住宅ローンは、金融機関によって、完済時年齢や健康状態などについて厳しく審査が行われます。
と不安な方が多いのではないでしょうか。
この記事では住宅ローンを組みたいと思いつつ、審査に落ちないか不安を感じている人に向けて、住宅ローン審査で落ちる理由をくわしく解説します。落ちた場合の対処法や通るためのポイントも解説するため、住宅ローン審査に通りたい方は参考にしてください。
目次
住宅ローン審査の流れ3ステップ
審査を通過しないことには、住宅ローンを組むことはできません。
ここでは住宅ローン審査の流れを3つのステップに分けて解説します。住宅ローン審査の流れを知り、どのくらいの期間が必要で、どのように進めていくのか理解しておきましょう。
STEP
住宅ローンの事前申し込み・事前審査
事前審査は、住宅ローン審査の最初のステップであり、3~4日程度で結果が出ます。金融機関は審査申込書をもとに、申し込み者の年収や勤続年数、借入の有無などから返済能力を審査します。審査申込書は自分で金融機関に提出するか、不動産会社に依頼して代行して提出してもらいます。
また、事前審査では購入物件がまだ決まっていなくても申し込めます。
たとえ購入する予定がなかったとしても、借入れ可否の審査は受けられます。
STEP
住宅ローンの正式な申し込み・本審査
事前審査に通過したら、次は本審査です。本審査は1~2週間程度かかり、より詳細な審査が行われます。本審査では、購入希望物件の担保価値が調査され、団体信用生命保険への加入に必要な健康状態も確認されます。また、必要書類が多いため、提出が遅れると審査期間が長引くので注意しましょう。本審査をクリアすれば、契約手続きへと進みます。
STEP
住宅ローンの契約・借入
本審査が承認されると、借入の契約です。金融機関が融資対象の物件に抵当権を設定し、融資実行され、借入金が指定の預金口座に入金されます。その借入金を、建築業者などに振込し、物件の購入費用の支払いが完了すれば、物件が引き渡されます。
住宅ローン審査に落ちる5つの理由
ところで、住宅ローンの審査には何が理由で落ちてしまうのでしょうか。
ここでは住宅ローン審査に落ちる理由を5つ解説します。5つの理由に自分が当てはまらないか確認してから、住宅ローン審査を申し込みましょう。
年齢
住宅ローン審査では年齢が重要な要素です。多くの金融機関では「完済時年齢」を80歳未満に設定しているため、借入時の年齢が高いと返済期間が短くなり、月々の返済負担が大きくなる可能性が高まります。
たとえば60歳で住宅ローンを組むと、20年以内に完済する必要があり、月々の返済額が高くなるリスクがあります。一方、30~40代の比較的若い時期に住宅ローンを組めば、長期的に返済を行いやすくなります。また、借入年齢が若いほど収入が安定し、返済能力があると判断されやすく、審査通過の可能性が高くなります。
しかし、収入が不安定な場合は、審査が通らない場合もあるので注意しましょう。
健康状態
住宅ローンを組む際、多くの金融機関では「団体信用生命保険」への加入が必須です。
団体信用生命保険とは、契約者が住宅ローン返済中に死亡または高度障害となった場合に、残りの住宅ローンが免除される保険です。
しかし住宅ローンを申し込む際に健康状態が悪いと、保険に加入できない可能性があります。多くの金融機関で団体信用生命保険の加入を必須としているため、加入できないと住宅ローン審査を通過するのは難しいでしょう。
健康診断結果や過去の病歴なども審査の対象となるため、日頃から健康管理を徹底し、生活習慣を整えておきましょう。
返済負担率
住宅ローン審査では返済負担率も重要です。
返済負担率は、年収に対して返済額がどれだけ占めるかを示す割合であり、無理のない住宅ローン返済が可能かを判断する指標となります。
金融機関では「返済負担率=年間の返済額合計÷額面年収×100」をもとに、適切な借入額を決定します。一般的に、無理のない返済負担率は20~25%とされており、範囲を超えると返済が困難になる可能性が高いといえます。
たとえば年収500万円の場合、年間のローン返済額が100万円(20%)を超えると、審査で不利になります。また、返済負担率は他の借入状況も考慮するため、車のローンやクレジットカードの利用状況にも注意が必要です。無理のない返済計画を立てましょう。
物件の担保評価
住宅ローンの審査では、購入予定の物件の「担保評価」が重要な役割を果たします。
物件の担保評価とは、物件の価値が住宅ローンを担保するに足りるかを評価するものです。
金融機関は、返済が滞った際のリスクに備えて、物件に抵当権を設定します。もし住宅ローンの返済ができなくなった場合、抵当権を行使して物件を売却し、住宅ローン残高を回収します。
物件の価値が審査の基準となり、物件が高額で評価されるほど、審査が有利になる可能性が高いです。物件の立地や築年数、周辺の環境などが評価基準となり、特に土地の価値が高い場合は物件全体の評価も向上します。
一方で、価値が低いと住宅ローン金額の調整が必要になる場合があります。
購入前に物件の評価を確認し、住宅ローン審査への影響を把握しましょう。
個人信用情報
住宅ローン審査では、申込者の「個人信用情報」も調査対象です。
個人信用情報は、クレジットカードや各種ローンの利用状況を記録したもので、過去の支払い状況や債務の履歴が含まれます。
金融機関は、審査の一環として信用情報機関に照会し、借入希望者の信用力を確認します。過去に支払い遅延や債務整理、破産などの履歴があると、審査に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
特に、最近の延滞や高額なクレジットカードの利用がある場合は、返済能力に疑問があると見なされます。また、複数のクレジットカードやローンを同時に利用している場合、借入額が多すぎると判断されることも少なくありません。
住宅ローン審査を通過するためには、クレジットスコアを良好に保つのが不可欠です。
定期的に自分の信用情報を確認し、改善できる点があれば早めに対処しましょう。
住宅ローン審査に落ちた場合の対処法2つ
万が一、住宅ローン審査に落ちた場合はどうしたらよいのでしょうか。ここでは住宅ローン審査に落ちた場合の対処法を2つ解説します。
2つの対処法を理解し、万が一の場合に備えて選択肢に入れておきましょう。
他の金融機関に申し込む
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なります。
たとえば、金融機関Aで審査に落ちても、基準が異なる金融機関Bでは審査に通る可能性があります。ネット銀行や地方銀行では審査基準が異なる場合が多く、より柔軟な対応をしている場合もあるため、複数の金融機関で検討するのがおすすめです。金利条件を比較すると、自分に最適なプランを見つけやすくなります。
しかし、短期間に複数の金融機関へ本審査を申し込むと、信用情報に悪影響を与える可能性があるため、申し込みは慎重に行うのが大切です。
仮審査は複数社へ申し込みをしても問題がないため、仮審査の時点で2~3社の金融機関に申し込みをしておきましょう。
融資の条件を見直し、再審査を申し込む
住宅ローン審査に落ちた場合、条件の見直しや改善を行うと、再審査に通る可能性があります。
たとえば既存の借入金を返済して総返済額を減らしたり、自己資金を増やしたりなど、金融機関に対する返済能力をアピールしましょう。返済負担率を低く保つのは、再審査での成功率を上げるポイントの一つです。また、収入や支出のバランスを見直し、余裕のある返済計画を立てるのも重要です。
しかし金融機関は住宅ローン審査に落ちた理由を具体的に教えてくれないため、過去のクレジットカード利用履歴や健康状態など、さまざまな要素を分析し改善することが求められます。
準備を整えたうえで再挑戦すれば、融資を受けられる可能性が高まります。
住宅ローン審査に通るためのポイント5つ
住宅ローン審査に通るためには、ポイントをおさえるのが重要です。
ここでは、住宅ローン審査に通るためのポイントを5つ解説します。
ペアローンを組む
ペアローンとは、夫婦や親子が各名義で別々の住宅ローンを組む方法であり、それぞれの年収が共に安定している場合に有効です。
手続きは別々の必要書類を準備する必要があり、事務手数料も2人分かかるため、手間やコストを考慮する必要があります。しかし、ペアローンは単独の借入より借入金額を増やせたり、夫婦それぞれで住宅ローン控除を利用できたりなどのメリットがあります。
ペアローンを組むと二者間での負担が分散でき、金利が優遇されたり、返済計画の柔軟性も生まれたりするため、資金計画を立てるうえでもメリットが大きいといえます。
連帯債務・連帯保証で住宅ローンを組む
連帯債務や連帯保証を利用して、夫婦が一つの住宅ローンを共有するのも一つの方法です。
連帯債務や連帯保証を利用した場合は夫婦の年収を合算して融資の審査を行い、より高い融資額が期待できるため、単独での申し込みよりも審査に通りやすくなります。連帯債務では、両者が返済義務を負うため、責任を分担しながら融資を受けられるのが特徴です。一方、連帯保証は一方が保証人として立ち、もう一方の収入をもとに審査を通すのが可能になります。
しかしどちらの方法も、返済が滞ると双方に影響が及ぶため、計画的に返済するのが重要です。
また、利用する際は金融機関によって異なる条件や審査基準を確認するのも欠かせません。自身の返済能力を考慮し、無理のない返済計画を立てて申し込みましょう。
他の返済を済ませる
住宅ローン審査で、返済比率が高い場合、審査が通りにくくなります。
特に自動車ローンやスマートフォンの分割払いなど、他の借入がある場合は、全額返済して返済比率を低くおさえるのが重要です。
返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合を指し、金融機関は返済負担率を重視します。
返済を進めると、金融機関に対して信頼性を示せて、審査通過の可能性を高められるでしょう。しかし全額返済を目指す際には、日常生活に支障をきたさないように、無理のない範囲で行うことが求められます。
借入額を減らし、頭金を増やす
住宅ローン審査に通るためには、借入額を減らし、頭金を増やすのもポイントの1つです。
頭金は購入する住宅の価格の一部を前もって支払うもので、一般的には住宅購入価格の20%程度を目指す場合が多いでしょう。十分な頭金を準備すると、借入額を減らせるため、返済負担率が下がります。それにより、金融機関に対する信用度が向上し審査に通りやすくなります。
頭金を増やすためには、定期的な貯金や資産運用を行い、早期に資金を準備することが求められます。長期的な返済負担を軽減するためにも、事前に余裕をもった計画を立てておくのが重要です。
住宅ローン審査前後の転職を控える
住宅ローンの利用を検討している場合、申請前後に転職を行うのは控えましょう。
金融機関は収入の安定性を重視しており、特に、住宅ローンの申請時に安定した収入を得ていない場合、審査に悪影響を及ぼす可能性が高いでしょう。
転職によって給与が上がることもありますが、審査基準を満たすには、ある程度の勤続年数が必要になります。住宅ローン申請の計画を立てる際には、転職予定がある場合は、できるだけローン手続きが完了してから行うのが無難です。
また、転職を考える際は将来的な収入や安定性を考慮し、住宅ローンの返済計画に影響がないように心がけましょう。安定した職業を維持するのが、住宅ローン審査において重要な要素となります。
事前準備を徹底し、住宅ローン審査に臨もう
この記事では住宅ローンを組みたいと思いつつ、審査に落ちないか不安を感じている人に向けて、住宅ローン審査で落ちる理由を詳しく解説してきました。
住宅ローン審査に落ちる理由は以下の5つです。
- 年齢
- 健康状態
- 返済負担率
- 物件の担保評価
- 個人信用情報
金融機関によって審査基準は異なりますが、主に上記5つが審査に影響します。事前準備や確認を徹底し、住宅ローン審査に臨みましょう。
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