一戸建てやマンション、賃貸住宅に引越す際、火災保険料の相場がどのくらいなのか知りたい方が多いのではないでしょうか。
この記事では、火災保険の相場を解説するとともに、火災保険料を決める要因や相場より安くする方法も解説します。火災保険についてくわしく知りたい方は参考にしてください。
目次
火災保険とは
火災保険とは、火災をはじめ、風災や水災などの自然災害によって建物や家財が受けた損害を補償する保険です。
たとえば、台風で屋根が壊れた場合や大雨による浸水で家財が被害を受けた場合に、修理費用や被害品の再購入費用などが補償されます。また、盗難による損害も補償の対象です。火災保険の契約内容は保険会社によって異なるため、自分に必要な補償範囲で契約しましょう。
火災保険料の相場
火災保険料の相場は、一概に○○円と言い切るのが難しいです。なぜなら、建物の構造や所在地、契約内容などによって大きく変動するためです。各保険会社で保険料の算出方法が異なるのも理由の1つになります。
ここでは一戸建て住宅とマンション、賃貸物件を比較した場合の保険料の傾向を解説します。建物の種類によって火災保険料の相場が異なることを知り、保険選びの参考にしましょう。
一戸建て住宅の火災保険の相場
一戸建て住宅の火災保険料の相場は、建物の構造や所在地によって異なります。たとえば、木造一戸建て住宅は耐火性能が低いため、鉄筋コンクリートの一戸建て住宅よりも保険料は高く設定されます。また、台風や大雨のリスクが高い地域に建つ場合、風災や水災の補償を含めることで、相場が上がります。補償内容によって料金が変動するため、一戸建て住宅で火災保険を選ぶ際には自分の住宅の特徴にあった補償を設定し、複数の見積もりを比較することが大切です。
マンションの火災保険の相場
マンションの場合、火災保険料の相場は一戸建て住宅より比較的安価になる傾向があります。理由はマンションの構造は鉄筋コンクリートが主流で、耐火性能が高いからです。マンションでは管理組合が共有部分の保険をかけているケースが多いため、自分が負担するべき補償範囲を明確にして選びましょう。
賃貸物件の火災保険の相場
賃貸物件の火災保険料の相場は、持ち家より安く、年間数千円の場合があります。
賃貸物件では火災保険への加入が事実上必須です。
理由は火災だけでなく、借主による水漏れが原因で他の住居に被害を与えた場合、部屋の原状回復義務があるためです。万が一、加入していない場合は借主の自己負担になります。また、賃貸契約時に指定の保険会社を提示されますが、自由に選べる場合もあるため、費用や補償内容を比較しながら契約しましょう。
火災保険料を決める7つの要因
火災保険料は、さまざまな要因によって決まります。たとえば建物の専有面積や所在地など、物理的条件が災害リスクや補償範囲に影響を与え、災害保険料の算定に反映されます。また、火災保険の契約期間や選択する保険会社によって料金が変わる点も見逃せません。火災保険料を決める要因を知り、自分にあった火災保険を適正な価格で選び、万が一の災害に備えましょう。
建物の専有面積・床面積
建物の専有面積や床面積は、火災保険料に直結する重要な要因の一つです。広い建物は補償の対象範囲が広がるため、保険料が高くなる傾向があります。たとえば、戸建て住宅など建物の延べ床面積(建物の各階の床面積を合計した面積)が広いほど補償範囲を広く設定しなければならないため、火災保険料が高いです。一方、建物の延べ床面積が小さいアパートなどでは補償範囲が狭いため、保険料が抑えられます。火災保険契約時には、自分の住居に適した専有面積の補償を選ぶことが大切です。
建物の所在地
建物の所在地は、火災保険料を決める際に大きな判断材料となります。地域ごとの自然災害リスクが保険料に反映されるため、台風や大雨による浸水が多い地域では保険料が高く設定される傾向があります。一方、災害リスクが比較的低い地域では、保険料が抑えられるケースが一般的です。また、消防署などの多さによっても火災保険料は変わる場合もあります。災害マップや地域の防災状況を確認し、火災保険料の目安を事前に把握したうえで、自分にあったプランを選びましょう。
建物の構造
建物の構造は、火災保険料の算定において重要な要因です。建物は性能により構造級別が定められ、以下3つに分類されます。
M構造:鉄筋コンクリート造のマンションなど
T構造:鉄骨造りの一戸建てなど
H構造:木造の一戸建てなど
木造住宅は燃えやすく、火災リスクが高いため、火災保険料が高くなる傾向があります。一方で、鉄筋コンクリートや耐火構造の建物は火災のリスクが低いため、火災保険料が割安になるケースが多いです。火災保険を契約する際には、自分の建物の構造を把握し、耐火基準が確認できる建物登記簿謄本や建築確認申請書を用意しておきましょう。
建物の築年数
建物の築年数も火災保険料に影響を与える要因です。築年数の浅い建物は、設備が新しいため火災や災害のリスクが低いとされ、火災保険料が安くなるのが一般的です。一方、築年数が古い建物では老朽化による火災リスクや設備の劣化が懸念されるため、火災保険料が高めに設定される傾向があります。火災保険契約前に建物の築年数やメンテナンス状況を保険会社に確認しましょう。
火災保険の補償内容
火災保険の補償内容は自分で決められます。火災のみを補償する基本的なプランは保険料が低めですが、水災、風災などの特約を追加する場合は補償内容が増える分、保険料は高くなります。補償範囲を広くすると安心感はありますが、多額な保険料を支払わなければならないため、自分の生活スタイルやリスクにあわせて必要な補償内容を選びましょう。
火災保険の契約期間・支払い方法
契約期間や支払い方法は、火災保険料に影響を与える要因です。長期契約を選ぶと、保険料が割引される場合が多く、1年契約よりも2年以上、5年契約の方が総額で割安になるケースが一般的です。また、火災保険料は月払いや年払いよりも一括で支払う方が割安になります。どのくらい安くなるか、くわしく知りたい方は各保険会社の見積もりで確認しましょう。契約期間と支払い方法はライフプランや予算に応じて無理なく選ぶことが大切です。
保険会社
火災保険料は保険会社によって、差が生じる場合があります。同じ補償内容でも大手保険会社とネット系保険会社とは料金が異なるため、しっかりと比較しましょう。また、割引制度や特約の充実度も各保険会社で異なるため、自分のニーズにあった保険会社を選ぶことが大切です。補償内容とともに、どのような割引制度があるか確認して選びましょう。
火災保険料を相場より安くする5つの方法
火災保険料はさまざまな工夫をすると、相場より安く抑えられる可能性があります。ここでは火災保険料を相場より安くする方法として、補償範囲や支払い方法など5つ解説します。火災保険を賢く選ぶには5つの方法を理解し、自分の状況にあった保険を選びましょう。
住宅のリスクに応じた補償範囲を設定する
火災保険では火災以外にも風災・水災・落雷・盗難など、さまざまな補償が追加できますが、全て必要とは限りません。
自分の住宅に関係が薄いリスクは補償を外すと、保険料を抑えられる可能性があります。たとえば近くに海や川がなく、洪水リスクが低い地域であれば水災補償を外すなど、自宅の立地や建物の特徴に応じて補償範囲を調整するのが重要です。しかし、補償を削りすぎて必要なときに保険が使えない事態を防ぐため、最低限必要な補償範囲を見極めましょう。見直しを行うと、無駄のない火災保険料を実現できます。
家財の補償額を設定する
家財の補償額を適切に設定すると、火災保険料を削減できます。家財の補償は、家の中にある家具や家電などが火災や災害で失われた際、買い直すための費用を補償するものです。必要以上に高い補償額を設定すると保険料が上がるため、自宅の家財をリストアップし、必要な買い直し費用を試算しましょう。特に、家財が少ない単身世帯やミニマリストの家庭では、補償額を見直すだけで保険料が抑えられる可能性があります。無駄をなくしつつ、万が一の際に必要な補償を受けられるようバランスを取ることが大切です。
複数の保険会社の見積もりを比較して決める
火災保険料は、同じ条件であっても保険会社によって料金が異なるため、複数の見積もりを取って比較するのが重要です。
よく知られた社名だけで安易に決めたり、保険料の安さだけで選んだりすると、万が一のときに十分な補償を受けられないリスクがあります。
自分が必要とする補償範囲を明確にし、補償範囲を満たすプランを選びましょう。効率的に保険会社を比較するには、ネット上で一括見積もりサービスを活用するのがおすすめです。
火災保険を5年契約にし、一括で支払う
火災保険は契約期間を長く設定し、一括払いにすると、保険料が割引されます。
一般的に、1年ごとの更新契約よりも5年契約の方が総額で割安になる傾向があります。同時に、一括払いを選択すると、追加の割引が適用される場合も多いです。特に、保険料の節約を重視する場合、長期契約と一括払いの組みあわせは有効な方法です。しかし、一括払いでは初期費用が高額になるため、予算と相談しながら無理のない範囲で選びましょう。
火災保険の割引制度を利用する
各保険会社が提供する割引制度を利用すると、火災保険料は抑えられます。たとえばネット申し込みやオール電化住宅だと割引する保険会社があります。各保険会社の公式サイトにて割引制度を事前に調べ、積極的に活用して、無駄のない保険選びを実現しましょう。
火災保険に関するよくある質問
火災保険について調べる際には、補償範囲や費用に関する疑問が多いのではないでしょうか。ここでは、火災保険に関するよくある質問をピックアップし、初心者にもわかりやすく解説します。火災保険に関する疑問を解消し、自分にあった保険選びの参考にしましょう。
火災保険で補償されないものは何ですか?
火災保険では、補償対象外となるケースや物品があります。たとえば、地震や津波による被害は通常の火災保険には含まれず、別途地震保険を契約する必要があります。また、経年劣化や自然な消耗による損傷も補償対象外です。貴金属、宝石などの高価な物品は、補償対象として制限がある場合が多いため、契約時に確認しましょう。予期せぬトラブルを防ぐために、事前に補償されない条件を把握することが大切です。
火災保険の相場は2年でいくらですか?
火災保険の2年契約の相場は建物の構造や所在地、補償内容によって異なるため、一概に○○円とは言い切れません。必要のない補償をつけて損がないように、自分の住居やリスクに応じて最適なプランを選びましょう。2年契約は更新の手間が少ないため便利ですが、契約前に複数の保険会社から見積もりを取り、比較して決めることができれば、ベストです。
一戸建て住宅は新築と中古で火災保険の相場は変わりますか?
一戸建て住宅の火災保険料は、新築か中古かではなく、築年数で相場が変わります。築年数が浅い新築住宅は設備が新しく、火災や災害リスクが低いとみなされるため、保険料が安くなる傾向があります。一方、築年数によりますが中古住宅は老朽化や耐火性能の劣化が考慮されるため、保険料が割高になるケースが多いです。しかし、リフォームによる耐震補強を行っている場合はリスクが軽減され、保険料が割引される場合もあります。見積もりを比較し、最適なプランを選びましょう。
火災保険の相場は○○円とは言い切れない!複数の保険会社から見積りを取って契約しよう
この記事では火災保険料の相場がどのくらいなのか知りたい方に向けて、火災保険の相場や火災保険料を決める要因、相場より安くする方法を解説してきました。
火災保険は以下7つの要因によって、保険料が決まるため、一概に○○円とは言い切れません。
・建物の専有面積・床面積
・建物の所在地
・建物の構造
・建物の築年数
・火災保険の補償内容
・火災保険の契約期間・支払い方法
・保険会社
火災保険を可能な限り安く契約したい方は自分に必要な補償範囲を決め、複数の保険会社から見積もりを取ってから契約しましょう。
また、火災保険の契約時には書類のやり取りや契約締結が必要ですが、スムーズな手続きができる電子印鑑システムを使用する場合があります。GMOサインであれば、印鑑不要で火災保険の契約手続きがオンラインで完結し、時間と手間が大幅に省けます。