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電子申請とは?導入に必要なものやメリット、注意点を徹底解説

 

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ここ数年で電子申請電子交付を利用する人が増えており、地方自治体などでも電子申請への対応が進められています。まだ電子申請や電子交付への対応をしていない自治体や団体などでは、そろそろ導入したいと検討しているところも多いでしょう。

ただ、電子申請や電子交付を導入することで、これまでとは業務や手続きの進め方が大きく変化します。導入直後に業務が滞ってしまうことがないように、どのように変わるのか、メリットや注意点などもあわせて把握しておきたいところです。

本記事では、地方自治体や団体などで電子申請を導入する方法や導入によるメリット、注意点などを解説してきます。

目次

電子申請とは

電子申請は、地方自治体や国などに対して手続きをする際に、インターネットを利用する方法で行うことです。従来は、申請書や届出書などを紙で作成して行政機関の窓口に提出する方法が一般的でした。郵送などの方法も採られていましたが、紙の申請書や届出書を作成して提出するという点では窓口での提出と変わりません。

その点、電子申請なら紙の申請書や届出書を作成することがない点が大きな違いです。申請をする人は、パソコンやスマートフォンなどを使用して行い、受理する行政機関の側もデータで申請を受け付けます。

電子交付とは

電子交付とは、地方自治体が住民に対して通知書を送る際に、電子データを送信する方法で行うことです。従来は紙の通知書を作成して郵送する方法が一般的でした。しかし、電子申請の普及と相まって、通知書も電子化する動きが広まっており、地方自治体の方でも電子交付への対応が進められています。

また、紙の通知書には公印が押印されていますが、電子交付においては原則として電子署名が必要です。電子契約書などに電子署名を付与するのと同様に、電子交付の場合も電子署名を付与する方法で対応しています。

なお、公印を電子化した電子公印と呼ばれるものも存在します。電子公印とは、公印を電子化したもののことです。

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そもそも公印とは、地方自治体の職員が使用する印鑑で役職名が入っているもののことです(職印とも呼ばれます)。通知書などには主に市町村の役職名入りの印鑑が押されているでしょう。この印鑑が公印に該当します。

この公印の印影を電子化されたものが電子公印で、電子公印自体に本人性や非改ざん性を確保する機能はないものの、電子署名とセットで使用することで、文書の真正性を担保します。そのため、電子署名が付与されていれば、見た目上の電子公印が必要ないと判断されるケースもありますが、戸籍証明書など一部の文書は、たとえ電子化されたものであっても電子公印が必要だとされているのです。

地方自治体での電子申請や電子交付の導入状況

2022年時点で、電子申請や電子交付を既に導入している地方自治体は、全体の84%に達していました。小規模な自治体も含めて、電子申請や電子交付の導入が進んでいることがわかります。

さらにデジタル化の専門部署を設置する自治体も増加傾向にあります。現時点で設置していない自治体でも、今後は設置予定のところも多いです。特に人口20万人以上の自治体ではその傾向が顕著で、76%もの自治体が既にデジタル化の専門部署を設置しています。

※出典:Graffer「84%の自治体がオンライン申請を導入。行政デジタル化の実態『行政デジタル化 実態調査レポート2022』

電子申請の利用方法

電子申請を利用する際には、電子申請システムにアクセスしましょう。それから、申請先の行政機関を選択します。主に地方自治体や日本年金機構、全国健康保険組合などで電子申請が可能です。

行政機関を選択すると電子申請に対応している手続きの種類が表示されるため、これから自分が行おうとしているものを選択しましょう。続けて、必要事項や申請内容を入力し、電子署名を付与します。内容を一通り確認し、間違いがなければ送信しましょう。これで、行政機関にデータが届きます。

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電子申請を導入するメリット

地方自治体や団体などが電子申請を導入するメリットについて見ていきましょう。

業務効率化を実現できる

紙の書類で申請や届出が行われると、行政機関や団体などでは、記載内容を一つひとつ確認した上で審査をしなければなりません。記載内容を元にしてデータの入力などが必要になることもあるでしょう。どうしても時間や労力が多くかかってしまいます。

電子申請を導入すれば、住民も電子申請を利用するようになります。これまで紙の書類で行われていた許認可申請や届出などが電子申請で行われるようになるのです。審査を行うにあたって、紙の書類で手続きするよりも、手間を減らせるのがメリットとなります。

電子申請を導入することで業務効率化を実現し、申請者への審査結果通知もこれまでより早く行えるようになるのです。

情報共有しやすくなる

行政機関では、異なる部署間で同じ情報を扱うことも少なくありません。しかし、情報共有がうまくいかずに、それぞれの部署で別々に情報を取得しているケースもあるでしょう。特に紙の書類で許認可申請が行われている場合には、部署間での情報共有が行いにくいのです。

電子申請を導入すると、申請内容が送信時点でデータで管理されることになります。即座に情報共有されるため、二度手間やヒューマンエラーなどの防止につながるでしょう。

さらに、情報共有しやすくなることは、属人化防止にもつながります。担当者が退職する場合や人事異動で別の部署に行く場合でも、引き継ぎがスムーズにできるでしょう。

ペーパーレス化を実現できる

許認可申請が紙の書類で行われると、行政機関や団体では、申請書の原本を保管しておかなければなりません。大勢の住民からさまざまな申請が行われるため、保管する書類は膨大な量になってしまいます。保管スペースを占有し、管理にも手間がかかるでしょう。

電子申請を導入すれば、紙の書類での申請は減ります。ペーパーレス化を実現できて、膨大な量の書類を保管せずに済むのがメリットです。

また、ペーパーレス化は森林資源の消費量を削減できるため、環境保護やSDGsにもつながるでしょう。

改ざんを防止できる

紙の書類であれば、悪意のある人が記載内容を改ざんしようとすればできてしまう可能性もあります。しかし、電子申請の場合は、改ざんの痕跡が残るような残るような仕組みが採用されており、改ざんを防止できます。

電子申請を導入する上での注意点

電子申請を導入することで得られるメリットは多いですが、次のような点に注意が必要です。

利用環境を整備しなければならない

電子申請をまだ導入していない地方自治体や団体などで、これから導入するには、まず利用環境を整備しなければなりません。電子申請を受理できるシステムを導入し、電子公印を作成する必要があります。

担当部署の設置や職員への研修なども必要です。担当部署以外の職員も電子申請や電子交付に関する一定程度の知識を備えておかなければなりません。

業務フローの策定も必要となります。電子申請を導入後にスムーズに運用していけるように、マニュアルなども完備しておくといいでしょう。

非常に多くの準備があるため、電子申請の導入が決まってもすぐに導入することはできません。どうしても時間がかかることを理解しておきましょう。

セキュリティの強化が必要

電子申請や電子交付を行う際には、個人情報をインターネットで送受信する機会が増えます。データのまま保管しておくということもあり、高セキュリティのインターネット環境が欠かせません。現在のインターネット環境のセキュリティを見直してみて、セキュリティが脆弱なようであれば、強化を図る必要があります。

個人情報の流出などがあると、利用者からの信頼を大きく損ねてしまうため注意が必要です。公的機関や有名企業などの場合には、ニュースなどでも報じられてしまいます。

電子申請を利用する側のメリット

電子申請を導入すると受理する行政機関の側だけでなく、利用者にとってもメリットが大きいです。利用者にとってメリットに感じられれば、行政機関に対する信頼も向上します。では、利用者側にとってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

申請や届出にかかる時間を短縮できる

紙の書類で申請や届出を行う場合には、時間と手間がかかります。たしかに書類作成自体は、パソコンで作成してプリントアウトすれば、手書きよりは時間を短縮できます。しかし、作成した書類の提出に行政機関や団体などの窓口まで足を運ぶ、または郵送するには相応の手間と時間がかかるでしょう。

その点、電子申請を導入すれば、パソコンやスマホの画面上の操作だけで、申請や届出を行うことが可能です。紙の書類を提出する場合と比べて手間がかからず、時間も短縮できます。

交通費や郵送費がかからない

紙の書類を提出する場合と比べて、費用がかからない点も電子申請のメリットです。紙の場合、用紙代や印刷代のほかにも、窓口まで持参するのには交通費がかかり、郵送の場合には切手代や封筒代がかかるでしょう。

電子申請ならそのような費用はかかりません。PCで行う場合にはICカードリーダーが必要になりますが、一度購入すれば次回以降も何度も使えます。

曜日や時間帯に関係なく行える

電子申請は窓口での手続きと異なり、対応可能な曜日や時間帯などは限定されていません。行政機関の窓口が閉まっている土日祝日や深夜、早朝などでも電子申請を行えます。仕事が忙しくて平日の昼の時間帯に、行政機関の窓口に行く時間を取れない人にとって便利でしょう。

画面上で結果を簡単に確認できる

電子申請を行った後には、行政機関や団体の方で申請内容に応じて、審査を行い、その結果を申請者に通知します。申請が電子申請の方法で行われたのであれば、通知も電子交付で行うのが一般的です。電子交付であれば、メールなどの方法を用いるため、PCやスマホの画面上で内容を確認できます。

紙の書類で通知書が送付されるのと比べて、管理するのが楽で、紛失のリスクも低減できる点がメリットです。

電子申請を利用する上での注意点

電子申請は便利な面が多くありますが、利用する際には次のような点に注意が必要です。

送信後に内容の訂正ができない場合がある

紙の書類で申請や届出を行う場合には、提出時に窓口で簡単なチェックが行われることが多いです。あきらかにおかしい箇所や記載すべき箇所が空欄になっているなどの不備があれば、その場で指摘されます。指摘を受けて訂正してから提出可能です。

しかし、電子申請の場合には提出時に内容をチェックされることはありません。送信の操作を行ってしまえば、内容に不備があってもそのまま送信されてしまいます。後から不備があることに気づいても取り消すことができないケースもあります。このようなケースでは、訂正のための手続きが面倒な点に注意が必要です。

電子署名と電子証明書が必要

電子申請を行う際には電子署名を付与する必要があります。電子署名は、本人が手続きを行っていることを証明するためのものです。紙の書類であれば、署名や押印を行うのが一般的ですが、電子申請においては電子署名が署名や押印の役割を果たします。なお、電子署名には電子証明書が必要で、電子証明書は印鑑証明書とほぼ同じ役割を果たすものです。

マイナンバーカードに電子証明書が付いているため、マイナンバーカードを持っている人であれば電子署名ができます。マイナンバーカードを持っていない場合には、別途電子証明書の発行が必要なケースがあります。

電子署名の具体的なやり方に関しては、電子申請システムによって異なります。

電子申請を導入する方法

行政機関や団体などで電子申請を導入する際には、電子申請システムを利用する方法が一般的です。電子申請システムを利用すれば、電子申請を受け付けられる体制を整えるのに加えて、電子交付もできるようになります。マニュアルなども備わっており、サポートも利用可能です。電子申請システムの種類にもよりますが、それほど難しい知識がなくても電子申請を導入できます。

まとめ:電子申請は申請を受け付ける側と申請をする側の双方にメリットがある

電子申請とは、地方自治体や団体などに申請や届出をオンラインで行える仕組みのことです。紙の書類を使用しないため、申請を受ける側も申請をする側にもメリットがあります。電子交付という形で、通知もオンラインで行うことが可能です。既に多くの地方自治体で電子申請を導入しています。

地方自治体や団体などで電子申請未導入の場合には、導入を検討してみましょう。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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