とお考えの方は多いのではないでしょうか。
現在よりも低い金利で借り換えできれば、金利差の分だけ負担を軽減できます。また、
など、不安や疑問をお持ちの方もいることでしょう。
本記事では、住宅ローンの借り換えにおけるメリット・デメリット、借り換えの最適なタイミングや注意点について解説します。
目次
住宅ローンの借り換えとは
住宅ローンの借り換えとは、現在ローンを組んでいる金融機関とは別の金融機関にて新たに住宅ローンを組み直して、現在の住宅ローンを一括で返済することです。
現在の金利よりも低い金利で借り換えられれば、金利差の分だけ総支払額が少なくなり、毎月の負担も軽減できます。
借り換えで変更できないこと
住宅ローンの借り換えは、借入先の金融機関を変更するものですが、変更できないものもありますので覚えておきましょう。
借り換えは、現在借入中の債務者が行います。つまり、借り換え後に債務者を変更することはできません。
借り換えた住宅ローンの返済期限は借入中のローンの返済期限までであり、期限を延長することはできません。ただし例外として、一部金融機関では元の返済期間よりも長い返済期間を設定できることもあります。
また、単独のローンをペアローンに借り換える、ペアローンを単独のローンに借り換えることもできませんので注意しましょう。
借り換えできる回数
住宅ローンの借り換えは回数に制限がなく、理論上は何度でも借り換え可能です。過去に借り換えを行った場合でも、金融機関にて審査に通れば問題なく借り換えできます。
しかし、後述しますが、住宅ローンの借り換えには諸経費がかかります。繰り返し借り換えを行えば、その分だけさまざまな費用がかかりますのでご注意ください。
また、住宅ローンの借り換えにはさまざまな手続きが必要です。時間や手間がかかりますので、何度も借り換えを行うと、メリットよりもデメリットのほうが多くなる可能性があります。
借り換えにかかる期間
住宅ローンの借り換えにかかる期間は、一般的に1ヶ月半から2ヶ月程度です。その間に諸経費や必要書類を用意して、手続きを進めます。
住宅ローンの借り換えを行う場合、現在ローンを組んでいる金融機関と、新たな借り換え先の金融機関それぞれで並行して手続きを行います。なるべくスムーズに手続きを進めるためにも、あらかじめ何をすべきか把握しておき、事前にできる準備は進めておきましょう。
住宅ローンの借り換えのメリット
住宅ローンの借り換えには、主に以下のようなメリットがあります。
毎月の負担を減らせる可能性がある
毎月の負担を減らせる可能性があることは、住宅ローンの借り換え最大のメリットです。現在の住宅ローンより低い金利の住宅ローンに借り換えできれば、毎月の返済額や利息を減らせます。
目安としては、以下の条件が当てはまる場合、住宅ローンの借り換えメリットが大きいと言えるでしょう。
・現在の金利と借り換え後の金利の差が1%以上である
・現在の借入残高が1,000万円以上である
・返済期間が残り10年以上である
この中でも金利差は重要で、1%以上ある場合は借り換えすることで負担を軽減できる可能性が高まります。金利差1%以上でない場合でも、ローン残高が多い・返済期間が長いような場合は借り換えメリットが生まれることがあります。
借り換えを検討しているならば、金融機関のシミュレーション等を活用して毎月の負担を減らせるか確認してみましょう。
将来の金利上昇リスクに備えられる
住宅ローンの借り換えにより、将来の金利上昇リスクに備えることもできます。
固定金利と比較して金利が低いことから変動金利で住宅ローンを組んでいる人は多いのではないでしょうか。変動金利は市場金利に連動していて、金利が低いうちは支払総額を抑えられます。しかし、金利上昇局面に入った場合は支払い額が多くなり、負担が増えてしまいます。将来的に金利が上昇する可能性が高い場合には、金利が固定されている固定金利にするという選択肢もあります。
現在の住宅ローンのまま金利タイプを変更することももちろん可能です。しかし、高い金利水準の固定金利にしか変更できないことが少なくありません。その場合は、よりお得な水準の固定金利に借り換えることで、負担を抑えながら金利上昇に備えることができます。
団体信用生命保険を見直せる
住宅ローンの借り換えで、団体信用生命保険(団信)の見直しもできます。
団信とは、債務者に万が一のことがあった際に、保険金により住宅ローン残債を返済できる保険です。
住宅ローン契約時には団信への加入が必須であることがほとんどです。
団信では債務者の死亡や高度障害状態になったときに保険が適用されます。しかし、病気や事故などでこれまで通り働けなくなって収入が減ればローン返済が滞ります。これは、従来の団信では対応できません。
しかし、近年は「ガン団信」や「介護保障付きの団信」など、より手厚い保証内容の団信が登場しています。住宅ローンの借り換えのタイミングで、より守備範囲の広い団信に加入すれば、将来のリスクを軽減できることでしょう。
住宅ローンの借り換えのデメリット
住宅ローンの借り換えには、以下のようなデメリットがあります。
諸費用がかかる
一方で、住宅ローンの借り換え時にはさまざまな費用がかかることがデメリットです。
住宅ローンの借り換えでかかる主な諸費用は以下の通りです。
・印紙代
・事務手数料
・抵当権設定登記の登録免許税
・司法書士への報酬
・抵当権抹消登記費用
・完済手数料
金融機関や登記手続きを依頼する司法書士によって、かかる費用は異なります。いずれにしても、住宅ローンの借り替えを検討している場合は、手続きに必要な費用を考慮し、費用を支払っても十分なメリットが得られることを確認することが大切です。
書類を揃える必要がある
書類を揃える手間がかかるのも住宅ローンの借り換えにおけるデメリットといえます。
住宅ローンの借り換えをする際には、以下のような書類が必要です。
・本人確認できる書類(免許証や住民票など)
・収入を確認できる書類(源泉徴収票や確定申告書の控えなど)
・物件審査に必要な書類(登記事項証明書など)
この他にも、現在の住宅ローンとそれ以外の借り入れの返済予定表、返済用口座の通帳などが必要になります。役所で発行される証明書等は、発行から3ヶ月以内などの有効期限が決められているものがあるので注意が必要です。
金利変動リスクがある
金利変動リスクがあることも、住宅ローンの借り換えでは気をつけたいところです。
借り換えを検討する人は、金利を下げるのが目的という人がほとんどでしょう。
という人も多いのではないでしょうか。
確かに、金利の低い変動金利にすれば、目先の返済額は下がるためメリットが大きいように感じます。しかし、金利が上がってしまった場合、返済額が多くなってしまい、借り換えが逆効果になってしまうこともあり得ます。
住宅ローンの借り換えを行う際には、金利変動リスクがあることを理解し、慎重に検討することが大切です。
住宅ローンの借り換えタイミングはいつ?
住宅ローンの借り換えにはさまざまなメリット・デメリットがあります。では、借り換えをするのに適したタイミングとはいつなのでしょうか。以下で解説していきます。
固定期間が終了するタイミング
現在、固定金利にて住宅ローンを借り入れているならば、その固定期間が終了するタイミングが住宅ローンの借り換えを検討するのに良いタイミングです。
固定期間が終了後も同じ金融機関を選択する場合、再び固定金利にするか、新たに変動金利にするかを選べます。金利の見直しタイミングとなりますので、他の金融機関での借り換えも視野に入れて検討するのがおすすめです。場合によっては、より低い金利を選べるかもしれません。
変動金利で金利が大きく上がりそうなタイミング
変動金利で借り入れしている場合、金利が大きく上がりそうなタイミングが住宅ローンの借り換えタイミングとなります。
住宅ローンの金利は市場金利と連動して常に変動しています。金利が低く安定している場合は変動金利の方が低い金利であるため、月々の返済額を抑えられます。しかし、市場金利が上昇局面に入った場合、一気に返済額が増えてしまいます。
このような場合は、固定金利への借り換えを検討したほうがよいかもしれません。
転職や転身を検討しているタイミング
転職やフリーランスへの転身を検討しているなら、住宅ローンの借り換えを検討してもよいかもしれません。
住宅ローンの借り換え時には審査が行われます。審査基準はさまざまありますが、「勤続年数」もチェックされるポイントです。一般的に、勤続年数が1年未満の場合は審査に通りづらい傾向にあります。また、フリーランスや自営業の方は住宅ローンの審査に通りづらいものです。
このようなことから、転職やフリーランスへの転身等を検討しているのであれば、その前に住宅ローンの借り換えをすべきかどうかを検討するのがおすすめです。
住宅ローンの借り換え時の注意点
住宅ローンの借り換えを行う場合、以下のことに注意しましょう。
借り入れ審査を受けなければならない
住宅ローンの借り換えのためには審査を受けなければなりません。もし、借り換えを検討しているタイミングで、以下のような状況である場合は審査が通らない可能性があるので注意しましょう。
・収入が下がってしまった
・健康状態に明らかな問題がある
・過去に延滞・遅延の履歴がある
・転職・独立したばかり
また、住宅ローンの借り換えとともにあらためて団信への加入が必要です。健康状態が最初の加入当初よりも悪化している場合、借り換え後に団信に加入できなくなる可能性もあります。
住宅ローン控除を受けられなくなることも
住宅ローンを借り換えたことで、住宅ローン控除を受けられなくなる場合もあります。
住宅ローン控除の適用には、以下の要件を満たさなければなりません。
控除の適用を受けるための要件
一定の要件とは次のすべての要件を満たす場合です。
(1) 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
(2) 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること。
この取扱いは、例えば、住宅の取得等の際に償還期間が10年未満の借入金(いわゆるつなぎ融資)を受け、その後に償還期間が10年以上となる住宅ローン等に借り換えた場合も同じです。
なお、住宅借入金等特別控除を受けることができる年数は、居住の用に供した年から一定期間であり、住宅ローン等の借換えによって延長されることはありません。
引用元:No.1233 住宅ローン等の借換えをしたとき|国税庁
住宅ローンの借り換え後も、この要件を満たさなければ住宅ローン控除は適用されません。他にも条件はありますが、特に借り換え後の返済期間には注意しましょう。
また、借り換えにより融資を受けたものの、住宅ローンの返済以外の用途に資金を充てたと認められた場合、住宅ローン控除は受けられません。
住宅ローンの借り換えをする際のポイント
住宅ローンの借り入れを行う際には、以下のポイントをおさえておきましょう。
借り換えシミュレーションを行う
住宅ローンの借り換えをするならば、必ず借り換えシミュレーションを行ないましょう。
借り換えシミュレーションを利用すれば、現在の条件と比較して、総返済額や毎月の返済額がどのくらい変わるのかが数字で明らかになります。金利が下がっていて有利に見える場合でも、実際にシミュレーションしてみたらそれほど変わらない、手間がかかるだけでムダ、むしろデメリットの方が多いといったことがわかるわけです。
最適なタイミングで借り換えする
住宅ローンの借り換えは、最適なタイミングで行ないましょう。
固定期間の終了、金利上昇が予想される、転職・転身を考えているといったタイミングは住宅ローンの借り換えを検討するのに良いタイミングです。
また、金融機関ごとにお得なキャンペーンを行っていることもありますので、そのタイミングを狙うとより借り換えのメリットを感じやすくなります。
住宅ローン控除が適用されるか確認する
住宅ローン控除が適用されるかどうかも必ず確認しましょう。
返済期間は10年以上残っているかなど、住宅ローン控除の適用要件を満たしていることを借り換え前にチェックしてください。
手続きにかかる時間や手間を確認する
住宅ローンの借り換えにかかる時間や手間、諸費用なども必ず確認しましょう。
借り換えを行う際には、さまざまな書類が必要になります。会社や現在の借り入れ先の金融機関だけでなく、役所にて発行してもらう書類もあります。役所は原則として平日のみなので、仕事が忙しい場合はなるべく早く時間をつくって書類を集めておきましょう。
また、借り換え時にかかる諸費用も計算しておきましょう。
まとめ
本記事では、住宅ローンの借り換えについて解説しました。
住宅ローンの借り換えには、毎月の返済額を減らせる可能性や団信を手厚くできるといったメリットがあります。しかし、借り換えには審査が必要で諸費用や手間もかかります。
しっかり検討せずに借り換えを進めてしまうと
といったことで悩むことになるかもしれません。
住宅ローンの借り換えを失敗しないためには、事前にしっかりシミュレーションをして、本当にメリットがあるのかはっきりさせることが大切です。また、最適なタイミングで行って、借り換え効果を最大限に活かすようにしましょう。
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