2023年5月に三井住友カード株式会社が20代の若者1,000方を対象に行った調査によると、20代の約3割が投資を行っています。また「現在はしていないが、近いうちにしたいと思っている」と回答した方も含めると、約6割が投資に意欲的という結果が示されました。
そんな20代が選ぶ投資対象として株式投資はNISAに続く2位であり、全体の約4割を占めました。しかし、昔から根強い方気を誇る株式投資ですが、いざ始めようと思ってもどうしてよいか分からない方は少なくないと思います。
そこで本記事では、株式投資の始め方について分かりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
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目次
株はどうやって購入するのか?
そもそも株式投資を始めたいと思っても、まず始め方や購入方法が分からない方が多いと思います。そこで証券会社で口座開設する方法や株の購入方法などについて、詳しくご紹介します。
口座開設できる証券会社の種類
株式投資を始めるには、まず証券会社で取引用の口座を開設する必要があります。口座を開設できる証券会社には、窓口で対面注文できる店舗型とネット上で取引がすべて完結できるネット証券の2つに分かれます。
店舗型は、証券会社の社員にオススメの株や取引方法について直接相談できるメリットがありますが、デメリットとしてはネット証券より取引手数料が高額であるケースが多い点が挙げられます。
一方ネット証券は、店舗型より取引手数料が安い傾向があり、自分のペースで取引できるメリットがあります。またスピーディーに取引を済ませられますので、デイトレードなど手早い株式投資を行い方にはネット証券がおすすめです。しかし、株式に関する情報をすべて自分で収集する必要がある点がデメリットです。
そのため初心者で取引に不安がある方は店舗型の証券会社から始めて、経験を積んでからネット証券で口座開設して取引すると良いでしょう。株式投資
口座開設手続きの必要書類
証券会社で取引用の口座を開設するには、身分証明書や銀行口座を準備する必要があります。身分証明書は免許証や健康保険証、マイナンバーカードなどで大丈夫です。
銀行口座は証券口座に資金を入出金する際に必要となります。メガバンクなど大手銀行の口座ならばほとんどの証券会社で対応できますが、ネット銀行の口座だけでは対応できない証券会社もありますので注意しましょう。
また店舗型の証券会社では、印鑑が必要なところもありますので気をつけましょう。
株の売買は注文が成立すれば完了
証券口座を開設し、資金を入金したら取引を始められます。基本的にはインターネット経由で注文する方法が主流です。
ただし、取引可能な時間帯は取引所によって異なります。例えば、日本最大の東京証券取引所では、土日祝日や年末年始を除いて、午前立会と呼ばれる9時から11時30分の時間帯と午後立会と呼ばれる12時30分から15時までの時間帯のみ売買可能です。
株を注文する際は、購入する株の銘柄や購入する株数、指値注文や成行注文などの条件を指定して注文します。注文が成立すれば購入完了となりますが、注文したからと言って必ずしも成立するとは限らないので注意してください。
株式投資の魅力と投資方針
初心者は株式投資に対してギャンブルのようなイメージを抱く傾向があり、リスキーと考えている方が多いかと思います。確かにリスクを適切に把握していない株式投資は危険を伴いますが、リスクを知った上で運用できれば十分なメリットを受けられるでしょう。
またどのようなメリットを重要視するかによって、投資方針も定まります。そこで株式投資を始めるにあたり、知っておきたい株式投資の魅力や投資方針についてご紹介します。
値上がり益(キャピタルゲイン)
株式投資の魅力として、最もよく知られているものが値上がり益です。株を購入したあとに株価が上昇して、売却することで得られる差額が利益となります。
株価は基本的に株を売りたい方と買いたい方の需要と供給のバランスで決まります。ただし、さまざまな要因が複雑に需要と供給に影響して日々株価を変動させているため予測が困難です。
株価を変動させる要因としては、内部要因と外部要因が挙げられます。内部要因とは、企業業績や新製品の開発など株価を左右する企業自身の動向を指します。一方外部要因とは、景気動向や為替害など株価に影響する企業を取り巻く環境を意味します。
また値上がり益を重視して投資を行う場合は、大手企業よりも時代を先取りするようなベンチャー企業など成長性や将来性が大きく見込める先鋭企業の方が大きな値上がり益が期待できます。
配当金(インカムゲイン)
配当金とは、企業が得た利益から還元する利益を指します。配当を実施する企業としない企業がありますが、配当を実施する場合には年に1~2回の頻度で実施されます。
配当金は、株を保有し続けることで定期的に利益を受け取れる点が魅力です。ただし、企業ごとに業績や配当の方針が異なるため、一概に配当金の高い企業に投資すればよいわけではありませんので注意しましょう。
配当金を重視する場合の投資方針には、財務内容や利益が安定している大手企業で、割安と判断できるような株を狙って購入する方法がおすすめです。値上がり益はそれほど追い求めず、配当金を重視して長期目線で株式投資を行うインフルエンサーも注目されています。
株主優待
株主優待制度は、贈答文化が根強い日本特有の制度と言われており、海外の株ではほとんど見られない制度です。配当金とは別の株主還元策であり、企業としても株主優待制度を導入することによって、株主優待を目的に株を長期保有する方の増加が見込めたり、株主優待として自社製品を盛り込むことで宣伝効果を発揮したりするといったメリットがあります。
株主優待を重視して投資する方針の場合には、配当金と同様に長期的な投資が基本です。株主優待は企業の特色が現れる場合が多く、株主優待で銘柄を探すことも可能であるため、これから株式投資を始めるにあたって銘柄選びに頭を悩ませている方は、株主優待に注目して投資を始めてみる方法も良いでしょう。
株式投資のリスクと対策について
株式投資にはメリットが多くありますが、リスクもある点を忘れないようにしましょう。しかし、リスクは対策を講じておけばある程度軽減させられます。そこで代表的な株式投資のリスクと対策について詳しく解説します。
株価の変動リスク
株式投資は値上がり益が期待できる一方で、値下がりする可能性もあります。株価の動きは予測が困難であるため、変動リスクを回避することは実質的に不可能でしょう。
しかし、購入する銘柄と購入するタイミングを分散すれば、リスクを軽減できます。一般的には、1つの銘柄に集中して投資するよりも複数の銘柄に投資する法が、ある銘柄の株価が下落してもほかの銘柄の株価が上昇していれば、全体としての損益の振れ幅が穏やかになるため、リスクが軽減されます。
また同じ銘柄を購入する場合でも、一度にすべての資金を投入するよりも複数回に分けて購入するタイミングを分散させた方がリスクを軽減できます。いわゆるドルコスト平均法と呼ばれる投資方法です。証券会社によっては積立投資を取引ツールのシステム上で対応しているケースも多いため、そういった仕組みを活用して投資する方法も有効です。
企業の倒産リスク
株を購入した企業が倒産してしまうと、株の価値がなくなってしまうリスクがあります。企業の倒産リスクの対策としては、株を購入する前に企業分析を行うことが挙げられます。
取引所で株を購入できる企業のほとんどは上場企業であり、上場企業は定期的に決算情報や会社に重大な影響を及ぼす事項を随時開示しています。インターネットで企業のホームページでも開示している決算情報や、TDNETやEDINETに掲載されている決算短信や有価証券報告書で企業の財務情報を確認できます。
また最近では、証券会社の提供しているサービスで企業の安全性や成長性を示す指標や会社四季報の情報を分かりやすく確認できるサイトやアプリもあります。そのため、企業分析についてあまり詳しくない方や分析する時間がない方でも、分析ツールを活用すれば手間を省けます。
その結果から売上や利益は安定して確保できているか、自己資本比率が同業他社に比べて極端に低くないかなど重要項目を確認しておけば、倒産リスクを軽減できます。
その他の株式投資のコツ
株式投資には他にも役立つ制度や重要な心得がありますので、コツについてご紹介します。
NISAを活用する
NISAとは、対象の投資商品について毎年一定金額の範囲内で得た売却益や配当金などが非課税になる制度です。一般的には株や投資信託の売却益や配当金、分配金は課税の対象となりますが、NISAを活用すればその分お得になるというわけです。
2023年までは一般NISAやつみたてNISA、ジュニアNISAという制度がありましたが、2024年からは制度が大幅に見直されて、新しいNISAに変わります。例えば、一般NISAにおける年間の非課税投資枠は120万円から360万円まで拡充されます。また非課税保有期間も無期限になるなど時間的な優遇も拡大されます。
さらに従来のNISAでは売却すると投資枠が売却した金額分失われていましたが、新しいNISAでは売却しても翌年以降投資枠が復活します。非課税枠のうち、株式投資は成長投資枠で利用でき、年間240万円、累計で1,200万円の枠内で利用可能です。
株の売却益や配当金は、源泉分離課税の場合通常約20%課税されるため、ぜひNISAを利用してお得に株式投資を行いましょう。
株式投資は余裕資金で行う
株式投資は余裕資金で運用することをオススメします。株式投資を始める際は、証券会社の口座開設時などに運用資金が余裕資金であることを確認されます。
しかし、株式投資を経験していく中で、抱えた含み損を取り戻そうと徐々に生活を切り詰めて運用資金に回してしまったり、逆にある時に含み益が想像していたよりも膨らんで欲をかいて生活資金を運用に回してしまったりするなど意外と資金を無理に捻りだしてしまうケースも少なくありません。
購入した株の損失は、自分が背負うことになることを忘れてはいけません。株式投資で想定する最大の損失を被っても、生活が破綻しないような規模で投資することを常に念頭に置くことが大切です。
無理のない範囲でうまく株式投資を始めましょう!
2022年4月から金融教育が高校の授業に導入されるなど投資は年々注目されており、古くから根強い人気を誇る投資手段である株式投資を始める方は多いと思います。しかし、株式投資は資産形成の手段の1つとして、自分の人生を豊かにするために自分に合ったリスクの範囲内でリターンを目指すことが大切です。
政府も国民が投資に前向きになるような政策を打ち出しており、これから株式投資を始める方にはチャンスのある環境が整っていると言えます。また本記事では、株式投資の始め方や方針などについて解説しましたので、ぜひお役立てください。