この記事を書いた人
元不動産投資の営業ウーマン M.N
大手企業にて2年ほど投資用不動産の営業に従事。
5億以上の投資用不動産を販売した実績を持ち、不動産投資について精通。
現在は不動産に関する情報をメインとしたWebライターとして活躍中。
不動産投資を始める場合には、必要な金額が大きいためどのようなリスクがあるのか気になる方は多いのではないでしょうか?実際不動産投資には、物件だけでなく周辺の状況なども関わるため多くのリスクが存在します。
そこで本記事では、不動産投資はリスクがあると言われる理由からリスクの種類、対策などについて詳しく解説します。
目次
不動産投資にはリスクがあると言われる理由
不動産投資はリスクがあると言われる理由には、以下の3つが挙げられます。
・リスクが大きい
・定期的な大規模修繕が必要
・ローンの返済に追われる可能性がある
それぞれの理由について詳しく解説します。
リスクが大きい
不動産投資には家賃滞納リスクや空室リスク、災害リスクなど様々なリスクが存在します。そのため、あらゆるリスクに備えるには多くの費用や手間がかかってしまいます。
また事前に備えられるリスクもありますが、中には災害リスクなど予測困難なリスクもあるため完全に対処するのは難しいと考えられます。
定期的な大規模修繕が必要
アパートやマンションでは築年数が経過すると、以下のように多くの場所で大規模修繕が必要になります。
・屋根、外壁、共用廊下
・排水管、給水管
・エントランス、駐車場
・フローリング、キッチン、浴室、洗面台、トイレ
入居者の原状回復義務などもあるため、すべての費用をオーナーが負担するわけではありませんが、かなりの費用がかかります。そのため中古物件などを購入する際は、大規模修繕の計画や現状の建物の耐久性などを不動産会社に確認するようにしましょう。
ローンの返済に追われる可能性がある
不動産投資では、一般的にローンを組んで始めます。不動産投資はレバレッジをかけられるため、借入金額を大きくするとともに返済期間を長くできます。
しかし、主な返済原資となる家賃収入が滞るとローンの返済が難しくなってしまう可能性が出てきます。そのため、家賃滞納リスクや空室リスクなどが少ない物件を選ぶことが重要と言えます。
不動産投資における代表的な5つのリスクとその対策
不動産投資における主なリスクには、以下の5つが挙げられます。
・家賃滞納リスク
・空室リスク
・老朽化による修繕リスク
・不動産価値や家賃の下落リスク
・災害リスク
それぞれのリスクと対策について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
家賃滞納リスク
不動産投資における代表的なリスクとしては、家賃滞納リスクが挙げられます。家賃滞納リスクとは、入居者がいても家賃を払わないリスクです。
また退去してもらう場合でも訴訟などの手続きで費用がかかるケースがあるので、できる限り避けるべきリスクと言えるでしょう。
家賃滞納リスクの対策
家賃滞納リスクの対策としては、以下の3つが挙げられます。
・借主の審査を厳しくする
・連帯保証人を義務付ける
・保証協会へ加入する
まず入居者の収入や勤続年数などの審査を厳格に行うことが基本です。また連帯保証人をつけてもらえれば、滞納された場合でも家賃を回収できます。
さらに保証協会に加入すれば、協会に払う費用はかかりますが家賃を立て替えてもらえるなど滞納リスクを低減できます。
空室リスク
空室リスクとは、購入した物件やワンルームなどに人が入居しないため家賃収入が入らないリスクを指します。空室期間が長期化してしまうと、赤字経営や破綻の恐れが出てくるでしょう。
空室リスクの対策
空室リスクの対策には、以下の方法が挙げられます。
・賃貸物件が飽和化しているエリアを避ける
・駅やスーパー、コンビニなどから近い物件を選ぶ
・1~2人暮らしのマンションを選ぶ
賃貸物件が飽和化していないエリアや交通の便が良いエリアでは、入居者が決まりやすいため空室リスクを下げられます。また1~2人暮らし向けのマンションは需要が高ので、入居者が決まりやすい傾向があります。
老朽化による修繕リスク
新築物件では修繕の必要性はあまりありませんが、中古物件では室内修繕工事や外壁・屋上防水工事という2つの修繕を行うケースが多いです。長期入居者が退去して室内をリフォームする場合は、1人暮らしならば30万円前後、ファミリーならば50~150万円程度費用がかかります。
さらに大規模修繕の場合にはアパートで200~400万円、マンションでは1,000万円以上のコストがかかります。
老朽化による修繕リスクの対策
老朽化による修繕リスクの対策には、以下の方法が挙げられます。
・修繕費用をあらかじめ積み立てておく
・原状回復のための敷金を設定しておく
・購入検討時に修繕履歴をチェックしておく
事前に修繕費用を積み立てておけば、修繕が必要な時にスムーズに対応できます。また入居者に原状回復費用について伝えておき、敷金を設定しておきましょう。さらに物件を選ぶ先には、修繕履歴をチェックすることも重要です。
不動産価値や家賃の下落リスク
不動産価値や家賃の下落リスクとは、賃貸物件の経年劣化などによって不動産自体の価値や適切な家賃が下がるリスクを指します。また地域によっては、人口の減少や周辺の類似物件の存在によって供給が需要を上回り、入居者を募集するために家賃を下げざるを得なくなるケースもあります。
不動産価値や家賃下落リスクの対策
不動産価値や家賃下落リスクの対策には、以下の方法が挙げられます。
・リフォームやリノベーションを検討する
・人口が減少する見込みが少ない地域を選ぶ
・周辺に競合になる物件がないかチェックする
経年劣化によるリスクを避けるには、リフォームやリノベーションなどで物件価値を上げる方法があります。また入居者の安定的な供給を確保するためには、人口が減少する見込みが少ない地域や競合物件がない地域を選ぶことが重要です。
災害リスク
災害リスクとは、火災や地震などによる自然災害によって所有物件の価値が損なわれるリスクです。災害が起こると、せっかく大金をはたいて購入した物件が無価値になってしまう可能性があるので、必ず対策を備えておくべきリスクと言えます。
災害リスクの対策
災害リスクの対策には、以下の方法が挙げられます。
・火災保険や地震保険に加入しておく
・新耐震基準の物件を選ぶ
・ハザードマップで地震の発生リスクをチェックしておく
火災保険や地震保険に入っておけば、災害が起こった場合でも損害を補填できます。また日本では地震が多いので、新耐震基準の物件を選んだりハザードマップで地震の発生リスクをチェックしておいたりする方法もおすすめです。
不動産投資における4つのメリット
不動産投資にはリスクが伴いますが、以下のような4つのメリットもあります。
・節税効果がある
・相続対策になる
・生命保険効果がある
・レバレッジ効果が高い
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
節税効果がある
不動産投資の最大のメリットとして、節税効果が挙げられます。不動産投資では経費として計上できる項目が多いため、「家賃収入-経費」で計算される不動産所得を抑えられます。また物件取得にかかる費用を毎年減価償却費として経費に計上できるので、他の投資と比べて税務上の所得を抑えやすいと言えます。
また物件購入の際にローンを組んだ場合、借入金利子も経費計上できます。そのため、所得税や住民税の節税にも役立ちます。
相続対策になる
相続時に現金資産における相続税評価額は額面通りになりますが、不動産で遺しておけば評価額は大きく下がります。そのため、相続税の節税効果が高いと言えます。
また相続税評価額が下がっても資産価値は落ちませんので、資産価値はそのままで相続できるのです。
生命保険効果がある
不動産投資は多くの場合ローンを組んで購入しますが、その際に一般的に団体信用生命保険に加入します。この保険は借り入れした者が亡くなった場合などに、残債が補填される制度です。
そのため家族には収益物件だけが残り、入居者がいる限り毎月家賃収入を得られるようになるのです。
レバレッジ効果が高い
レバレッジ効果とは、「小さな資金で投資効果を上げたうえに収益性を高める」効果を指します。不動産投資ではローンの利用によって、小さい自己資金で高額な資産を取得できるので、レバレッジ効果が高いと言えます。
場合によっては、フルローンで物件を購入できるので非常にレバレッジ効果が高いです。
不動産投資のリスクを防ぐ方法
不動産投資のリスクを防ぐ方法には、以下の5つが挙げられます。
・立地をしっかりと吟味する
・建物の状態を把握しておく
・空室になりやすそうな物件は避ける
・不動産会社に収益シミュレーションを立ててもらう
・自己資金を用意しておく
それぞれの方法について詳しく解説します。
立地をしっかりと吟味する
投資を考えている物件がどのような立地なのか確認することが大事です。ネットで見るだけでなく、実際に現地に行ってく周辺の情報などもできるだけ収集しましょう。
入居者の確保では、物件自体の情報だけでなく周辺の情報が非常に重要になります。
建物の状態を把握しておく
建物価格は正当か、管理がしっかりしているかなど建物の状態を把握しておきましょう。
そのために現地調査を実施する方法もおすすめです。
空室になりやすそうな物件は避ける
空室になりやすい物件には、以下の要素が挙げられます。
・エレベーターがない
・エアコンがない
中古物件では、エレベーターやエアコンがないケースもよく見られます。特にエレベーターがない場合には、毎日の昇り降りが大変になるだけでなく、引越しの料金が高くなるリスクもあるので避けられる傾向が高いです。
不動産会社にシミュレーションを立ててもらう
不動産には家賃だけでなく、給湯器やエアコンなどの設備費、マンションならば修繕積立金といった様々な収益や費用が関係します。不動産投資初心者ではそれらの収益や費用を漏れなく計算することは難しいので、不動産会社にシミュレーションを立ててもらい、想定されるリスクをできる限り盛り込んでから検討しましょう。
自己資金を用意しておく
できるだけ自己資金を用意しておくこともリスク対策に役立ちます。不動産を購入すると、主に以下のような税金や費用がかかります。
・不動産所得税
・所得税
・設備費
・ローン返済金
そのため不動産投資を考えている方はどのような費用がかかるのか把握しておき、事前準備としてどれくらいの自己資金が必要なのか計算しておく必要があるでしょう。
リスク対策を立てて、スムーズに不動産投資を行いましょう!
不動産リスクには様々なリスクが存在しますが、種類や対策を知っておけばリスクを低減できます。また物件や周辺の状況によってリスクの種類が異なる場合がありますので、購入する前には信頼できる不動産業者を見つけて綿密なシミュレーションを立ててもらうことが重要です。
本記事でご紹介したリスクや対策を参考にして、スムーズに不動産投資を行いましょう。