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不動産業界において、これまでは契約締結の際に紙の契約書を作成するのが一般的でしたが、最近では電子化が進んでいます。2021年のデジタル改革関連法の成立や2022年の宅建業法改正などの影響もあり、電子契約サービスの導入を検討している不動産会社は多いでしょう。
ただ、不動産業界向けにリリースされている電子契約サービスもさまざまな種類があります。電子契約の導入で業務効率をアップできるかどうかは、サービス選び次第による面が大きいといっても過言ではありません。どの電子契約サービスを利用すべきか迷っている経営者の方も多いでしょう。電子契約サービスを選ぶ際には、複数のサービスの特徴を比較してみることが大切です。その上で、自社の業務に合ったサービスを選びましょう。
本記事では、不動産業界向けの主要な電子契約サービスについて、特徴やメリットなどを解説していきます。
不動産業界向けの電子契約サービスの中でおすすめなのは次の6つのサービスです。いずれも、不動産会社にとって業務効率化が期待できます。
では、それぞれのサービスについて、特徴やメリットを紹介していきます。
【圧倒的オススメ】
引用元:電子印鑑GMOサイン
電子印鑑GMOサインは、導入企業数が非常に多いのが特徴です。350万社以上の事業者が利用しており、地方自治体や大企業でも導入されています。
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GMOサインはお試しフリープランというのが設けられているのが特徴です。どの電子契約サービスを選ぶか迷っている場合に、無料で実際に利用してみることができます。署名方法に関しては立会人型のみです。
契約印&実印プランでは、署名方法は立会人型と当事者型の両方に対応しています。オプションでマイナンバー実印も利用可能です。
オプションパックも多数用意されています。
たとえば、セキュリティ内部統制パックなら、ワークフロー固定やIPアドレス制限などを行うことができます。これまで使用していた紙の契約書を電子化して一元管理することも可能です。電子化以前に締結した賃貸借契約などの管理に便利でしょう。
アカウント統合管理パックでは、ひとつのメールアドレスで複数のGMOサインのアカウント管理が可能です。ユーザーの新規登録や削除を一括で行うことも可能ですので、利用する社員が多くても一括管理ができます。
本人確認パックなら運転免許証を添付して簡単に本人確認できます。画像に不備があった場合でも、運転免許所の様式チェックで自動判定されるため便利です。
サポートも充実しており、操作方法などが分からないときには、電話やメール、チャットなどで質問できます。動画マニュアルや使い方ガイドなども用意されています。オンラインセミナーも実施しているため、利用の際には視聴しておくといいでしょう。
オプション支援も用意されています。導入支援として個別にサポートを受けることもできますから、電子契約に関する知識があまりない場合でも問題ありません。設定代行サポートもあり、ユーザー登録やテンプレート登録、電子署名フォーム登録などを専門のスタッフに代行してもらうことが可能です。
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引用元:IMAoS
IMAoS(イマオス)は、2017年にソフトバンクC&S株式会社(現:SB C&S株式会社)とGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提携して提供を開始した日本初の不動産賃貸業向け電子契約サービスです。
2022年より提供元はgooddaysホールディングス株式会社となりましたが、引き続きGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が技術提供を行っており、共同でシステム・サービスの強化を進めております。
不動産賃貸契約の業務に必要な細かな機能を盛り込んでおり、新規の賃貸契約や更新契約はもちろん、Zoomと連携したIT重説機能や、重要事項説明書の電子交付機能などが利用できます。
引用元:いえらぶサイン
いえらぶサインは株式会社いえらぶGROUPが提供している電子契約サービスです。
いえらぶサインでは、さまざまな契約形式に対応しています。不動産取引では、契約者と直接契約するケースの他にも仲介会社を挟んで契約するケースや、家主と契約者間で契約するケースなどさまざまな契約フローがありますが、いえらぶサインではほとんどの契約フローに対応可能です。契約手続きにかかる時間もコストも削減できます。
また、ミスを防止できる仕組みも備わっています。たとえば、複数人の署名や捺印が必要な場合には、漏れが生じるリスクがありますが、いえらぶサインでは、メールを順番に自動送信できる機能があり、署名や捺印の漏れを防止可能です。漏れがある状態で送付しようとした場合には、警告を出す機能もあります。
さらに、募集から更新までのデータの連携が可能です。手作業での情報登録が少なく、契約手続き以外の業務に関しても時間の短縮にもつながるでしょう。
引用元:電子契約くん
電子契約くんはイタンジ株式会社が提供している電子契約サービスで、とくに不動産賃貸取引に特化しています。
不動産の賃貸においては、賃貸借契約だけでなく他にも関連する契約や付帯し、締結する契約が多数あります。電子契約くんでは保証委託契約や駐車場契約などを締結する場合にも、不動産の賃貸で必要になる契約を全般的にカバーしているため、紙の契約書と併用する必要はありません。
賃貸物件の入居希望者がオンラインで入力した情報を、契約時にそのままシームレスに連携できるのも特徴です。書類作成の際に、手作業で入居者のデータを入力する必要はありませんから、業務効率化を図れます。
さらに、契約前に契約書以外の書類を入居者に伝えたい場合、確認書類として追加できます。
引用元:レリーズ(Release)
レリーズ(Release)はGOGEN株式会社が提供している電子契約サービスです。不動産取引の中でも売買に特化しているのが特徴で、不動産の売買を行う際に必要な機能が備わっています。
レリーズの基本サービスは、電子契約と本人確認、物件提案です。電子契約の機能では、国土交通省の規定マニュアルに対応しており、不動産特有の法規制も考慮されています。導入後に自社で追加フロー設計をする必要がないため、人的ミスのリスクも少なく安心して利用可能です。
物件ごとに書類を保存できるため、これまで紙で保存していたときと同じ感覚で利用しやすいサービスとなっています。
本人確認は、スマホを使用したマイナンバーIDからの読み込みに対応しています。即時データ化されるため、手作業でコピーしたり転記したりする必要はありません。そして、物件提案機能で、お客さまに合った物件を即座に検索して提案可能です。
引用元:PICKFORM
PICKFORMは株式会社PICKが提供する電子契約サービスです。不動産業界に特化しており、不動産の売買と賃貸の両方に対応しています。国土交通大臣から適法であると正式な回答をされているのもサービスですから、不動産取引をオンライン上で法に適した形で行うことが可能です。
PICKFORMは、同時署名形式を採用しているのも特徴です。不動産取引においては、当事者が多数にわたることも少なくありません。順番を気にして署名を行うと時間がかかってしまうことも多いです。同時署名形式なら誰から署名しても問題なく、時間の短縮につながります。
また、ストレージにはさまざまな、契約書以外にも拡張子のファイルをアップロード可能です。物件の写真がある場合や、関連するデータをWordやExcelで保存している場合でも、契約書と一緒に格納しておけます。さらに、関連ファイルを簡単な操作で相手と共有できる機能も備わっています。
GMOサインは、導⼊企業数No.1 ※ の電子契約サービスで、350万社以上の事業者にご利用いただいております。また、自治体などにおいても広く導入されています。同⽔準の他社サービスと比較をしても、使用料がとてもリーズナブルなのが特徴です。さらに、無料で試せる「お試しフリープラン」もあるので手軽に利用できます。各種機能も充実しているため、使い勝手も抜群です。ぜひ一度お試しください。
※ 導入企業数は「GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントする。内、契約社数「100万社」(複数アカウントをご利用の場合、重複は排除)
宅建業法(宅地建物取引業法)が2022年5月に改正され、不動産取引でも電子契約が認められるようになりました。
重要事項の説明書や媒介・代理契約締結時の交付書面、契約締結時の交付書面などには押印の必要がなくなり、記名だけが必要というように変更されたのです。
不動産取引に電子契約サービスを導入することによって数多くのメリットが生じます。そのメリットを以下に列記します。
契約手続きに書面が必要になっていたときには、対面で契約書類を渡すにしても、書類を揃えて相手に郵送するにしても、時間がかかります。また、不動産取引の際には、売主と買主のほか、媒介業者や取引主任者など複数人が押印する必要が生じます。
そこに電子契約を導入することで、手続きを簡素化し、業務効率化が可能です。
賃貸不動産の契約の場合、更新の契約や契約の解約までは電子契約でもできましたが、2021年9月1日のデジタル改革関連法に施行以降、新規契約も電子契約が可能となり、ほぼ全ての契約がオンラインで完結できるようになりました。
紙の契約書であれば、対面で契約書類を渡すにしても、書類をそろえて相手に郵送するにしても、相手に書類を送付する日数がかかってきます。不動産に関する契約は、貸主と借主、売主と買主などの当事者の押印だけでなく、仲介業者や媒介業者、取引主任者の押印も必要になります。
これらの契約書の確認と押印のやり取りだけで、数日以上の日数が必要ですが、電子契約なら、この日数を圧倒的に短縮可能です。また、複数の当事者が対面で実際に契約を交わす場合には、日程調整を行って契約のために一堂に会する必要があったのですが、電子契約ならその必要がなくなります。
遠方に住んでいる顧客と不動産契約を結ぶ際、契約書類は現地に直接出向いて押印や署名をしてもらうか郵送で対応していました。しかし電子署名であれば、どんな遠方に住んでいる顧客からもその場で契約書に押印や署名をしてもらえるようになります。もし修正や訂正が必要になったとしても、郵送や再訪問をする必要はなくオンラインで即日対応ができます。
電子契約なら、遠方同士でも不動産契約を即日で締結できるようになるのです。
不動産の譲渡や売買に関する契約書、土地の賃借権に関する契約書、建築の請負に関する契約書など、それぞれの紙の契約書には収入印紙を添付する必要があります。それは印紙税法によって定められているものです。
不動産取引の契約金額は高額であることが多いため、その収入印紙は高額となります。しかし電子契約であれば、電子ファイルに収入印紙を貼付する必要がありません。そこで不動産取引を電子化することで、印紙税を非課税にできます。
紙で契約を行う場合には契約書に使用する紙代のコストは当然のこと、契約書の準備、契約のための移動時間や署名時間など、人的コストがかかってきます。契約書類を郵送するにしても、契約書を梱包する手間や郵送代のコストが必要となります。
契約書を電子化することで、印紙税を含め、コスト削減が可能です。
不動産事業を長く続け、契約書が膨大な数になると、過去の契約書を探して見つけるだけでも時間が必要です。契約書を探すだけに時間をかけていると業務効率も下がるようになってきます。
契約書を電子ファイル化すれば、タイトル、時期、検索タグなどから瞬時に目的の契約書を探せるようになり、業務効率化に寄与します。
会社法432条2項によると不動産契約書の保管期間は10年間です。ただし土地に関する契約は長期になることもあるため、押印された不動産の売買契約書の保存期間は、永久保存が基本といえるでしょう。
そのため、不動産会社には契約書が増え続けるようになり、保管場所が問題となってきます。しかし不動産契約を電子契約に代えることで、棚や書類置き場などの物理的な保管スペースを確保する必要がなくなります。
それでも電子ファイルを格納するハードディスクやサーバーなどを用意する必要はありますが、クラウドサーバーなどを利用すれば、オフィス内にそういった電子デバイスを用意する必要もなくなります。
これまで、宅地建物取引士による重要事項説明は対面で行われることが義務づけられていました。しかしデジタル改革関連法によって、一定の要件を備えていればオンラインによる重要事項説明であるIT重説が売買取引において認められるようになりました。
不動産業界の従業員がリモートワーク可能となるため、不動産会社の働き方改革につながっています。
電子契約書のデータをサーバーやクラウドサービスなどに保管しておくことで破損や紛失、内容の改ざんをされるリスクを軽減できます。
紙の契約書の場合破損や紛失などのリスクもあるため、契約書を電子ファイル化することは自社のコンプライアンス強化にもつながります。
電子契約サービスのタイムスタンプ機能を活用して、契約書にタイムスタンプを付与することで、特定の時点での文書の存在や内容を証明でき、その後の改ざんを検知することも可能となります。
GMOグローバルサイン・HDと、いい生活が行った共同調査によると、現在不動産の賃貸や購入を考えている、もしくは1年以内にその予定がある消費者500人のうち約8割が「オンライン契約を利用してみたい」と回答しています。
このような考え方が消費者の間にも広がってきていますので、電子契約を導入することで消費者ニーズにも応えられるようになります。
法律によって一部の書類の電子化が認められていなかった不動産取引。しかし、不動産取引における書面の電子化が2022年5月にほぼ全面解禁となり、不動産取引に適した電子契約サービスも多く見られるようになりました。しかし電子契約サービスを導入して失敗しては、元も子もありません。
そこでここでは、不動産会社が導入して失敗しない電子契約サービスの選び方をご紹介します。
電子契約サービスには、さまざまな形態のものがリリースされています。そこでまず、以下のような内容から利用したいサービスを絞り込んでいきましょう。
初期費用のほか、月額費用がどのくらいかかるか
自社システムと連携できるのかどうかなど
駐車場や賃貸住宅など、自社が取り扱っている事業のどこまで対応できるか
電子契約サービスの操作はしやすいかどうか
電子契約サービスがバージョンアップする時のアップデートはどのように対応するのか
不動産取引における電子契約は2022年5月に解禁されたばかりですので、これまで紙の契約書で取引をしてきた不動産会社が大半です。
電子契約サービスに慣れていない不動産会社も多いので、他の業界向けの電子契約サービスよりも、使いやすい操作性を持っているかどうか、何か困りごとが起きた際に問い合わせしやすく、すぐに対応してくれるのかどうかなどが大切です。
不動産取引で利用するときに困らないようなサービス設計になっているか、利用する前に必ずチェックしておくようにしましょう。
実際の不動産取引で電子契約サービスを利用しているときに、サービスのトラブルなどが発生し、取引が成立しなくなると一大事です。
そこで、電子契約サービスの実際の使い方の説明やトラブルが発生したときのトラブルシューティングなど、導入後のサポート体制が充実しているかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
電子契約サービスには、全ての業界で活用できる汎用的な電子契約サービスのなかにも、不動産取引のための不動産特化型電子契約サービスがあります。もちろん不動産会社がより使いやすいのは、不動産契約のフローに対応している不動産特化型電子契約サービスです。
不動産取引には、一般的な法律だけでなく宅建業法も絡んできます。また、不動産においては、契約前に消費者に対して取引内容をよく理解させ、未然にトラブルを防止する目的で、物件の案内や説明の際に行う重要事項の説明を指す宅建業法35条に対して書面への署名順序が決められています。また、原本を相手方に提供するタイミングの制限など、国土交通省の定める実施マニュアルを遵守していないと宅建業法違反を問われてしまう可能性があります。
そこで、その電子契約サービスが、国土交通省が定める実施マニュアルを遵守しているか確認しておくことが大事です。
電子契約サービスの場合、悪意のある取引相手が、電子データをコピーして契約内容を書き換える可能性もあります。
そこで国土交通省のマニュアルでは提供要件が記載されています。35条書面の提供方法についても、電子書面を電子メールなどにより提供するか、電子書面をWeb ページからのダウンロード形式により提供するか、電子書面を記録したCD-ROMやUSBメモリなどで交付するかで原本を確認できることが決められています。
重要事項説明前に相手方に提供した原本は、電子契約サービス上でいつでも確認ができることが大切です。
不動産取引における書面の電子化が2022年5月にほぼ全面解禁したと記載しましたが、まだ一部で電子契約できない書類も残っています。それは、借地借家法23条1項、2項で決められた事業用定期借地契約です。事業用定期借地契約は公正証書によって締結する必要があり、電子契約は認められていません。
電子契約サービスの問題ではありませんが、電子契約を利用する際には覚えておきましょう。
ほとんどの電子契約サービスには、本契約する前にトライアルできる期間が設けられています。どんなに高機能サービスであったとしても、使いこなせなかったり使わずに放置するようになったりしてしまえば意味がないものになります。
実際にその電子契約サービスを本当に使いこなせるかどうかを判断するためには、本番環境での無料トライアルができることが重要です。
電子契約サービスは、紙の書類による手続きとは異なる方法で契約書類の作成や管理を行うようになります。そこでまず大事なのは、社内における業務フローの周知徹底が必要です。新しい業務フローが全従業員に理解され適正に運用されるようにします。
新たな電子契約サービスへの移行時には、誤操作や操作ミスが発生するかもしれません。全従業員に対しては電子契約サービスの操作方法を研修することで、操作時のエラーを最小限に減らせるでしょう。
電子契約サービスを導入した後には紙での契約書とは違う方法で契約を更新することになります。そこで、契約更新の際には、既存の顧客に対しても電子契約サービスの手続き方法を誰にでもわかるよう説明しましょう。
具体的な画面の操作方法や入力項目などをマニュアルにまとめておくことで、スムーズに更新手続きができるように準備しておくことが大事です。
パソコンなどの電子デバイスを利用していない高齢者などの顧客に対しても配慮を行うことが必要です。契約の際には、電子契約以外も選択できるようにして、顧客に選んでもらうようにしましょう。
2022年5月18日より、宅地建物取引業法の改正により、不動産取引における電子契約が全面解禁されました。
従来、宅建業法第34条の2、第35条及び第37条に基づき、 重要事項説明書や売買契約書などの重要書類は紙での交付が義務付けられていましたが、今回の改正により、これらの書類を電子データで交付することが可能になりました。
紙の書類作成、印刷、郵送、保管などの手間が省け、業務効率が大幅に向上します。
場所や時間に縛られず、契約手続きを進めることができます。
紙の使用量が減り、環境保護に貢献できます。
不動産取引で電子化できる契約書には以下が挙げられます。
不動産取引で電子化できる契約書一覧
契約書名 | 内容 |
---|---|
代理契約書 | 動産の売買や賃貸などの取引において、売主・買主・賃貸人・賃借人のいずれか一方から依頼を受け、取引の代理業務を行う代理店と依頼者との間で締結する契約書です。 |
重要事項説明書 | 宅地建物取引業者が、不動産の売買・賃貸・交換などの取引において、取引の相手方に交付する義務のある書面です。 |
売買契約書 | 不動産の売買取引において、売主と買主の間で締結する契約書です。 |
賃貸借契約書 | 建物の賃貸借において、貸主と借主の間で締結する契約書です。 |
定期借地契約書 | 土地の賃貸借において、借地期間が定められている契約を締結する際に作成する契約書です。 |
保証契約書 | 賃借人や買主が債務を履行できない場合に、代わりに債務を履行することを約束する保証人と債権者の間で締結する契約書です。 |
連帯保証契約書 | 賃借人や買主が債務を履行できない場合に、保証人が債務者と連帯して債務を履行することを約束する契約書です。 |
ただし、いずれの場合も相手方のIT環境が電子契約に対応可能か確認する必要や、相手方が電子契約を承諾している必要があります。
不動産取引で電子化できない契約書には、以下が挙げられます。
不動産取引で電子化できない契約書一覧
契約書名 | 内容 |
---|---|
事業用定期借地契約 | 土地を事業の用に供する目的で、一定期間のみ賃貸借する契約です。 |
企業担保権の設定又は変更を目的とする契約 | 株式会社の総財産を担保として債権を確保するための契約です。この契約は、株式会社の債務の履行を担保するために締結されます。 |
農地の賃貸借契約書 | 農地を賃貸人から賃借人に賃貸借する際に締結する契約書です。 |
不動産取引で電子化できない契約書がある理由は以下のとおりです。
公正証書法によって書面での作成が義務付けられている契約は、現在電子化が認められていません。
公正証書とは、公証人が作成する公文書であり、高い証明力を持っています。
不動産取引は高額な取引であるため、消費者を保護するために書面での契約を義務付けている場合があります。
不動産取引でも電子契約できる書類が増えたことにより、電子契約サービスを検討している会社も増えました。しかし、メリットがあると同時にデメリットも存在します。
ここでは、電子契約サービスを導入するデメリットをご紹介します。
電子契約サービスを利用するには、システム導入費用や月額利用料などの初期費用・ランニングコストがかかります。特に、中小規模の不動産会社にとっては、コスト負担が大きくなる可能性があるでしょう。初期費用とランニングコストには以下が挙げられます。
初期費用には、以下の項目が含まれます。
ランニングコストには、以下の項目が含まれます。
こうした費用を事前に確認し、導入を検討する必要があるでしょう。
電子契約は、サイバー攻撃などのセキュリティリスクが伴います。システムの脆弱性を突かれたり、不正アクセスにより契約情報が漏洩したりする可能性があります。たとえば、以下のようなセキュリティリスクが存在します。
導入の際には、こうしたセキュリティリスクへの対応も考えておく必要があるでしょう。
高齢者やITに慣れていない顧客にとっては、電子契約の利用が難しい場合があります。特に不慣れな顧客は、従来の紙の契約書を信頼し、電子契約への抵抗感を持つ場合があります。また、セキュリティ面での不安や、法的効力への疑問を抱いている可能性も考えられるでしょう。こうした、顧客に使い方を説明する手間やサポートコストがかかります。
電子契約サービスを既存の顧客管理システムや業務システムと連携させる必要がある場合があります。電子契約システムと既存システムとの連携には、開発費用や導入費用がかかります。また、システム連携に伴う運用コストも発生します。そのため、導入の際には、既存のシステムとの連携についても考えておく必要があるでしょう。
不動産取引における電子化が進んでいますが、ただ電子化すればいいというわけではありません。ここでは、電子化の際に確認しておきたい注意点をご紹介します。
宅地建物取引業法やその他の関連法令では、書面の交付方法等について定められています。電子化にあたっては、これらの法令を遵守する必要があります。不動産取引に関係する主な法令は以下が挙げられます。
こうした関係法令を理解し、適切な方法で電子化を進めなくてはなりません。
不動産取引には個人情報や重要情報が多く含まれますが、電子化により情報漏洩するリスクが高まるため、セキュリティ対策を十分に講じる必要があります。具体的なセキュリティ対策には、以下が挙げられます。
セキュリティ対策は、常に最新の状態を保つようにしましょう。
システムトラブルが発生した場合、契約締結等に支障をきたす可能性があるため、システムトラブルへの対応策を検討しておく必要があります。たとえば、以下のような対策です。
不動産取引は高額な取引であるため、システムトラブルへの対応は特に重要です。事前にしっかりと対策を講じることで、トラブル発生時の影響を最小化し、安全かつスムーズな電子化を実現することができます。
電子契約を導入すると、従来の紙ベースの契約フローを変更する必要があります。変更点は、契約書作成、締結、管理の各フェーズにわたります。具体的には、以下の変更が考えられます。
従来の紙の契約書作成から、電子契約システム上での作成に移行します。
従来の紙の契約書での署名・捺印から、電子署名による締結に移行します。
従来の紙の契約書保管から、電子契約システム上での管理に移行します。
上記のような変更があるため、業務手順の見直しや社員への教育が必要になるでしょう。
不動産取引を電子契約で締結する流れは、従来の紙の契約書を使用する場合とそれほど異なりません。ここでは、不動産取引で電子契約を締結する流れについて解説します。
重要事項説明とは、宅地建物取引業者が、宅地建物の取引において、取引当事者に対し、契約において重要な事項を説明することを指します。重要事項説明は、購入者・借主が、物件や取引条件を十分に理解した上で、契約をするかどうかを判断できるようにするために設けられています。電子契約では、宅地建物取引士が、重要事項説明を対面またはオンラインで行います。オンラインで行う場合は、事前に顧客の同意が必要です。説明内容は、従来の紙の契約書を使用する場合と同様です。こうした説明はIT重説と呼ばれています。
不動産会社は、電子契約サービスを利用して、契約書を作成します。契約書には、物件情報、取引条件、契約内容などが記載されます。契約書は、PDF形式などで作成されます。
不動産会社は、電子契約サービスを利用して、顧客に契約書を送付します。顧客は、メール等で契約書を受け取ります。
顧客は、電子契約サービスを利用して、契約書に電子署名を行います。電子署名は、本人確認やセキュリティ対策のために利用されます。具体的な方法は、利用する電子契約サービスによって異なります。双方が電子署名を行うと、契約が締結されます。契約締結後は、電子契約サービス上で契約書が保存されます。
契約締結後、必要書類を提出する必要があります。必要書類は、取引内容によって異なります。書類の提出方法は、郵送、持参、オンライン等があります。
さまざまな業界でDX化が進められており、不動産業界においてもここ数年で電子契約サービスを導入する企業が増えています。まだ導入していない不動産会社では、早めに導入を検討し、準備を進めることが大切です。
電子契約を導入すれば、これまでよりも契約手続きの手間を減らすことができます。業務がスムーズになり、効率化を図れるでしょう。
ただし、電子契約サービスは多くあり、それぞれ特徴が異なります。不動産業界に特化している電子契約サービスもあれば、全業種を対象にしている電子契約サービスもあるでしょう。不動産業界の中でも、賃貸や売買など特定の取引に特化している電子契約サービスもあります。電子契約サービスの選び方によっては、あまり業務効率化につながらないこともあるかもしれません。
そのため、各サービスを比較して特徴を押さえ、自社に合ったところを選ぶことが大切です。
2022年の宅地建物取引業法の改正により、不動産取引においても電子契約が普及し始めています。不動産会社にとっても、顧客にとっても、従来より便利でスムーズな取引が可能になりました。セキュリティや運用などに留意の上、ぜひ導入を検討してみましょう。
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電子契約サービスごとの違いや選び方などについて、下記の記事でわかりやすく比較しています。ぜひご参考にしてください。また、各社のサービスをまとめた比較表を“無料”でダウンロードできます。
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GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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