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ChatGPTを使って契約書を作成したいけれど、作成時のプロンプトがわからないとお困りではありませんか。最適な質問文を入力することができれば、必要な事項がすべて記載されている契約書をChatGPTに作成してもらえるでしょう。
本記事では、ChatGPTで契約書を作成する際に必要なプロンプトを紹介します。作成した契約書のレビューやリーガルチェックを行う方法についても解説しますので、契約書作成に生成AI(人工知能)の活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTという言葉をよく耳にするようになりました。しかしまだ、どのようなことが可能になるテクノロジーなのかよくわからないという方も多いでしょう。ここでは、ChatGPTの特徴を詳しく解説します。
ChatGPTは、OpenAIによって開発された会話型のAI(人工知能)です。自然言語処理を用いて、人間と自然な会話を行うことができるテキストベースのモデルです。主に、質問に答えたり、情報を提供したり、テキスト生成の補助を行ったりするために使用されます。
2022年11月にChatGPT-3.5がリリースされてから大きな話題を呼び、2023年3月にはChatGPT-4.0がリリースされました。ChatGPT-4.0は有料ではあるものの、3.5に比べて精度が高く、画像・音楽などの生成もできます。
契約書を作成する際は、リーガルチェックを行う必要もあるため、より精度の高いChatGPT-4.0の使用がおすすめです。
ChatGPTで対話をするには、ケース別に適したプロンプトの入力が必須です。プロンプトとは、AIに対して入力する命令文のことです。AIとの会話を楽しむだけであれば、挨拶や自身の気持ちを入力するだけで、プロンプトに応じた返答をしてくれます。
一方、契約書の作成となると、最適なプロンプトを入力しなければなりません。たとえば、請負に関する契約書を作成する際に「契約書を作成してください」と打ち込むだけでは具体的な要望がChatGPTに伝わらず、希望とは異なる回答が返ってくる恐れがあります。
希望条件をしっかり入力することで、より精度の高い契約書が作成されるので、プロンプトには必要なキーワードをしっかりと入れましょう。「〇〇と〇〇の項目が入った、請負に関する契約書を作成してほしい」と入力すれば、プロンプトに応じた文章を返してくれるでしょう。
ChatGPTで契約書を作成するには、作成する契約書内容を明確にしたうえで、プロンプトを考える必要があります。ここでは、プロンプトを作る際に気を付けたい3つのポイントと、契約書作成に必要なテンプレートを紹介します。
契約書を作る際は、以下のポイントを考慮しましょう。
まずは作成する契約書の目的と内容を明確にしましょう。契約には請負や売買、委任などのさまざまな種類があります。作りたい契約書の目的がどれかを判断し、内容についても考えましょう。
契約書の内容は、契約の内容・対象・範囲に加え、締結する当事者双方の情報も必要です。また、契約期間も記載しなければならないため、書類に必要な情報すべてを集めておきましょう。
契約書の目的と内容を明確にし、必要な情報をすべて集めたら、プロンプトの内容を考えます。プロンプトの内容が具体的であれば、修正や加筆の必要がない文章が返ってくる可能性が高くなります。あいまいな内容だと不備が多くなる恐れがあるため、希望を明確に記入するだけでなく、AIに要求がしっかり伝わるようなプロンプトを入力することが大切です。
「同じプロンプトを入力すればかならず同じ答えが返ってくる」というわけではありません。時間帯によっても出力精度は異なるのが現状です。ただしプロンプトに工夫がされていることで望んでいた答えが返ってくる可能性は大幅に上がるため、手を抜かずトライ&エラーを繰り返しながら色々と試してみるのがおすすめです。
毎回ゼロからプロンプトを構築するのは骨が折れるものです。そこで契約書を作る際は、テンプレートを活用するのがおすすめです。テンプレートを保存しておき、契約にあわせて内容を変更すれば、さまざまなケースで活用できます。利用するテンプレートは以下の通りです。
# 目的
# 条件
# 業務の範囲
# 報酬と支払い方法
# 期間
項目の下に、必要な情報を入力しましょう。それぞれに入力する項目は以下の通りです。
契約によって、不要な項目や加筆する項目が変わるため、内容に応じてテンプレートも変えましょう。事前に集めておいた、契約に必要な情報をそれぞれの項目に入力すれば、希望を満たした契約書が作成できます。
以下は簡単な業務委託契約書を作るためのプロンプトと実際にChatGPT-4が出力した契約書の例です。
# 目的
業務委託契約書を作成してください。
# 条件
再委託の禁止条項を盛り込んでください。
# 業務の範囲
公式サイト上オウンドメディアに掲載する記事制作とそれに附随する業務
# 報酬と支払い方法
報酬:10万円(税込)
支払い方法:指定口座への振り込み
支払い期限:納品月の翌月末
# 期間
委託期間は2024年5月1日から2024年6月30日
業務委託契約書
契約の目的
本契約は、甲(以下「委託者」という)と乙(以下「受託者」という)との間で、委託者の公式サイト上オウンドメディアに掲載する記事制作及びそれに附随する業務の委託に関する条件を定めるものである。
契約期間
本契約の有効期間は、2024年5月1日から2024年6月30日までとする。
業務の範囲
受託者は、委託者の指示に基づき、公式サイト上オウンドメディアに掲載する記事の制作及びそれに附随する業務を行うものとする。
報酬と支払条件
受託者の業務の対価として、委託者は受託者に対し、10万円(税込)を支払う。
委託者は、受託者からの業務完了及び納品確認後、指定された受託者の口座に対して、納品月の翌月末日までに報酬を振り込むものとする。
再委託の禁止
受託者は、委託者の書面による事前の承認無しに、本契約に基づく業務の全部または一部を第三者に再委託することは禁止される。
契約の終了
本契約は、契約期間満了により自動的に終了する。
契約期間内であっても、双方の合意により本契約を終了することができる。
委託者は、受託者が本契約に違反した場合や業務の進行状況が不適切であると判断した場合、無通知で本契約を解除することができる。
合意事項
受託者と委託者は、本契約の内容について合意し、本書に署名捺印するものとする。
委託者
住所:
氏名:
代表者署名:________________________
受託者
住所:
氏名:
代表者署名:________________________
(日付)
上記はChatGPTが作成した契約書です。あくまで簡易的なプロンプトによって作成したもののため、内容についてはレビューや検討を重ねる必要がありますが、基本的な枠組みとしては十分なものが作成できているのではないでしょうか。
ChatGPTで契約書を作成したあと、すぐに電子ファイルを取引先に送ったり、印刷して契約を締結したりすることはおすすめできません。精度の高い人工知能を使っているからといって、法に違反していないといい切れないからです。
問題のない契約書を相手に提示するためにも、かならず契約書レビューを行うようにします。契約書レビューもChatGPTで行えるので、作成後の文章に新たなプロンプトを投げかけながら不備や問題点の洗い出しを行いましょう。
ChatGPTだけでなくClaude3やGenimi、Copilotを利用する際にも本記事の内容は参考になるはずです。
作成した契約書全体を要約するときは
この契約書の主要な条項と目的を要約してください
と入力しましょう。
契約書にはさまざまな条項が記載されており、人力ですべてに目を通すとなると時間がかかります。しかし、ChatGPTにプロンプトを入力することで、契約書のメインとなる条項と目的を要約した答えが返ってくるため、契約書全体を簡単に把握できます。
作成した契約内容に不利な条件がないかを確認したい場合は
甲に不利な条件がある場合は指摘してください
と入力しましょう。AIが契約書を確認し、自社側に不利な点がある場合は、それを指摘します。
自社側に不利な点がなくなれば、契約によって損害を被ることはありません。ただし、契約書の変更によって取引先が損害を被る恐れもあるため、修正後に
乙に不利な条件がある場合は指摘してください
と入力することがおすすめです。
双方に不利がなくなるまで内容を調整することで、契約におけるトラブルも防げるでしょう。
契約書に法的効力があるかを確認したい場合は
この契約の法的効力に影響を及ぼす恐れのある条項は含まれていますか?
と入力しましょう。法的効力とは、契約をした当事者が契約内容に拘束されることをいいます。当事者が契約内容に従わなければ、裁判を経て、強制的に履行させることが可能です。
契約違反を防ぐためにも、契約書には法的効力を持たせなければなりません。プロンプトを入力することで、法的効力に影響を及ぼす条項を確認できるため、AIが該当する項目を発見した場合は、修正することが大切です。
契約内容におけるリスクを把握したい場合は
この契約における最大のリスクは何ですか?そのリスクの解決方法も教えてください
と入力しましょう。
契約書全体に目を通しても、担当者一人の確認ではリスクがあることに気づけない場合もあります。そのような場合でも、人工知能にリスクを検索させることで、どの部分に危険が潜んでいるかが明確になります。また、リスクがある場合は解決方法も提示するので、どのように修正すればいいかがすぐにわかるでしょう。
契約書全体が、甲乙双方に公正かを把握したい場合は
この契約書は公正ですか?
と入力しましょう。契約書を作成する際、自社側が不利にならないよう、気付かぬうちに内容を偏らせてしまう恐れがあります。バランスの崩れた契約書を提示すると、相手の信用を失う可能性があるため、提示前に修正しておきましょう。
プロンプトを入力することで、公正のバランスだけでなく、不正な点や解決策も教えてくれます。
契約書全体に欠陥がないかを把握したいときは
この契約書には欠陥がありますか?
と入力しましょう。テンプレートを使って契約書を作成しても、自身で入力する部分もいくつか出てくるので、誤字脱字・文言の矛盾・不適切な条項などがあるかもしれません。
作成した本人が見直しても誤りに気付きにくいため、人工知能を使って全体をチェックすることがおすすめです。文字や文章の誤りはもちろん、契約における不適切な条項も指摘されるので、不備のない契約書を作成できるでしょう。
契約書の改善点がないかを聞きたいときは
この契約書を改善するための提案を教えてください
と入力しましょう。
契約書作成後、このまま取引先に提示してもいいのか、相手に不快に思われるような内容になっていないかなど、不安を感じる場合もあります。自身で見直しても改善点を見つけられない場合は、プロンプトを入力して、人工知能を使用してチェックしましょう。改善を重ねることで、甲乙双方が納得できる契約書に仕上がります。
ChatGPTにプロンプトを入力して、契約書作成やリーガルチェックを行う際、注意しておきたいポイントがいくつかあります。以下に解説する各ポイントに留意してください。
ChatGPTは大変便利なツールですが、完全ではありません。作成した契約書、またはプロンプトの入力によって得たリーガルチェック結果を鵜呑みにしないことが大切です。
ChatGPTは学習データに基づいて回答するので、かならずしも正しい答えを出してくれるとは限りません。そのため、不安要素がある場合は弁護士に最終チェックをしてもらうことがおすすめです。
あくまでアイデア出しやダブルチェックの用途で生成AIを活用するのがおすすめです。
ChatGPTに入力したデータは学習データとして一定期間保存されるため、セキュリティ面に配慮しましょう。契約書を作成する際、企業・個人情報を入力すると、すべての情報が一定期間保存されたままになります。情報が洩れる恐れもあるため、外部に流出すると危険な情報は入力しないようにしましょう。
企業内で利用する場合は、情報セキュリティ部門や法務部門に確認を取ったうえで活用しましょう。
契約書には法的効力を持たせる必要があるため、不安な点があれば、かならず弁護士などの専門家に相談しましょう。前述したように、ChatGPTは学習データに基づいて回答するため、出力された情報すべてが100%正しいとは限りません。
利用規約にも、重要な決定にかかわる事項については専門家の指示を仰ぐよう記載されています。
ChatGPTは、自然言語処理機能を搭載した人工知能です。学習データに基づいて、人と会話をしているかのような回答がなされます。適切なプロンプトを入力すれば契約書の作成もできるため、テンプレートを使い、要望を満たした契約書を作成しましょう。
ChatGPTを使えば契約書の作成やリーガルチェックを手間なく行えるものの、かならずしも正しい答えを出力するわけではない点に注意が必要です。作成や内容のチェックにChatGPTを活用し、全体の最終チェックは弁護士に依頼しましょう。
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