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建設業法と契約書の電子化に関するまとめ|電子契約を導入すべき理由やメリットを徹底解説!

 

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ビジネスの現場における脱ハンコ化・DXの流れが進んでいる昨今ですが、建設業界においても、ゼネコンなどの大手事業者を中心にその流れが加速している状況です。この流れは早かれ遅かれ、下請事業者・小規模事業者にも波及していくことが見込まれ、苦手だから、面倒だからと言って避けては通れない、業界全体の変化・変革と思わざるを得ない状況です。
その中でも、建設業における管理業務の上で影響が大きい「契約書等の電子化」について、解説したいと思います。

目次

建設業法における建設業とは?

建設業法で、「建設業」とは「建設工事」の完成を請け負う業のこと「建設工事」とは、土木建築に関する工事以下のものと定められています

土木一式工事

総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。)

建築一式工事

総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事

大工工事

木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事

とび・土工・コンクリート工事

イ 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事

ロ くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事

ハ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事

ニ コンクリートにより工作物を築造する工事

ホ その他基礎的ないしは準備的工事

石工事

石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事

屋根工事

瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事

電気工事

発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事

管工事

冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事

タイル・れんが・ブロツク工事

れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事

鋼構造物工事

形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事

鉄筋工事

棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事

舗装工事

道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事

しゆんせつ工事

河川、港湾等の水底をしゆんせつする工事

板金工事

金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事

ガラス工事

工作物にガラスを加工して取付ける工事

塗装工事

塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事

防水工事

アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事

内装仕上工事

木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事

機械器具設置工事

機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事

熱絶縁工事

工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事

電気通信工事

有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事

造園工事

整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事

さく井工事

さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事

建具工事

工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事

水道施設工事

上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事

消防施設工事

火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事

清掃施設工事

し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事

解体工事

工作物の解体を行う工事

【引用】https://www.mlit.go.jp/common/001209751.pdf

建設業における契約書作成義務

はじめに、建設業における契約書の位置づけについて確認しておきたいと思います。建設業法第18条には、次のように契約について規定されています。

建設業法第18条(建設工事の請負契約の原則)
建設工事の請負契約の当事者は、各々の対等な立場における合意に基いて公正な契約を締結し、信義に従つて誠実にこれを履行しなければならない。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100

また、次の第19条1項では、請負契約についての契約書を作成することを義務づけ、契約書への具体的な記載内容15項目も定めています。上記項目の内容に変更が生じた場合も、変更契約について当初の契約書と同様に取り扱う必要があります。(19条2項)

建設業法第19条(建設工事の請負契約の内容)
建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。


一 工事内容
二 請負代金の額
三 工事着手の時期及び工事完成の時期
四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
八 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
十三 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
十五 契約に関する紛争の解決方法
十六 その他国土交通省令で定める事項

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100

実は、契約書作成は建設業法上の義務ではありますが、罰則規定は用意されていません。そのため、契約書作成を怠ったという法律違反行為が無効になるわけではありません。しかし、建設工事の発注者(施主)・受注者間でトラブルが生じた場合に、契約書がないことによって問題解決が難しくなり、トラブルに発展することが想定されます。また、法律に定められているから仕方なく契約書を作る、ということではなく、トラブル防止の観点から必ず作成するようにしましょう。

3.電子契約を採用する際の要件

契約書は、原則として書面(紙)で作成することとなっていましたが(19条1項)、相手方の承諾を得るなど一定の条件を満たした場合は電子的に作成することも認められています。(19条3項)同様に、見積書についても電子的な作成が認められていますので、契約書とセットで作成するようにしましょう(20条3項)

建設業法第19条(建設工事の請負契約の内容)
3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000100

この建設業法第19条第3項ですが、規定自体はかなり前からあったものの、既存の電子契約サービスが法令の定めるルールに合致しているかどうかが不明だったため、長らく活用が進んでいませんでした。

そこで電子契約サービス事業者が「グレーゾーン解消制度」を利用して関係省庁に正式に照会をかけました。

グレーゾーン解消制度とは、現行の規制の適用範囲が不明確な場合などに、新しく開始する事業における規制の解釈・適用の有無を確認できる制度です。

照会の結果、電子印鑑GMOサインを利用した電子契約が法令上問題ないことが判明しました。
また、法令でも詳細に規定されたことにより、ようやく安心して導入できる準備が整った状況となりました。

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【参考】グレーゾーン解消制度とは?(経済産業省)

それでは、電子契約を導入する際の要件について解説したいと思います。

(1)相手方の事前承諾
(19条第3項・令5条の5第1項・規則13条・規則13条の5、13条の6)

電子契約を用いるには、下記ルールに基づき契約の相手方から承諾を得ておく必要があります。

・契約前にあらかじめ、相手方から承諾を得なければならない
・承諾そのものについても、書面または電磁的方法によって得る必要がある
・承諾を得る際には、①どのような電磁的措置(ウェブサービス等)を採るのか、②ファイルへの記録方式について示さなければならない

(2)技術上の基準(規則13条の4第2項)

さらに、電子契約で用いる仕組みについて、次のとおり技術上の基準が定められています。

・契約の相手方がファイルへの記録を出力して書面作成できること
・ファイルに記録された契約事項等について、改変有無の確認措置を講じていること
・契約の相手方の本人確認措置を講じていること

技術上の基準についてですが、かなり細かなことが定められており、このような基準を満たした仕組みを自前で用意するのは非常に難しいと思われます。そこで活用すべきは、電子契約サービスです。

電子印鑑GMOサインをはじめ法令上のルールをクリアしたサービスが各種用意されていますので、基本的にこのようなサービスを利用する前提で、電子契約の導入を検討しましょう。

契約書を電子作成するメリット

契約書作成を紙から電子に移行することで、どのようなメリットがあるのかを解説します。

(1)金銭コストの削減

まずは何よりも、金銭コストの削減が挙げられます。電子契約を採用することで、紙では必要だった次のコストが不要となります。

  ・収入印紙代
  ・印刷コスト(紙代・トナー代)
  ・郵送料

建設業の請負契約は金額が大きくなることが多く、収入印紙代も高額となるケースが多々ありますが、契約書を電子的に作成することで、印紙税が不要となります。印紙税は「文書」にかかる税金であり、電子データは文書でないため、印紙税は不要なのです。
この点は特に大きなメリットであると言えます。

(2)事務コストの軽減

事務処理の手間を軽減できることも大きなメリットとして挙げられます。具体的には次のような改善が見込まれます。

  ・印刷や製本、押印作業の手間削減
  ・郵送作業の手間削減
  ・契約書の保管や検索などの管理作業の手間軽減

どの業界でも人材不足が深刻となっている昨今ですので、事務処理の手間が減ることも大きなメリットであると言えます。
特に建設工事は、「工事の現場」が存在する仕事です。社員が現場に赴くケースも多いわけです。急いでいるときに、紙の契約書では事務所に立ち寄って郵送されてきた契約書の内容を確認したり、ハンコを現場に持ち歩いたりする必要がありますが、電子契約であればインターネットの環境があれば、現場や現場の近くで契約内容を確認したり電子署名を行うことができるのです。

まとめ

建設業における契約の電子化について解説いたしました。
義務ではあるものの、小規模工事などでは契約書が作成されていないケースも見受けられるところです。

電子契約の導入によって契約書作成の負担が減り、契約書の作成率が向上すれば、法令遵守はもちろんのことですが、実質的な観点からもトラブル防止という大きなメリットを得ることができます。電子印鑑GMOサインは建設業法の要件を満たした電子契約サービスです。この機会にぜひ活用ください。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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