がいるため、他社にはない独自性を商品に加えることも大切です。
マーケティング戦略は商品（Product）・価格（Price）・流通（Place）・宣伝（Promotion）の4Pを意識して立てましょう。4Pについては、次の項目で詳しく解説します。
STEP
顧客の意見を参考に商品（Product）を改良する
自社商品に寄せられるユーザーの意見を集め、独自の価値を生み出しましょう。他社に負けない独自の商品を生み出すには、ユーザーの声が欠かせません。ユーザーからはさまざまな意見が寄せられるので、1つずつ確認し、求められるニーズを把握しましょう。
また、顧客管理システムを使ってユーザーの購買履歴や好みを確認することも大切です。顧客管理システムとは、自社商品を購入したユーザーの情報を管理できるものです。ユーザーがどのような商品を購入しているか、何が好みかを把握できるため、新規・既存にかかわらず情報を管理しましょう。
市場で売れ続けるためには、品質維持と定期的な改善を実施しなければなりません。ユーザーから寄せられる意見をこまめに集め、商品の改善に活かしていくことで、他社に負けない魅力を保ち続けられます。
STEP
流通ルート（Place）と価格設定（Price）を見直す
商品の売れ行きに伸び悩んだら、流通と価格を見直すことがおすすめです。自社商品が利用している流通ルートと、似た商品を展開する他社が利用する流通ルートを比較してみましょう。
流通ルートには実店舗・ECショップ・SNS等があり、ルートが多いほど購入数の増加が見込めます。たとえば自社は実店舗でしか販売しておらず売上が伸びていないのに、似た商品を展開する他社はいくつかのルートを持ち売上が伸びている場合は、流通ルートを増やすことが大切です。
また、市場の動向やユーザーの声を聞いて、価格の見直しも検討しましょう。競合他社がいない場合は価格設定を上げても購入されます。しかし、競合他社が安く似た商品を展開している場合は、価格設定を見直さなければなりません。
競合他社が持っていない独自の価値があるから価格を上げる、新規ユーザー獲得のために価格設定を下げるなどの工夫を実践しましょう。
STEP
新規ユーザー獲得と既存ユーザーの継続を促す宣伝（Promotion）を実施する
新規ユーザーの獲得だけでなく、既存ユーザーの継続を促すための宣伝を実施することも大切です。具体的な例として、商品を使ったことがない人でも手に取りやすい割引キャンペーンや、既存ユーザーを対象としたリピーター特典などが挙げられます。
ユーザーの心をつかむキャンペーンやプログラムは、購入や継続につながる可能性が高くなります。これまでとは異なるユーザーからの支持を得たい場合は、知名度の高い芸能人を使った宣伝もおすすめです。芸能人がイメージモデルを務めることで、ユーザーの関心が集まるため、幅広い層に商品を周知できます。
すぐに実践できる売上を上げるための5つのアイデア
売上アップを狙うマーケティング戦略を立てる際には、自社商品に適したアイデアも必要です。独自のアイデアを採り入れることで、より効果を実感できるでしょう。ここでは、売上を上げるために実践できるアイデアを紹介します。
ブランディングの構築
自社だけのブランディングを構築することで、ユーザーの関心を引きつけられます。ブランディングとは、自社商品と競合他社商品を区別化する要素のひとつです。他社にはない独自の要素を商品に加えることで、商品が必要なユーザーの購買意欲を高められるでしょう。
注意しておきたいのが、ユーザーに求められる要素を加えられているかです。自社商品に適した市場のユーザーが不要だと感じる要素を追加しても、購買にはつながりません。ユーザーの声が重視されるので、意見や口コミを参考にしましょう。
関連する商品のセット販売
売り出したい商品をセット販売することで、ユーザーの購買意欲を高められます。自社が展開する商品で、関連するものがないかを洗い出してみましょう。関連する商品をセット販売すれば、ユーザーはお得感を得られるため、購入数を増やせるかもしれません。
なお、セット販売する際は、単品購入よりも安く買える価格設定が必要です。単品購入と同じ価格帯だと、セット販売しても購入数は増えにくいでしょう。少しでも安くなればお得感が得られるため、購入数の増加につながります。
新規・既存顧客双方をターゲットにしたキャンペーンやセール
期間を定めたキャンペーンやセールで、新規・既存ユーザーの興味を引きつけることもおすすめです。商品価格の割引やおまけなど、ユーザーのニーズに合致した内容にしましょう。ノベルティアイテムを付属させれば、自社ブランドの周知も可能です。
アップセル・クロスセルの取り組み
既存ユーザーへの取り組みとして実施したいのが、アップセルとクロスセルです。アップセルはユーザーが購入している商品よりもグレードの高い商品を推奨すること、クロスセルはユーザーが購入している商品に関連した商品も一緒に購入してもらうことをいいます。
アップセル・クロスセルに取り組むことによって顧客単価を上げられるため、売上アップにつながるでしょう。
商品購入履歴のあるユーザーへの声掛け
過去に商品を購入した履歴のあるユーザーに、ダイレクトメールやメールで声掛けすることも大切です。過去のリピーターは、他社から魅力的な商品が販売されたことにより、乗り換えた可能性があります。
他社にはない独自の価値を付与した商品を宣伝する内容のメールを送れば、再度自社に興味を引きつけられるかもしれません。自社商品が他社にはない独自の魅力があると宣伝できる内容の声掛けを実施しましょう。
売上アップに成功した事例
売上を上げるために行動し、実際に成功した事例も多くあります。ここでは、知名度の高い企業が売上アップに成功した事例を紹介しましょう。
セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングスは、自社商品の料理動画を実店舗とX（旧Twitter）にアップすることにより（※）、売上を大幅にアップさせています。セブン-イレブンなどで販売されているサラダチキンは、満腹感を得られるヘルシーな食材として、ダイエットをしている人や若い世代から人気を集める商品です。
※実際に料理動画をアップしたのは、セブン&アイ・ホールディングスとともにマーケティング施策を行った、動画メディア「テイストメイド」のアカウント
人気のサラダチキンを活用した料理動画を実店舗やXにアップすることで、既存ユーザーの購買意欲を高めることに成功しています。また、Xにアップされた動画を既存ユーザーがリポストすることで、新規ユーザーの目にも留まり、新規・既存どちらの獲得にも成功しているのです。
Xマーケティング「店舗売上は約130％伸長！ セブン&アイ・ホールディングスのTwitter×料理動画×リアル店舗施策」
オンワードホールディングス
アパレルメーカー大手のオンワードホールディングスは、他社にはない独自のサービスを展開することでネット売上を大きく伸ばしています。オンラインでの購入は手軽なメリットがある一方で、着用してみるとイメージが違った、サイズが合わないなどのデメリットもあります。
オンワードホールディングスでは、オンラインショップで取り扱う衣類を実店舗に取り寄せて試着できるサービスを展開することで、ネットでの売上アップに成功しました。デメリットを解決できる画期的なサービスは、ネット上だけでなく、実店舗の売上もアップさせています。
ネットショップ担当者フォーラム「【有力アパレルのEC】好調のアダストリア、オンワード、パル。伸び悩んだTSI、バロックジャパン、三陽商会。その理由は？」
売上を上げる原則を理解して取り組みを実施することが大切
売上を上げるには、5つの原則を把握し、行動することが大切です。
- 新しいユーザーを獲得する
- 離脱してしまったユーザーを取り戻す
- 商品の単価を上げる
- 購入される数を増やす
- 購入の頻度を高める
原則を理解したうえで、自社商品に適した市場をリサーチすれば、どのように集客すべきかが見えてきます。自社商品の魅力を存分に伝えられるマーケティング戦略を立てることで、これまでよりも高い売上を実現できるでしょう。
売上アップを狙うなら、本記事で紹介したアイデアのいずれかもしくは複数を試すのもおすすめです。既存ユーザーの顧客単価を上げるだけでなく、新規ユーザー獲得に向けたアイデアを実践していきましょう。
