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住宅ローンの繰り上げ返済における注意点や得するコツを徹底解説!メリット・デメリットもあわせて紹介

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住宅ローンの繰り上げ返済を検討しているが、判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。住宅ローンの繰り上げ返済では大きな金額が動くため、後悔したないように慎重に検討したいものです。

本記事では、繰り上げ返済の基本内容と繰り上げ返済する際に検討すべき事項を説明します。

また、繰り上げ返済の注意点や得するコツも紹介するので、繰り上げ返済で悩んでいる方は参考にしてください。

目次

住宅ローンの繰り上げ返済とは?

住宅ローンの繰り上げ返済とは、借り入れた元金の全額または一部を当初の返済スケジュールより前倒しで返済することを指します。

繰り上げ返済により元金が減少し、支払利息も軽減されるため、結果的に総返済額を抑えられるでしょう。繰り上げ返済は自分の好きなタイミングで手続きでき、余裕資金がある時やボーナスの支給時期に行う傾向があります。

繰り上げ返済方法は以下の2種類です。

  • 期間短縮型
  • 返済額軽減型

期間短縮型は返済期間を短縮して総支払利息を減らし、返済額軽減型は月々の返済負担を軽減します。どちらの方法もメリットとデメリットがあり、ご自身の家計状況に合った方法を選ぶことが重要です。

また、繰り上げ返済は借入後の早い段階で実施すると、支払利息の軽減効果を大きく享受できます。ローン残高に対して金利がかかるため、ローン残高が大きい借入後の早い段階ほど、支払利息の軽減効果が高く発揮されるでしょう。

2種類の繰り上げ返済方法について

繰り上げ返済方法である「期間短縮型」と「返済額軽減型」を比較して表にまとめました。下表で確認しましょう。

項目期間短縮型返済額軽減型
返済期間短縮できる変わらない
月々の返済額変わらない減額できる
支払利息の軽減効果早期実施ほど大きい中程度
向いているパターン早期完済したい人毎月の返済負担を軽減したい人

ためしに、当初借り入れ元金を2,500万円、当初借入期間を35年、返済ずみ期間が3年で500万円の繰り上げ返済をした場合を見てみましょう。返済方法は元利金等返済で、借入金利は初回から1.0%とすると以下のような繰り上げ返済の効果を得られます。

引用元:金融広報中央委員会|知るぽると

上記条件であれば、期間短縮型と返済額軽減型で減少する利息差額は774,187円になります。住宅ローンに係る費用を少しでも減らしたい方は、期間短縮型が有効でしょう。

次にそれぞれのメリットとデメリットについて解説します。

期間短縮型のメリットとデメリット

期間短縮型のメリットは、住宅ローンにかかる支払利息総額の減少です。元金に繰り上げ返済金額を充当して、住宅ローンの残高を減少させ返済期間を短縮します。

住宅ローンの一般的な返済方法は元利均等返済であり、借入当初での返済額に占める利息割合が高くなり、完済に近づくほど低くなります

住宅ローンに係る費用負担を減らしたい方や老後の安定を見越して早期完済を目指したい方に向いているでしょう。

一方で期間短縮型のデメリットは、返済期間が短くなっても毎月の返済額は変わらないため、家計負担は軽減されません。

期間短縮型を利用する場合、繰り上げ返済後も手元資金に余裕がなければ、家計が逼迫するでしょう。

また、住宅ローン控除には元本の減少と期間短縮の両方が影響し、控除の恩恵が低くならないように考慮しておくことが必要です。

返済額軽減型のメリットとデメリット

返済額軽減型のメリットは、毎月の返済額が減少するため、家計の返済負担が軽減されます。家計に余裕が生まれ、急な資金需要への対応や預貯金などを資産運用に回せるでしょう。

一方で返済額軽減型のデメリットは、期間短縮型より支払利息の軽減効果が低く、結果として総返済額が大きくなることです。

足元の家計状況を改善したい人にとっては有効な手段です。家計改善により、教育資金などの大きな支出がある方は、補填できるでしょう。

住宅ローンを繰り上げ返済しない方が得な場合とは?

住宅ローンを繰り上げ返済することが必ずしも最良の選択肢になるとは限りません。繰り上げ返済をしない方が総合的に得する状況があります。具体的には以下の3つの状況です。

  • 住宅ローン控除の効果が低くなる
  • 手元資金の減少による生活への影響
  • 投資での運用益の方が効果的

具体的に見ていきましょう。

住宅ローン控除の効果が低くなる

繰り上げへ返済により住宅ローン控除が適用できなくなったり、控除額が減少する可能性もあるでしょう。住宅ローン控除は返済期間10年以上が前提であり、控除額は年末の住宅ローン残高を基準に控除率をかけて算出されます。

繰り上げ返済の影響で借り入れしてから完済までの期間が10年を下回ると、住宅ローンの控除が適用されません。また、住宅ローン残高が減少するほど、住宅ローン控除の控除額も減少します。

繰り上げ返済が住宅ローン控除の効果にどう影響するかシミュレーションすることが重要です。繰り上げ返済による利息削減効果と住宅ローン控除による控除額の効果を比較して検討しましょう。

手元資金の減少による生活への影響

手元にある余裕資金すべてを繰り上げ返済に充当すると、すぐに支払える資金がなくなるため、柔軟な支払いの対応ができなくなります。

繰り上げ返済を行った後は、あたり前ですがそのお金は手元に戻せません。急な病気や怪我への治療費や自家用車の修理などによる突然の出費が支払えない可能性があります。

急に支払いが必要になった際に、短期的な借り入れで対応する事ないように、急な出費に備えた生活防衛資金を確保しておきましょう。

投資での運用益の方が効果的

余裕資金で繰り上げ返済を行わないで、投資して資産運用を行う方が資産形成につながる場合があります。住宅ローンの金利が比較的低く、運用利回りが上回るれば、繰り上げ返済より投資により得られる実質利益が大きくなるでしょう。

たとえば、500万円の余裕資金を原資として住宅ローンの繰り上げ返済と資産運用した場合をシミュレーションしましょう。

住宅ローン(の元金3,000万円・金利0.5%・期間35年・元利金等方式)の返済15年目に繰り上げ返済した場合
 期間短縮型返済額軽減型
支払利息軽減額44万4,503円25万4,130円
500万円を資産運用した場合
利率0.5%0.75%1%2%
運用益50万円80万円110万円245万円

シミュレーションの結果のとおり、住宅ローンの金利が0.5%である場合、運用利回りが0.5%以上を期待できるなら、投資による運用益が支払利息軽減額を上回ります。低金利での借り入れであれば、資産運用による利益確保が優位になる可能性が高く、投資を選択肢の一つにすることも重要です。

繰り上げ返済を少し残しておくべき理由

住宅ローンの残高分を返済可能な余裕資金を確保できた際、すぐに繰り上げ返済に充てようとせずに現状を確認しましょう。理由は以下の2点です。

  • ライフステージに必要な資金を確保するため
  • 住宅ローン控除を最大限活用するため

それぞれの理由について解説します。

ライフステージに必要な資金を確保するため

ライフステージ次第では、今後のライフイベントによって多くの資金が必要になる可能性があります。子育て世代であれば、教育資金を中心にお金がかかるライフステージが続くでしょう。

教育資金では、子どもがどのタイミングで私立に進学する行くかでも費用が大きく変わるため、今後のライフプランを考えてから検討することが重要です。

ライフプランを見据えた資金管理をしていかなければ、新たな借り入れが必要になりかねません。教育ローンは、住宅ローンより高い金利になることが多く、繰り上げ返済で住宅ローンを完済しても思うような高い効果が得られない結果になるでしょう。

住宅ローン控除を最大限活用するため

繰り上げ返済をする際には、住宅ローン控除の適用範囲内に収めて検討しましょう。住宅ローン控除が受けられる残高の維持は、大変重要です。

完済になると住宅ローン控除の恩恵を失い、また返済しすぎでも住宅ローン控除の恩恵が減少してしまいます。無駄にしないためにも住宅ローン控除の影響をシミュレーションして最適な返済額での繰り上げ返済が重要です。

住宅ローン控除の適用期限を迎えた際は、今後の家計状況を勘案して最適であれば完済しましょう。

住宅ローンの繰り上げ返済で得するコツ

住宅ローンの繰り上げ返済で得するコツを2つ紹介します。

  • シミュレーションを活用する
  • 金利上昇のタイミングで返済する

それぞれの内容を見ていきましょう。

シミュレーションを活用する

繰り上げ返済を行う前にシミュレーションを活用することは重要です。シミュレーションでは、総返済額や支払利息額をどれだけ軽減できるか、または毎月の返済額をいくらまで減額できるかを確認できます。

シミュレーション結果から現在の家計に対して、どちらの繰り上げ返済方法が効果的であるかを判断できるでしょう。

シミュレーションは、住宅ローンを提供している多くの金融機関がホームページ上に設けています。ご自身が借り入れした金融機関のホームページを確認しましょう。

万が一ない場合は、金融広報中央委員会が運営するホームページの「知るぽると」にある繰り上げ返済シミュレーションを活用してください。

金利上昇のタイミングで返済する

金利が上昇しそうな金融市場であれば、繰り上げ返済を行うと良いでしょう。住宅ローン金利が上昇すれば、必然的に毎月の返済額が上昇します。

金利の上昇前に期間短縮型の繰り上げ返済を行えば、残高減少により金利上昇に伴う返済額上昇の軽減が可能です。

また、金利の上昇によって毎月の返済額が上昇してしまった場合は、返済額軽減型による繰り上げ返済を利用しましょう。返済額の上昇額分を引き下げすると金利が上昇する前と同程度の返済額に戻せます。

金利変動を見通すことは、金融機関であっても困難です。

日本銀行が2024年3月の金融政策決定会合にてマイナス金利解除、同年7月の金融政策決定会合にて政策金利0.25%を決定しました。

政策金利は住宅ローンの変動金利に影響を与える要因です。今回の政策金利の上昇により、変動金利型の住宅ローンの金利が引き上げられる可能性が高くなっています。

実際にメガバンクでは住宅ローンの金利引き上げが決定しており、今後は他行からも発表があるかもしれません。現在の金融市場では金利の変動があり得るため、繰り上げ返済を検討している方は注視しておきましょう。

引用:
日本銀行|金融政策の枠組みの見直しについて
日本銀行|(参考)2024年7月金融政策決定会合での決定内容

住宅ローンの繰り上げ返済の手数料について

繰り上げ返済を行うために手数料を支払う場合があります。支払いに必要になる手数料は金融機関ごとに異なるため、借り入れしている金融機関へ問い合わせが必要です。

繰り上げ返済を検討する際には事前に確認しましょう。繰り上げ返済の手数料が必要になった場合は、シミュレーションに手数料を含んでおくことが重要です。あとから付け加えると、繰り上げ返済による効果が想定より低くなるでしょう。

1回あたり数万円と高額の手数料が必要になる金融機関もあります。手数料の高い金融機関の住宅ローンの場合は、手数料負担を軽減するため、少額の繰り上げ返済は避けましょう。

住宅ローンの繰り上げ返済を成功させるために必要なコツと注意点を理解しておこう

住宅ローンの繰り上げ返済方法は「期間短縮型」と「返済額減額型」の2種類があります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身のライフプランと家計状況に合った方法を選択しましょう。

繰り上げ返済を成功させるコツは手元資金や今後の必要資金を理解し、手数料を勘案したシミュレーションにより最適な返済額を決めます。また、住宅ローン控除へ影響が及ぶため、メリットを最大限に活かすためには残高の維持に注意が必要です。

現在の金融市場は金利変動が起きやすい状況ですので、繰り上げ返済のタイミングとして1つの判断要素になるでしょう。

この記事で紹介したコツや注意点を理解して、住宅ローンの繰り上げ返済が最大限に効果を発揮できるように適切な選択をしてください。

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この記事を書いた人

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