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えるぼし認定とは?どんな制度?認定基準や評価項目、メリットを詳しく解説!くるみん認定との違いも紹介

 

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女性の社会進出が進み、現代の企業には女性が働きやすい職場作りが求められています。えるぼし認定は女性のための制度です。しかし、女性が働きやすくなることは、結果として男性社員にとっても良い状況を生み出します。

目次

えるぼし認定とはどんな制度?

えるぼし認定は厚生労働大臣により、一定の条件を満たした企業に与えられる国の認定制度です。企業による女性が働きやすい職場作りへの貢献を認定する制度ですが、認定のハードルは高く、希少価値があります。一般事業主行動計画を策定し、届け出を行った事業主が認定を受けた場合に、えるぼしマークが与えられます。

えるぼし認定、プラチナえるぼし認定

えるぼし認定:一般事業主行動計画の策定・届出を行った企業のうち、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良である等の一定の要件を満たした場合に認定。
プラチナえるぼし認定:えるぼし認定企業のうち、一般事業主行動計画の目標達成や女性の活躍推進に関する取組の実施状況が特に優良である等の一定の要件を満たした場合に認定。<令和2年6月~>

認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マーク「えるぼし」又は「プラチナえるぼし」を商品などに付すことができる。また、プラチナえるぼし認定企業は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除される。

引用元:厚生労働省ホームページ「えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の概要」

えるぼし認定には3段階あり、その上のランクとしてプラチナえるぼし認定が設けられています。女性活躍推進法に基づいて、女性の活躍推進についての環境を整え、女性が働きやすい制度を作っている企業に与えられます。企業は要件を満たすと申請可能です。プラチナえるぼしは、すべての条件を満たし、更に高い水準にあるとみなされた場合に与えられます。

プラチナ
えるぼし
● 策定した一般事業主行動計画に基づく取組を実施し、当該行動計画に定めた目標を達成したこと。
● 男女雇用機会均等推進者、職業家庭両立推進者を選任していること。(※)
● プラチナえるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準の全てを満たしていること(※)
● 女性活躍推進法に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く。)のうち、8項目以上を「女性の活躍推進企
業データベース」で公表していること。(※)
※実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表することが必要
えるぼし
(3段階目)
● えるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準の全てを満たし、その実績を「女性の活躍推進企業データベー
ス」に毎年公表
していること。
えるぼし
(2段階目)
● えるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準のうち3つ又は4つの基準を満たし、その実績を「女性の活躍
推進企業データベース」に毎年公表
していること。
● 満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた取組の中から当該基準に関連するものを実施
し、その取組の実施状況について「女性の活躍推進企業データベース」に公表するとともに、2年以上連続してそ
の実績が改善していること。
えるぼし
(1段階目)
● えるぼしの管理職比率、労働時間等の5つの基準のうち1つ又は2つの基準を満たし、その実績を「女性の活躍
推進企業データベース」に毎年公表
していること。
● 満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた取組の中から当該基準に関連するものを実施
し、その取組の実施状況について「女性の活躍推進企業データベース」に公表するとともに、2年以上連続してそ
の実績が改善していること。
引用元:厚生労働省ホームページ「えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の概要」

くるみん認定との違いは?

えるぼし認定は、女性が活躍するリーディングカンパニーを認定する制度です。一方のくるみん認定は、仕事と家庭の両立を推進するリーディングカンパニーが受ける認定制度であり、両者には違いがあります。くるみん認定は、高い育児休業取得率の達成や、子育てしやすい制度を設けている企業に与えられます。

えるぼし認定は、申請の時点で基準を満たしている必要があります。一方のくるみん認定は、行動計画の計画期間内に基準を達成すれば良いという違いがあります。また、えるぼし認定は行動計画の目標達成が必須ではありません。一方、くるみん認定は計画行動期間内に目標をすべて達成しなければなりません。

えるぼし認定基準・評価項目5つ

評価項目の達成がえるぼし認定を受ける基準となります。項目は5つあり、その1つめは採用です。女性の採用が男性と比較しどのくらいあるかを判断されます。2つめは継続勤務で、これも男性と比較して、女性がどれくらい長く勤務できているか考慮します。3つめは労働時間等の働き方です。時間外労働や休日労働の時間数を考慮します。項目の4つめは管理職比率です。平均的な管理職比率よりも女性の管理職比率が高い必要があります。最後は多様なキャリアアップです。正社員転換ができているかなどを過去3年間にさかのぼってチェックします。このうちのどれか1~2つの項目を満たしている企業はえるぼし認定の第1段階に認定されます。3~4つの項目を満たすと第2段階、すべての項目を満たしている企業は第3段階に認定される仕組みです。

基準を満たせなかった評価項目については、以下のように扱われます。

● 満たさない基準については、事業主行動計画策定指針に定められた取組の中から当該基準に関連するものを実施し、その取組の実施状況について「女性の活躍推進企業データベース」に公表するとともに、2年以上連続してその実績が改善していること。

引用元:厚生労働省ホームページ「えるぼし認定・プラチナえるぼし認定の概要」

事業主行動計画策定指針の取り組みは、厚生労働省が発行しているパンフレット「一般事業主行動計画を策定しましょう」の、課題に対する取り組みの中から選択すると良いでしょう。このパンフレットは厚生労働省のホームページからダウンロードできます。満たせなかった基準については、2年以上連続して改善していることを示さなければならないため、認定は容易ではありません。だからこそ認定されることには大きなメリットがあるといえるでしょう。

えるぼし認定を受けるメリット

えるぼし認定を受けることは、企業にとって大きく分けて3つのメリットがあります。メリットの1つは、名刺や自社の商品、求人票などにえるぼしマークの付与が可能となることです。認定事業主であることをアピールできます。国のお墨付きを得た企業であることの証拠となるため、優秀な人材の確保、企業イメージの向上につながります。求職者の立場からすれば、働きやすい会社に入りたいと思うのは当然です。しかし、企業は星の数ほどあるため、どの企業が働きやすいのか判断することは困難でしょう。その中で国が認定したえるぼしマークが付与されていれば、大きな判断基準になります。

2つめのメリットは、働き方改革推進支援資金の融資を通常よりも低金利で受けられることです。

働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)

資金使途働き方改革実現計画を実施するために必要な設備資金及び運転資金
融資限度額7億2,000万円(長期運転資金は2億5,000万円まで)
返済期間設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内)、運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内)
利率基準利率からの引下げ幅は、認定の種類によって異なります。
また、使途、返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されるほか、
利率は金融情勢で変動します。詳しくは、日本政策金融公庫へお問い合わせください。
引用元:3つの認定制度のご案内|厚生労働省

3つめは各府省庁で行っている公共調達において加点評価を受けられることです。以下の表は加配を示しています。

認定等の区分総配点に占める割合(%)
(評価の相対的な重要度等に応じ配点)
12%
の場合
10%
の場合
7%
の場合
5%
の場合
女活法プラチナえるぼし121075
えるぼし3段階目10864
えるぼし2段階目8753
えるぼし1段階目5432
行動計画2211
引用元:3つの認定制度のご案内|厚生労働省

えるぼし認定を受けるデメリットは?

えるぼし認定を受ける直接のデメリットではありません。しかし、基準項目を満たそうと努力するあまり問題のある人事を行う可能性があります。たとえば、女性管理職を増やしたいあまり、経験やスキルが不足している人を昇進させてしまう事態が想定されます。このような人事は、周囲との摩擦や業務への悪影響を生みかねません。もちろん、本人にとっても辛いことです。数値だけにこだわるのではなく、本当の意味での働きやすい職場を作る必要があります。

デメリットはメリットになる?女性管理職比率を上げる重要性

えるぼし認定のデメリットとして、数値を重視するあまり目標達成のために無理が生じることをあげました。例として、本人の能力以上の立場を与えてしまうことがあると指摘していますが、女性管理職が増えることはメリットにもなります。

まず、女性管理職が少ない原因から考えてみましょう。女性はライフステージの変化が仕事に影響を与えます。多くの場合、出産、育児のために女性は仕事の時間を削ることを余儀なくされます。夫が転勤になれば、大抵の場合は夫が単身赴任して妻が子育てと家事全てを担うか、妻がキャリアを捨てて夫についていくかのどちらかでしょう。介護を負担するのも女性の役目と考える人が未だに少なくありません。女性特有の問題もあります。生理や月経前症候群、妊娠、更年期など女性特有の体の変化により体調を崩す人は少なくありません。

女性が管理職についたり、キャリアを積んだりするためには多くの障害を乗り越えなければなりません。しかし、女性管理職が増えれば女性従業員が働きやすくなります。女性が働きやすい仕組み作りは、女性が担う方が効率的でもあるでしょう。いくら男性管理職が考え、声をあげたところで、女性が働くうえで必要な制度、仕組みは分からないものです。

女性管理職が増えると、必然的に女性が長く勤めることのできる環境が整い労働力を確保できます。また、女性管理職の起用を推進している企業、女性がキャリアを築きやすい企業は福利厚生が充実し、労働環境が良いため求人者にとって魅力的です。結果として企業が求める人材を確保しやすくなるでしょう。このように、デメリットとされる点も、企業として取り組めば、長い目で見てメリットとなるのです。

えるぼし認定後は?

えるぼし認定を受ければ、それで良いというわけではありません。忘れてならないのは公表です。公表しなければ、認定を取り消されてしまいます。毎年、最低でも1回は、女性の活躍推進企業データベースにおいて公表しましょう。もちろん、認定基準を維持する必要もあります。女性の活躍・両立支援総合サイトにアクセスし、女性の活躍推進企業データベースに登録してください。

 

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この記事を書いた人

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