掲載内容は【2024年2月】時点の情報を基に作成したものです。最新の情報は各社公式サイトにてご確認ください。
電子契約サービスの本格導入にあたり、どのサービスにすべきか迷うことが多々あります。とくに取引先が多い企業であれば契約相手方に合わせて複数の電子契約サービスを使い分けていることも多く、一本化が難しいこともあるでしょう。また、規模が大きい企業であれば、部署ごとに利用しているサービスが異なるケースもあります。
本記事では、電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプという2つの電子契約サービスを例に挙げて、複数の電子契約サービスを使い分ける、すなわち複数サービスを併用する際の、注意点やメリットについて詳しく解説します。さらに記事後半では、複数サービスに散らばった電子文書を一つの場所にまとめて管理する具体的な方法についてもご紹介。ぜひ最後までご覧ください。
目次
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプの概要
| 電子印鑑GMOサイン | クラウドスタンプ |
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初期費用 | 0円 | ※要問い合わせ |
月額費用(税込) | 契約印&実印プラン (立会人型&当事者型) 9,680円 | ライトプラン ベーシックプラン ※要問い合わせ |
無料プラン | | |
ユーザー数 | 無制限 | ※要問い合わせ |
送信件数 | 無制限 | ※要問い合わせ |
送信料金(税込) | 契約印タイプ(立会人型) 110円/件
実印タイプ(当事者型) 330円/件 | ※要問い合わせ |
| 公式サイト | 公式サイト |
上記の通り、電子印鑑GMOサインは料金体系について明示されており、月額料金や送信料、ユーザー数などが事前にわかります。また、月額料金と送信料が完全無料のお試しフリープランも提供されているため、事前に使用感を確かめやすいでしょう。
一方、クラウドスタンプは事業者の状況に合わせた提案を行っているため、料金やプランの詳細を知りたい場合は問い合わせをする必要があります。
電子印鑑GMOサインの概要と特徴
電子印鑑GMOサインは、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供している電子契約サービスです。紙の契約書に押印する代わりに、電子文書に電子印鑑を押印することで、契約締結が可能です。
GMOサインには、以下のような特徴が挙げられます。
- 送信料が安い
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契約印タイプ(⽴会⼈型電⼦署名)の送信料は1件あたり110円に設定されており、これは業界水準の半額程度です。また大量送信が見込まれるお客さまには、特別料金が用意されています。
- 部外秘の文書も安心して保管できる
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GMOサインは、権限設定や閲覧制限の機能があるため、大切な文章も安心して保管できます。これは、オプションではなく標準で搭載されています。
- 電子帳簿保存法に準拠している
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GMOサインは、電子帳簿保存法に準拠しているため、安心して利用できます。より高い本人性を担保する当事者型電子署名の利用や併用も可能です。
- さまざまなサービスと連携が可能
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CRMやSFA、ワークフローなどのサービスとGMOサインを連携させることもできます。API連携することで、より業務を効率的に遂行できます。
- アフターサポートが充実している
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導入後も安心して利用してもらえるように、さまざまなサービスが用意されています。たとえば、電話サポートは平日10~18時まで行われており、有人チャットも用意されています。また、導入者向けに「初級編」「機能活用編」など、お客さまをサポートするウェビナーを開催しています。
- 特化型サービスがある
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GMOサインは、業種別に特化型サービスも用意しています。
電子印鑑GMOサインの主な機能
GMOサインの主な機能には以下が挙げられます。
署名機能
機能名 | 特徴 |
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契約印タイプ(立会人型) | メール認証により本人性を担保できる。スピーディーな契約締結に向いている。 |
実印タイプ(当事者型) | 電子証明書により本人性を担保できる。法人実印相当の法的効果がある。 |
マイナンバー実印(オプション) | 厳格な本人確認が可能な電子署名。個人との契約で実印の代替となる。 |
長期署名・認定タイムスタンプ | タイムスタンプにより、契約書の作成日時を証明できる。 |
手書きサイン | スマートフォンやタブレットなどの端末を用いた手書きでのサインにも対応。 |
電子署名フォーム | 署名依頼画面を「URL化」できる。不特定多数との契約などを効率化。 |
印影登録 | 紙の見た目と同じような印影を登録可能。 |
スマホアプリ | スマートフォンアプリを使っていつでも・どこでも電子署名ができる。 |
多言語対応 | 日本語、英語、中国語、タイ語、ミャンマー語、ベトナム語、スペイン語、ポルトガル語の計8カ国語に対応。 |
送信機能
機能名 | 特徴 |
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複数文書一括送信(封筒機能) | 1回で複数の文書を送信できる。 |
OR署名 | 設定した複数の署名者のなかで、いずれか1名だけで署名を完了できる。 |
差込文書一括送信 | CSVを使用し、契約相手ごとに異なる文書を差し込み一括送信できる。 |
文書テンプレート登録 | 使用頻度の高い電子文書をテンプレートとして登録できる。 |
下書き保存 | 「下書き一覧」のなかに作成途中の文書を保存できる |
三者間以上の契約 | 三者間以上で契約を結ぶ際に、特別な設定は不要で利用できる |
署名者変更 | 送信先の担当者と署名者が異なる場合でも、送信先の担当者で署名者の変更ができる |
署名順設定 | 複数人の署名が必要な場合、契約文書への署名の順番を設定できる |
権限管理・ガバナンス強化
機能名 | 特徴 |
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閲覧制限 | フォルダごとに閲覧範囲を設定でき、部外秘の文書なども保存できる |
役割・権限設定 | ユーザーごとに役割と権限を設定できる |
操作ログ管理 | ユーザーが「いつ」「どこで」「どの」文書にどのような処理を行ったのか確認できる |
文書管理
機能名 | 特徴 |
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文書検索(電子帳簿保存法対応) | 文書情報から必要な文書を検索できる |
フォルダ作成 | 文書の種類や管理部署ごとにフォルダを作成できる |
文書情報項目設定 | 文書ごとに文書名、相手方、締結日などの情報を登録できる |
文書リスト作成(CSV出力) | 文書リストをCSVで出力できる |
署名互換機能 | 他社サービスの契約書をGMOサインで一元管理できる |
ユーザー管理
機能名 | 特徴 |
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ユーザー登録 | 上限なくユーザー数を登録できる |
ユーザーグループ管理 | ユーザーを所属部署ごとにグルーピングして運用可能 |
GMOサインの評判・口コミ
クラウドスタンプの概要と特徴
クラウドスタンプは、株式会社ハイホーが提供する電子契約サービスです。高いセキュリティと改ざん防止機能を備えたサービスで、証拠能力の強化にも役立ちます。
クラウドスタンプは、主に以下の特徴があります。
- 法令の適法性
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電子署名は、押印と同様の法的効果があります。クラウドスタンプ上で契約し、電子署名することで、契約締結できます。クラウドスタンプで締結した書類は、以下のタイミングで電子署名が付与されます。
- タイムスタンプによる改ざんの対応
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タイムスタンプにより資料の改ざんを防止し、証拠力が担保可能です。
クラウドスタンプの主な機能
クラウドスタンプに搭載されている主な機能をご紹介します。
機能名 | 特徴 |
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契約締結 | 数分で契約締結できる。契約締結までのステータス確認や送信先へのリマインドも可能。 |
契約書保管 | セキュアな保管機能。 |
契約書検索 | 契約書名で契約書を検索できる。 |
本人確認 | メール承認だけでなく、アクセスコード認証も利用可能。 |
テンプレート | PDFファイル・宛先などの情報をテンプレートとして保存できる。 |
ユーザー管理 | 管理者ユーザーの下に複数のユーザーを追加できる。 |
書類管理 | 管理者ユーザーが紐付けたユーザーが締結した契約書を閲覧できる。 |
テンプレート管理 | 管理者ユーザーが作成したテンプレートを、紐付けたユーザーの環境に反映できる。 |
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプの無料プランの機能比較
| 電子印鑑GMOサイン | クラウドスタンプ |
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プラン名 | お試しフリープラン | ※要問い合わせ |
ユーザー数 | 1 |
送信数 | 上限5件/月 |
署名⽅法 | 契約印タイプ(立会人型) |
タイムスタンプ | |
送信料 | 0円 |
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプの無料プランの違い
GMOサインには、お試しとして無料のお試しフリープランが用意されています。一方でクラウドスタンプは、料金や主な機能については問い合わせが必要です。
いますぐ電子契約を試してみたい場合は、GMOサインがおすすめ!
\ 月額料金&送信料ずっと0円 /
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプの有料プランの機能比較
ここでは、GMOサインとクラウドスタンプの有料プランを比較します。
電子印鑑GMOサインの料金プランの特徴
※料金はすべて税込です。
プラン名 | 契約印&実印プラン |
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初期費用 | 0円 |
月額費用 | 9,680円 |
署名タイプ | 契約印タイプ(立会人型) 実印タイプ(当事者型) マイナンバー実印(オプション) |
送信料 | 契約印タイプ(立会人型)110円/件 実印タイプ(当事者型)330円/件 |
電子証明書 | 1枚⽬無料 2枚⽬以降8,800円/枚/年 |
オプションパック | セキュリティ・内部統制パック 初期費用 55,000円 月額費用 55,000円 ワークフロー固定機能 IPアドレス制限 スキャン文書管理(10GB) ⼀括ユーザー管理 ほか |
アカウント統合管理パック 初期費用 55,000円 月額費用 33,000円 グループアカウント機能 ⼀括ユーザー管理 フォルダCSV一括登録 ほか |
本人確認パック 初期費用 110,000円 月額費用 22,000円 ファイル添付 本人確認書類添付 運転免許証の様式チェック SMS送信機能 ほか |
契約レビューパック 初期費用 330,000円 月額費用 55,000円 契約レビュー 全文検索機能 カスタム項目機能 ワークフロー機能 GMOサイン連携機能 |
GMOサインは、無料プランである「お試しフリープラン」と有料プラン「契約印&実印プラン」の2種類があります。お試しフリープランでは基本的な機能を利用できますが、機能制限や送信数制限があります。契約印&実印プランでは、以下の特徴に加えて、機能制限や送信数制限がなくなります。さらに、以下のような特徴が挙げられます。
- 高い証拠力
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契約印&実印プランは、電子署名法に基づく当事者型電子署名に対応しており、実印と同等の証拠力を持っています。そのため、賃貸借契約や売買契約など、重要な契約書にも安心して利用できます。
- 豊富な機能
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契約印&実印プランは、電子印鑑の発行・管理、電子文書の作成・送受信、署名・捺印、証跡管理など、電子契約に必要な機能をすべて備えています。
- 高いセキュリティ
-
GMOサインは、高いセキュリティ対策を施しており、第三者による不正アクセスやデータ改ざんを防ぐことができます。GMOサインで取得および受領済みの認証は以下の通りです。
- ISO/IEC27001(情報セキュリティ)
- ISO/IEC27017(クラウドサービスセキュリティ)
- SOC2 Type1保証報告書
クラウドスタンプの料金プランの特徴
プラン名 | ライトプラン | ベーシックプラン(安心サポート付) |
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初回費用 | ※要問い合わせ | ※要問い合わせ |
月額利用料(契約期間24カ月) |
従量料金 |
電話サポート | | |
契約書ひな形 | | |
オプション | | 経営相談、専門家一括見積 |
クラウドスタンプの有料プランは「ライトプラン」と「ベーシックプラン」の2つがあります。どちらのプランも初回費用、月額利用料、従量料金などの料金は、問い合わせが必要となっています。サービスサポートセンターに電話することで、購入前の相談・問い合わせが可能です。
また、ベーシックプランには「電話サポート」「契約書ひな形」「オプション」機能が搭載されています。オプションでは、経営面のトラブルなどを専門家に電話相談可能です。
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプを併用するメリット
GMOサインとクラウドスタンプは、それぞれ異なる強みを持っています。両方のサービスを併用することで、それぞれのメリットを活かし、より効率的な契約締結を実現できます。
契約締結方法の選択肢の拡大
GMOサインは、電子署名法に基づいた高度な電子署名に対応しており、高いセキュリティと法的な効力を備えています。一方、クラウドスタンプは、押印と同等の法的効果が認められる電子署名に対応しており、スピーディーな契約締結が可能です。
両方のサービスを併用することで、契約内容や相手方との関係性に応じて、最適な契約締結方法を選択できます。
業務効率化
GMOサインとクラウドスタンプは、それぞれ異なる機能を備えています。
両方のサービスを併用することで、それぞれの機能を活かし、契約業務を効率化できます。
使いやすさの向上
GMOサインとクラウドスタンプは、それぞれ異なるユーザーインターフェースを採用しています。
電子印鑑GMOサインの操作性の特徴
個人だけでなく法人向けに設計された、堅牢なインターフェース
両方のサービスを併用することで、利用者それぞれのニーズに合わせた使いやすさを実現できます。
電子印鑑GMOサインとクラウドスタンプの口コミ・評判比較
電子印鑑GMOサインの口コミ・評判(導入事例)
契約書を印刷、製本、押印、そして郵送するといった従来の契約事務と比べて、電子契約では工程が少なく、作業時間が削減されています。しかも、紙と電子契約では、業務フローや担当権限に大きな変更点があるわけではありません。そのため、はじめて電子契約に携わる職員の間に混乱もなく、運用できています。
また、受注者にとっては収入印紙が不要になるというメリットがあります。とくに工事契約では案件の額によって、十数万円の印紙税を負担しなければならないケースがあり、その負担軽減は受注者にとって大きなメリットになっているはずです。
さらに、契約書を持参する必要がなくなったこともあり、来庁する受注者の数が明らかに減少しています。乗用車で来庁され、手続きされた方に対して、駐車券を発行していますが、この発行枚数が半減しています。
出典:電子印鑑GMOサイン導入事例「神奈川県川崎市役所」
自動化する以前は、専属のデジタルサインオペレーションチームが手作業で角印画像を差し込んでいましたが、完了するのはおよそ2時間後。就業時間を過ぎた依頼については翌日に回されるという状態でした。
それがGMOサインの導入による自動化で、最短5分で完了するようになりました。しかも、人を介さないため、24時間いつでも受付可能です。加えて、署名するファイルを手動でアップロード、ダウンロードする際に発生するミスのリスクもなくなりました。
自動化によって各社の担当者が自ら、角印画像を差し込む作業をできるようになったため、デジタルサインオペレーションチームも解散し、現在は別の業務にあたっています。
自動化によって、請求書や領収書の発行にともなう手作業が月に57時間ほど削減された計算になります。
ちなみに角印が必要となる文書はグループ会社全体で見ると、年間1万5,000ほど発生していますが、そのうち90%は電子に切り替わっています。
出典:電子印鑑GMOサイン「グリー株式会社」
クラウドスタンプの口コミ・評判(ケーススタディ)
導入により発注書の回収率が改善し、改修のやり取りも以前よりスムーズとなったため回収の業務時間の改善にもなっている。
出典:クラウドスタンプ「ケーススタディ」
一覧で締結ステータスが管理できて、促進ボタン一つで促進可能となり、製本不要で製本にかかる時間がなくなった。
出典:クラウドスタンプ「ケーススタディ」
電子契約サービスを併用する際の注意点
両方のサービスを併用することで、それぞれのメリットを活かすことができますが、デメリットも存在します。ここでは、主なデメリットをご紹介します。
運用コストの増加
たとえば本記事で紹介しているGMOサインとクラウドスタンプは、それぞれ異なる料金体系を採用しています。
電子印鑑GMOサイン:月額料金制
クラウドスタンプ:従量課金制
両方のサービスを併用すると、2つのサービスの料金を支払う必要となります。そのため、契約書数が多い場合は、コストが大きく増加する可能性があります。
管理の複雑化
それぞれの電子契約サービスは、それぞれ異なる管理画面を提供します。このため、電子契約サービスを併用すると、複数の管理画面を使い分ける必要があり、管理が複雑化する可能性があります。
操作の習熟
電子契約サービスごとに操作方法は異なります。そのため、サービスを併用したいならば、複数の操作方法を習得する必要があり、そのことがユーザーにとって負担になる可能性もあります。
複数の電子契約サービスで作成した契約書類を一本化する方法
現在、電子契約サービスは数多く存在します。そのため、契約相手の利用サービスに合わせて複数のサービスを使い分けている方も多いのではないでしょうか。相手方に合わせることでスムーズな取引が行えるメリットはありますが、保存書類が分散されることで、文書の検索性が落ちるなどのデメリットも存在します。
そのような方におすすめなのが、GMOサインの署名互換機能(※)です。他社サービスにて署名済みの文書をGMOサイン内でまとめて管理ができます。
※「署名互換機能」対象のサービスはこちらからご確認ください。
「相手方とどの電子契約サービスで署名するか調整しなくてはならない」「署名したサービスごとに契約文書がバラバラに保管される」といった悩みをお持ち方でも、今後はGMOサインでまとめて署名・保管することが可能です。
>> 署名互換機能について詳しく見る
まとめ
GMOサインとクラウドスタンプの併用は、コスト削減、セキュリティ強化、業務効率化、海外取引対応、クラウドサービス連携などのメリットがあります。一方で、運用コスト、操作習得、機能連携などのデメリットも存在します。それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自社のニーズに合致するかどうかを検討することが重要です。
電子印鑑GMOサインでは、電子契約サービスをこれから導入されるお客さまのニーズに合わせ、サポートいたします。電子契約サービスの併用や切り替え、導入に関するご質問などがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。
掲載内容は【2024年2月】時点の情報を基に作成したものです。最新の情報は各社公式サイトにてご確認ください。