注文住宅の値引き交渉はどのようにすればいいかわからない
注文住宅の購入を検討していく際、上記のような悩みや疑問を持つ人も多いでしょう。
この記事では、注文住宅の値引きについて交渉するタイミングを解説し、交渉のコツや注意点などを紹介します。
この記事を読めば、注文住宅の値引きが成功するために必要なことがわかるでしょう。注文住宅の購入を検討するなかで値引き交渉について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
注文住宅の値引き交渉は慎重さが不可欠
注文住宅を建てる際には、値引き交渉することは可能です。注文住宅の値引き交渉を成功させるためには、慎重に対応することが不可欠ですから、慎重に話を進めましょう。
値引き交渉に慎重な対応が必要な理由は、注文住宅に値引きの概念がないためです。この理由の詳細を下記で説明します。
また、値引きが交渉可能なケースや難しいケースについても解説しているので、見てみましょう。
注文住宅に値引きという概念が存在しない
注文住宅と建売住宅との値引きについての違いを下表にまとめました。
| 注文住宅 | 建売住宅 |
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住宅の状況 | 建設前 | 建設完了または建設中 |
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売れ残りリスク | なし | あり |
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ハウスメーカーの対応 | 売れ残ることがないため、 値引きが必要ない | 値引きしてでも売り切りたい |
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注文住宅は、打ち合わせを行い契約したあとに住宅が建築されるため、売れ残りの心配がありません。一方で建売住宅は、すでに建設完了または建設中であり建築費用が発生しているため、売れ残りは赤字となってしまいます。
また、注文住宅はオーダーメイドで家を作っていくため、いつまでに売らなければ、販売価格が引き下がって利益を回収できなくなるという概念が存在しません。
一方で、建売住宅は建設後1年以内までしか新築住宅として販売できないという期限があります。新築物件としての価値がなくなると、販売価格を大きく引き下げる必要もでてくるでしょう。
このような違いから、注文住宅で値下げ交渉を成功させるためにはハウスメーカーを納得させることが大切です。
という状況へ慎重に運ぶことが重要になります。
値引き交渉が可能なケース
値引き交渉が可能になるケースで最も多いものとして、ハウスメーカーが値引きありきで見積りを出している場合があげられるでしょう。営業担当は確実に契約を取るために、顧客との交渉戦略として値引きできる幅を持って交渉にのぞみます。
営業担当者は顧客から値引き交渉された金額が想定内であれば、営業努力をアピールしながら引下げ対応ができるため、契約につなげやすいでしょう。
営業担当者が値引きできる状況であるにもかかわらず、値引き交渉せずに契約してしまうのは得策ではありません。タイミングを見計らって値引き交渉しましょう。
交渉が難しいケースや制限事項
値引き交渉を受け付けないハウスメーカーも、存在します。そのようなハウスメーカーは、見積もり金額の提示が利益を最大限に抑えた金額を設定しているのが一般的です。
値引き交渉ができるハウスメーカーかどうかを判断するためには、交渉しているハウスメーカーで購入した知り合いや口コミサイトから情報を集めましょう。
値引き交渉のタイミング
営業マンが値引きしてでも契約を取りたい時が、値引き交渉に最適なタイミングです。主に以下のタイミングがあります。
・契約直前に値引き交渉する
・契約時期を決算期に調整する
それぞれのタイミングについて、詳しく見ていきましょう。
契約直前のタイミング
契約直前に値引き交渉するのは、最適なタイミングです。注文住宅は、複数回の打ち合わせを重ね、建設計画やオプションを選択して契約となるため時間がかかります。打ち合わせを重ねたにも関わらず、最終的に契約できないとなると、打ち合わせに費やした時間が無駄になってしまいます。
顧客が契約を迷っている場合、営業担当者はどうにかして契約にこぎつけたいと考えています。金額が理由で契約を迷っている場合は、ハウスメーカーに値引き可能か交渉してみましょう。金額を具体的に伝えることで、営業担当者が動いてくれる可能性は高まります。金額が値引き可能な範囲であれば、営業担当者が「契約を取る最後の武器を使うタイミング」であると判断する可能性が高いでしょう。
万が一、希望価格が営業担当者が値引き可能な範囲を超えていても、社内で検討できるように動いてくれる可能性が高まるタイミングといえます。
決算期のタイミング
ハウスメーカーにとって、決算期には多くの契約をとって売上を立てたい時期です。営業担当者も決算期にあわせてノルマの達成が必要になるため、一つでも契約が欲しい状況になります。そのため、決算期は値下げ交渉しやすいタイミングといえるでしょう。
また、申込予定であるハウスメーカーの決算期を確認して建設計画を立てるのも、有効な手段です。決算期にあわせたキャンペーンであれば、販売価格を値下げしてくれる可能性があります。
場合によっては、競合他社がキャンペーンしていることを引き合いに、値下げ交渉することも効果的です。
決算期の値引きのチャンスを逃さないために、ホームページやパンフレットなどで決算期やキャンペーンを確認しておきましょう。
効果的な値引き交渉で押さえたい2つのコツ
値引き交渉を効果的にするために2つのコツがあります。
・他社の見積りと競合させる値引き交渉
・値引き交渉の言い方
それぞれの内容を解説します。
他社の見積りと競合させる値引き交渉
まず、競合する複数のハウスメーカーへ見積りを依頼しましょう。競合他社の見積り内容を比較検討して、他社が優位な状況である部分を具体的に伝えるのがコツです。
ハウスメーカーとしても、他社に劣った状態で契約できるとは考えてはいないため、同等条件以上の値引きの提示を期待できます。
営業担当者が社内で値引きを検討する際には、比較先の見積書が証拠書類として必要です。値引き交渉する際に提出できるように準備しておきましょう。
値引き交渉の言い方
値引き交渉の際、値引きに応じてくれた場合は、必ず契約すると確約しておくことも重要なコツです。確約となれば、営業担当者は契約を取るために尽力してくれるでしょう。
ハウスメーカーでは採算が取れるように価格を設定しているため、値引きにより赤字になる値下げはできないことを理解しておきましょう。
値引き交渉の注意点
注文住宅を値引き交渉する際に気をつけたい点を2点紹介します。
・品質低下のリスクが発生する
・営業担当者との信頼関係が崩れるリスクがある
それぞれの内容を見ていきましょう。
品質低下のリスクが発生する
注文住宅を値引き交渉されたハウスメーカーは値引きに応じつつ利益を確保するためは、利益調整が必要です。そのため、費用削減が必要となり、品質低下のリスクが発生します。
費用削減で手をつけられやすい費用は、材料費と人件費です。
材料費は、品質の低い材料を代用して材料費を安く抑えるケースがほとんどです。しかし、安い金物や材木が使用されると、性能や耐久性が下がりかねません。
人件費の削減は、工事に動員する人数の削減やベテラン職人と若手職人を入れ替えるなどの方法で行います。工期を変えずに人数を削ると、工期に間に合わせるため、作業工程に手抜きが生じて品質管理が後回しになりかねません。また、ベテラン職人と若手職人の入れ替えは、経験や技術不足により品質が十分に確保されない影響があります。
営業担当者との信頼関係が崩れるリスクがある
過度の要求や高圧的な態度で値引き交渉すると、営業担当者との信頼関係が崩れてしまうリスクもあります。強引な値引き交渉に対して営業担当者は、嫌悪感をもち対応が悪くなる可能性があることを、理解しておくことが必要です。
強引な値引きは、最悪の場合ハウスメーカー側から断られる可能性もあります。
注文住宅は打ち合わせを重ねてから契約に至るため、営業担当者とは気持ちの良い付き合いを心がけることが重要です。信頼関係が確立した上で、真摯な対応で相談すれば、値引き交渉が行いやすくなります。契約後も引き渡しまで営業担当者と関わっていくことになりますから、信頼関係を構築できるよう心がけましょう。
値引きが難しい場合の代替案
値引き交渉が難しい結果となっても、値引き交渉以外に金額を抑えられる方法があります。具体的な方法は以下のとおりです。
・オプションやグレードの変更によるコスト削減
・設計の見直しによる費用負担の軽減
・キャンペーンの活用によるコスト削減
・紹介制度利用による割引
それぞれの方法を見ていきましょう。
オプションやグレードの変更によるコスト削減
注文住宅の建築計画の内容からオプションが本当に必要なものか、選んでいる資材が必要以上に高すぎないかを見直しを行いましょう。打ち合わせですすめられるままに選び、選んだものがライフスタイルや家づくりの優先度に合わない可能性もあります。部屋の広さや部屋数、内装にこだわりすぎた造作棚などによりコストが膨らんでいる可能性があるということです。
求めている効果以上の資材を選択することも、コストが高くなる要因です。たとえば、一般的な断熱材でニーズを満たすにもかかわらず、断熱性能が最高クラスの断熱材を選択しているケースなども考えられるでしょう。
設計の見直しによる費用負担の軽減
設計を見直して費用負担を軽減できないか検討しましょう。複雑な設計や過剰な設備が費用負担の要因になりかねません。
シンプルな設計に変更することや設備を減らすことで費用負担の軽減が可能です。具体的な見直しは以下の内容があります。
・間取り、外構をシンプルにする
・水回りの設備である洗面所や浴室、トイレを1ヶ所にまとめる
・床面積を減らす
・廊下を減らす
など
設計を見直しする際、ご自身が家づくりで優先したい部分まで削り、住み心地の悪い家にならないように注意することが重要です。
キャンペーンの活用によるコスト削減
キャンペーンを活用すれば、値引きやオプションの無料化でコスト削減が期待できます。ボーナス時期や決算期などにキャンペーンを実施するハウスメーカーが多いため、タイミングをあわせて効果的に活用しましょう。
情報をキャッチするためにはホームページやSNSなどでの広告をこまめにチェックし、タイミングを逃さずに動くことが重要となります。
紹介制度の利用による割引
紹介制度を設けているハウスメーカーの場合、その紹介制度を利用することで効果的な値引きが期待できます。紹介制度の利用により、建物価格の値引きやオプションの無料追加または値引きなどが受けられるケースも多いです。家を建てる際は、紹介制度の有無にかかわらず、ご自身の周りに家を建てた家族や友人、知人がいないか確認しておきましょう。
値引き交渉は適切なタイミングとコツを活かして成功させよう
注文住宅には値引きの概念がないため、値引き交渉は慎重にする必要があります。値引き交渉は打ち合わせを重ねて時間をかけた契約直前のタイミングが最適です。また、売上を確保したい決算期に建築スケジュールを調整できると効果があります。
値引き交渉を成功させるコツは、競合他社の見積りと比較して提示することと値引き成功したら契約を確約する言い方をすることです。
また、値引き交渉する際には真摯な対応を心がけ、営業担当者との信頼関係を崩さないようにすることも重要であることを覚えておきましょう。
注文住宅の価格は高くなりやすいため、値引き交渉の成功は費用負担の軽減に大きな効果があります。この記事で解説したタイミングやコツを活かして、値引き交渉を成功させましょう。