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多様な働き方が認められてきた昨今、個の能力や経験を活かしたフリーランスとして活躍している人が増えてきています。
時間や場所に縛られず自由に働くことができるイメージのフリーランスですが、いざフリーランスになろう!と思い立っても「まずは何をすればいいの?」「会社を辞めて大丈夫?」と不安なことも多いですよね。
そこでこの記事では、フリーランスになるために必要な準備や、どんな人がフリーランスに向いているか等フリーランスに関するさまざまな疑問にわかりやすくお答えしていきます。フリーランスを目指したい!と考えている人はぜひご覧くださいね。
そもそもフリーランスとは一体どんな人のことをいうのでしょうか。まずはフリーランスの一般的な定義について解説します。
「フリーランス」とは特定の企業や団体に所属せず、個人が自らのスキルや知識を活かして仕事を請け負い、報酬を受け取る働き方のことです。
よく「個人事業主」と混同している人もいますが、フリーランスが働き方を表す言葉なのに対し、個人事業主は税法上の区分を意味しており、税務署に開業届を提出している場合に限ります。もちろんフリーランスが開業届を出して仕事をする場合は個人事業主となるため、その人はフリーランスの働き方をしている個人事業主といえるでしょう。
しかし、フリーランスと個人事業主には明確な定義は存在しないともいわれているので、ほとんど同じ意味として使用されているのが現状です。
では、実際にフリーランスになるためには何から始めればよいのでしょうか。ここからはフリーランスになるために事前にやっておきたい準備5つをご紹介します。
まずはフリーランスとして働くための職種を決めましょう。現在フリーランスとして活動している人には以下のような職種が存在します。
プログラマー、システム開発、アプリ・ゲームの開発など
イラストレーター、漫画家、デザイナー、写真撮影、動画編集など
ライター、翻訳、編集・構成、コピーライターなど
コンサルティング、マーケティング、web集客など
その他にも多種多様な分野の職種が存在しますが、代表的なものにしぼると上記のように分けられます。
この中で、一般的に挑戦しやすいとされているのがwebライターを代表する③の文筆業です。基本的な日本語能力が備わっている人であれば、特別なスキルや資格がなくてもすぐに働き始めることができます。フリーランスになりたいけれど特に職種が決まっていないという人や文章を書くのが好きという人は、チャレンジしてみるのをおすすめします。
フリーランスとして働く職種を決めたら成功するために足りないスキルを見直して、能力を習得するために行動しましょう。
もちろん、特別なスキルが無くてもフリーランスになることは可能です。しかし、フリーランスになることと稼げるようになることは全く別物。
もし目指している職種が未経験の場合、いざ仕事に応募しても採用されずに仕事を始めることすら叶わない可能性もあります。仕事を依頼する側も報酬を支払う以上、その分野に精通していてスキルや実績がある人に任せたいと思うのは当然ですよね。そのため、同じ案件に経験者と未経験者が応募した場合、やはり前者が採用されるパターンが多いのが現状です。
もちろん未経験でも採用してもらえることもありますし、フレッシュな視点を持った人を採用したい等の企業それぞれの考え方もあります。未経験だからといって仕事が取れないとは一概にはいえませんが、スキルや知識はあって邪魔になるものではありません。
自分の一つの武器として今後の活動の自信にも繋がるので、通信教育やセミナーへの参加、書籍の購入等、検討してみることをおすすめします。
フリーランスとして活動するためには、自ら仕事を探して案件を獲得する必要があります。前職に関わりがあるものであれば仕事を紹介してもらえる可能性もあるかもしれませんが、フリーランスになりたての頃は、クラウドソーシングやSNSを活用して仕事を探している人がほとんどです。
クラウドソーシングとは、企業や個人がWEBサービスを通して不特定多数の人に仕事を依頼する業務形態のことを指します。クラウドソーシングサービスの利用者は増え続けており、代表的なサービスに「ランサーズ」「クラウドワークス」などがあります。登録無料なので、まずはどんな仕事があるか見てみるだけでも今後の活動のために役立ちますよ。
ここまできたら次は仕事を始められるように具体的な準備に移ります。
どんな職種であれパソコンが無ければまず仕事はできないので、持っていない人はパソコンを購入しましょう。また通信インフラの整備も大切。外出先で仕事をする場合は、モバイルWi-Fiルーターの導入なども含め、自身の活動スタイルに合わせたインターネット環境の整備もあわせて行いましょう。
会社を辞めてフリーランスとして働く場合、今まで加入していた社会保険がきれるので、国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になります。また、必須ではありませんが開業届や青色申告承認申請書の提出もできますので、次項で具体的に解説します。
フリーランスになるための準備が一通り終わったら、いよいよフリーランスとしての活動スタートです。ここでは必ず押さえておきたい手続きに関してお話ししていきます。
個人事業主として開業する場合には、所轄の税務署に開業届を提出する必要があります。開業届とは、個人事業主として事業を開始したことを申告する書類のことで、正式には「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
原則、事業の開始から1ヶ月以内に提出しなければならない決まりになっていますが、開業届を提出しなくても特に罰則はありません。しかし、開業届を提出することで青色申告の申請ができるようになったり、法人用の銀行口座やクレジットカードが作れるようになったりと、さまざまなメリットがあります。
一方で、失業保険の給付対象外になる、扶養(入っている場合)から外れる可能性がある等のデメリットも考えられるため、開業届の申請に関しては自身にとってどちらが良いのか十分に検討してから決めるようにしてくださいね。
開業した場合には、青色申告承認申請書の提出が可能になります。
確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類ありますが、白色申告が最大10万円の控除に対して、青色申告は最大で65万円もの控除を受けられるようになります。
フリーランスとして働く場合は、節税効果の高い青色申告の方がメリットが高いといえるでしょう。こちらも税務署への提出が必要で期限は開業から2ヶ月です。
企業に勤めていた人は退職と同時に、今まで入っていた社外保険から健康保険への切り替えが必要になりすぎ。フリーランスの場合は、国民健康保険への加入が一般的。退職したら速やかにお住まいの役所で手続きを行うようにしましょう。
健康保険と同様に、会社を退職した場合には厚生年金から国民年金への切り替えが必要になるため、こちらもできるだけ早く手続きを済ませるようにしましょう。
必須ではありませんが、今後フリーランスとして収入を得ていくうえで、プライベート用と区別できる事業用の銀行口座があると便利です。収支の流れが明確になるため確定申告書の作成もしやすくなります。
現在、特定の企業に所属していて安定した収入がある場合、フリーランスになる際に最も心配なことが金銭面に関わることではないでしょうか。フリーランスとして働き始めた直後は社会的に見た時に、どうしても信用が低くなってしまいますよね。一時的にでもガクンと収入が下がる可能性があるので、仕事を辞める前に以下のような準備をしておくと安心です。
フリーランスは収入の証明が難しいという点からクレジットカードの審査に通りにくい傾向にあるようです。予期せぬトラブルや思わぬ出費に備えて、会社に所属している間にクレジットカードを作成しておくのをおすすめします。また先述のとおり、開業届を提出したのちに法人用のクレジットカードを作るのもおすすめですよ。
もし住宅の購入を検討している場合、フリーランスになった直後に住宅ローンを組むのはハードルが高いと思われます。その後の支払い計画云々は置いておいたとしても、どうしても近いうちに住宅を購入しなければならないといった場合には、企業に勤めている間に住宅ローンを組んでおきましょう。
フリーランスでも住宅ローンを組むことは可能です。借入可能額や収入の安定性など、金融機関の判断によって会社員時代と異なる点もありますので、審査のポイントなどを調べておくことをおすすめします。
フリーランスとしてすぐにまとまった収入を得られる人もいれば、なかなか仕事が取れずに安定した収入が見込めないといったケースもあります。貯金は多ければ多いに越したことはありませんが、当面の生活費として最低でも2ヶ月分の費用は貯金をしておくことおすすめします。
金銭面に不安を抱いていると余計な心配から気持ちに余裕が持てず、うまくいくものもいかない可能性も出てきてしまいます。もちろん、自分を追い込むことでパワーを発揮できる人もいるかもしれませんが、先を見込んで計画的に貯金しておきましょう。
ここからは、フリーランスに向いている人の特徴をご紹介します。たとえ当てはまらなかったとしても、それだけでフリーランスが向いていないという訳ではありません。参考程度にご覧くださいね。
フリーランス1人で働いているといっても仕事を請け負う以上、そこには必ず相手方がいるものです。敬語を使う、連絡を返す、納期を守る、といった社会人としての最低限のマナーを守ることは大前提として必要な能力になります。
相手も人間なので気持ちよくやりとりができる人に仕事を任せたいと思いますよね。顔や本名等の個人情報を明かさずにできる仕事ほど相手との信頼関係を築きにくいため、人として最低限のマナーは守るように心がけましょう。
フリーランスへの転身を考えている人の中には、職場の人間関係に疲れてしまったという人もいることでしょう。確かにフリーランスは自宅や外出先などで1人で作業することができるので、人間関係に悩まされたくない人に向いている仕事といえます。
しかし、仕事はただ待っていても勝手に舞い込んでくるものではありませんので、自ら営業をかけて仕事を取りに行く姿勢が求められます。その時に必要なのがコミュニケーション能力です。ここでいうコミュニケーション能力とは、決して話が巧いということではありません。常に相手の気持ちに立ちながら発言・行動できて、スムーズなやりとりができる人のことを指します。何度もお伝えしますが、仕事を発注する相手方も人間です。その点を忘れないようにしましょう。
当然のことながら、1人で働くということは、今まで経理部等が行なっていた金銭面の管理をすべて自身で行うことになります。経費や収入などの収支管理や税金関係、確定申告等も含めるとたくさんの事務手続きが必要になります。事業に失敗しないためにも事前にしっかり調べて管理していく必要があります。
また、時間に縛られずにできる仕事だからこそ時間管理も大切なタスクになります。1日のタイムスケジュールを組み、きちんと計画的に業務を進められるかどうかが重要です。子供がいる人などは、子供の体調不良や行事などで思いがけず仕事の時間が取れないといった問題も発生します。マイナスした分をどこで補填するかなども予測しながら、計画を立てると安心ですよ。
意外に思われるかもしれませんが、フリーランスに1番向いているのは楽観的な人だといわれています。特に最初の頃は仕事が取れない、収入が不安定といった先々への不安がつきもの。そんな時でも「なんとかなるさ」精神の持ち主であれば、今できることをやろうと気持ちを切り替えることができますよね。その積み重ねが結果として、フリーランスとして十分に活躍できる要因となるのではないでしょうか。
特にフリーランスとして活動を開始した直後は、仕事を受注するために主体的に動いていくことが大切です。クラウドソーシングで仕事を探す場合は、案件に応募するところから始めていきましょう。もちろん未経験では採用されない可能性もありますが、少しでもできそうなものがあれば、まずは一件チャレンジしてみてください。それが仕事を自ら獲得する最初の一歩になりますよ。
フリーランスは「なりたい自分」「やりたい仕事」を見つける最適な手段のひとつといえますが、もちろんそこにはメリット・デメリットのどちらも存在します。ここではフリーランスとして働く場合、どんなメリット・デメリットがあるのかを解説します。両方を天秤にかけたうえで、自分にはどんな働き方が向いているのかを決める参考にしてくださいね。
やはり一番は自分のスキルや強みを活かすことができる点にあります。小さな頃から絵を描くのが好きで将来は漫画家になりたかった、前職の経験を活かしてWEB関係の仕事に就きたい、英語が得意だから翻訳に挑戦したい等、なんでも構いません。少しでも自分が得意としているものがあればそれを活かしてお金を稼ぐことができる。それがフリーランスの最大のメリットといえるでしょう。
フリーランスは働く時間や場所の制約がないことも大きなメリット。職種によってはスマホ一つで完結する仕事もあるので、移動中やカフェなどのちょっとした隙間時間を利用して効率的に働くことができます。旅行が好きな人であれば、旅行先のホテルで作業することもできますよね。また、子供との時間を大切にしたいと考える人であれば、子供が寝た後の夜中に作業することだってできてしまいます。自分の求めるライフスタイルに合わせて働く時間や場所を選択できることは、フリーランスの大きな魅力といえるのではないでしょうか。
リモートワークが定着してきた現在でも、通勤がある仕事がほとんどですよね。通勤時間が長い、ラッシュ時間の満員電車に巻き込まれるといった日々のストレスからの解放も大きなメリットです。
全ての人に当てはまるとは限りませんが、職場の人間関係に悩んでいる人は多くいます。本来仕事で最高のパフォーマンスを発揮できるはずなのに、余計な悩みやトラブルのせいでうまくいかないということも十分あり得ます。もし面倒な人間関係から解放されたいと考えている人は、フリーランスへの転身を検討してみるのも良いかもしれませんね。
フリーランスとして駆け出しの頃は、特に切っても切れないのが収入問題です。毎月コンスタントに稼げる人もいれば、先月は収入があったけれど今月は0円という人もいるように、収入が安定しないことは十分に起こる問題です。ただし、自分の頑張り次第で会社員時代の年収を超えることができるのもフリーランスの魅力。どんな時も悲観的にならず逆境をバネに頑張ることで、きっと解消することができるでしょう。
クレジットカードや住宅ローンなどの審査に通りにくいといったことのほかにもこんな問題が。たとえば結婚を考えている人がいる中で、思い切ってフリーランスに転身したとします。ご両親のもとへ結婚の挨拶に行った際に、娘の結婚相手がフリーランスになったばかりで収入が不安定といった状況だと、少なからず「この人で大丈夫かな」心配になってしまいますよね。もちろん、仕事や収入だけが全てではありませんし、人として立派な人はたくさんいます。しかし、まだまだフリーランスへの理解が高いとはいえない高齢の人からすると、なかなか信用を得られない可能性もあることを念頭に入れておきましょう。
健康保険や国民年金への加入、開業届の提出、確定申告など、会社員時代には必要のなかった、もしくは会社がやってくれていた事務作業をすべて自身で行わなければならないのもフリーランスのデメリットの一つといえます。しかし最初のうちは大変かもしれませんが回数をこなせば慣れていくもの。世の中の仕組みやお金の流れなどをきちんと知ることができるきっかけになりますので、結果的にはメリットといえるかもしれませんね。
お金はかかりますが税理士にお願いすることもできますので、必ずしも全て自分でやらなければいけないということでもありません。
お金や時間管理のほかに、体調管理も大切なセルフマネジメントのひとつです。会社員時代は体調不良で仕事を休んでも有給を使えば減給されることもなく、安定した収入が約束されていましたよね。しかしフリーランスで働いている場合、体調不良で納期が遅れたり業務が遂行できなかったりした場合には、当然ながらその分の収入は発生しません。もちろん、フォローしてくれる人もいませんから1人で働くことへの責任を持ち自己管理していくのも大切なことといえるでしょう。
さまざまな視点からフリーランスになるために必要なことを解説してきました。
実際にフリーランスになるためには、必ずしも特別な資格やスキルが必要とは限りません。まず勇気を出して一歩踏み出すその行動力こそが、フリーランスになるために一番大切なことではないでしょうか。
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