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契約書の原本とは?対象書類や取扱い時の注意事項を解説!書面契約と電子契約の違いも紹介

目次

契約書の原本について

契約書を指す言葉には、原本や謄本、写しなどさまざまなものがあります。

そのうち、書類のもととなる原本は非常に重要です。

そのため、契約書の原本について、どのようなものが原本に当たるのかをしっかりと理解しておくことは、トラブルを避けるという点でも欠かせません。また、書面契約と電子契約の場合でどのように異なるかということを知っておくことも大切です。

ここでは、契約書の原本に関する理解を深めるための基本についてご紹介します。

原本に該当する書類

契約書の原本とは、文書の作成者が作成したオリジナルとなる契約書のことを指します。

原本というと1通だけだと考えられがちですが、同じ内容の契約書を2通作成した場合は原本が2通ある状態になり、それを契約締結の際に双方が1通ずつ保管するというケースは少なくありません。

原本のうち、たとえば帳簿書類には、改ざんを防ぐために保管義務があります。その期間は、法人の場合では基本的に7年と法律で定められており、書面契約であっても電子契約であっても、何らかの方法で保管しなければなりません。

書面契約の場合の原本の扱い

紙の契約書を用いて契約する場合、契約当事者が記名押印や署名を行うため、原本には記名押印や自署が残ります。この原本は、倉庫やキャビネットなどに保管するのが一般的です。

電子契約の場合の原本の扱い

電子契約の場合は、電子署名が書面契約におけるサインの代わりとなり、この電子署名とタイムスタンプが付されているデータが、原本とされます。この原本は、自社サーバーやクラウドサービス上に保管します。

タイムスタンプとは時刻認証事業者から提供されているもので、タイムスタンプが付される前にそのデータが存在していたことと、付された後にはデータの変更などが行われていないことを証明する役割を担っています。

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謄本・抄本・正本・副本・写しの相違点について

「原本」とよく似た言葉に、「謄本」「抄本」「正本」「副本」「写し」があります。どのような違いがあるのか、順番にみていきましょう。

「謄本」は原本を丸ごとコピーしたもの

謄本とは、「原本と同じ文字や記号などを使って全て写し取った文書」のことを言います。

例えば不動産登記簿や戸籍は法務局や役所に原本があり、申請することで記載内容を丸ごとコピーしたもの(謄本)を取得することができます。

「抄本」は原本の一部分の写し

抄本とは、「原本から必要な一部分のみを写し取った文書」となります。

つまり、原本の一部をコピーしたものを指します。

「正本」は謄本の一種

正本とは、「裁判所書記官など公証権限を持っているような人によって作成された文書」のことで、謄本の一種です。

判決書などがその例で、正本であると認めることで、原本と同じ効力が与えられます。法令上の権限を持っていない人が謄本を作っても正本とは認証されず、また特別なものであることから1通しか作成しないことが多いため、慎重に保管する必要があります。

「副本」は正本の控え

副本とは、「正本と同じ内容で作成された文書」のことで、控えとして使用されることが多いです。

「写し」は認証の無い謄本

写しとは、「公証権限を持たない人が原本を写し取って作成した文書」のことで、正本や副本と同じ謄本の一種となります。

原本をコピーして提出するなど写しを求められる場面は多く、認証の無い謄本としてよく利用されています。

電子契約の場合は区別がない

書面契約の場合は、謄本や正本など文書の種類は厳格に区別されて使用されますが、電子契約の場合はこの区別がありません。

なぜなら、電子署名やタイムスタンプはデータを複製しても元のデータと同じとなるため、それを確認すればそのデータが改ざんされていないと証明でき、原本と同じように扱うことができるからです。

契約書の原本が必要な場面とは

契約書の原本が必要となる場面には、例えば訴訟や税務調査、融資申請などが挙げられます。訴訟の証拠として、税務調査で取引の証明として、融資申請における税務状況の証明として、原本の提出を求められることがあるのです。

もし原本を提出できない場合には、「原本証明」を付することでコピーを原本として提出することもできます。この原本証明には特に決まった形式はなく、「原本と相違ないことを証明する。○年○月○日 住所○○ 株式会社○○ 代表取締役○○ 印」などというような内容の書面を付し、原本と同じであることが伝わればそれで構いません。

電子契約のメリットとデメリットについて

現在では、書面契約と同じように電子契約を利用する機会も増えてきましたが、電子契約を利用することには次のようなメリットとデメリットがあります。

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契約を電子化した際に得られるメリット

電子契約の一番のメリットは、「コストを削減できる」ことです。例えば、課税文書には印紙税を納めるという義務が印紙税法で定められています。この印紙税は契約金額に応じて課税額が決まるため、金額の大きな取引を頻繫に行う業界の事業者には大きな負担となります。しかしこの印紙税は紙の文書にのみ課税されるため、電子契約の場合は非課税となり、大きなコスト削減になります。

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また「契約の効率化」もメリットの1つです。郵送する必要や、相手に署名捺印して返送してもらうなどの必要がなくなるため、契約に関する業務を省略することができ、スピードアップと効率化を図れます。紙の契約書であれば大量になると保存にあたって大きなスペースが必要ですが、物理的スペースが必要ではないのも便利な点です。

3つめのメリットは、「法令遵守の強化」です。電子データは閲覧制限をかけることも可能で、関係のない人に内容を見られる心配も少なくなります。それ以外にタイムスタンプや電子署名の利用によって、「いつ」「誰が」「どんな」契約をしたのかが一目瞭然で、改ざんされていない証明もすぐにできるため、法令遵守の強化にもなります。

契約を電子化した際に起こるデメリット

電子契約のデメリットとしてまず挙げられるのは、「電子契約を利用できないケースがある」点です。すべての事業者が電子契約に対応しているわけではなく、紙での契約書作成を基本としているところもあります。その場合、電子契約は利用できません。

次に挙げられるのは、「徹底的なセキュリティ対策が必要」という点です。サーバーにデータを保管する以上、サイバー攻撃の危険性には常にさらされているといっても過言ではありません。もし攻撃を受けてしまっても、データが盗まれたり改ざんされたりすることがないように、セキュリティ対策をしっかりと行うことが重要です。また、誤った知識で電子署名やタイムスタンプを使うことのないように、正しい知識を学ぶことも必要となります。

また、書面契約から電子契約への業務変更をスムーズに行うためには、業務に携わる社員や取引先などとの調整を行わなくてはなりません。慣れるまではデータの整理や管理がうまくできないなど、社員の中には抵抗を覚える人もいるでしょう。その対策のためにも、社内で議論を重ね会社全体で調整を行う必要があります。

契約書の原本を取り扱う際の注意点

契約書の原本は重要な書類のため、取り扱いには次に挙げるような注意が必要です。

原本を送付する際におすすめする方法とその理由

書面契約で原本の送付を求められた場合、郵送するのが一般的です。重要な書類なので確実に相手へ届けるためにも、特定記録郵便や簡易書留、レターパックなど、引き受けから配達までの記録が残り、郵便受けではなく直接手渡しまで対応しているサービスを利用するほうがよいでしょう。それによって、受け渡しがうまくいかなかった場合の「送った」「届いていない」などといったトラブルを防ぐことができます。

電子契約の場合、データをメールで送信するだけで構いません。しかしその際には、「契約書添付」など分かりやすい件名にして見落とされるのを防いだり、パスワードの設定をしたりするなどして、万が一別の宛先へ誤送信してしまった場合でも、データを開けないようにセキュリティ対策を行うことが大切です。この場合のパスワードは、データを送ったメールに書き添えるのではなく、別に通知メールを送るとよいでしょう。また、簡単に改ざんできないように、PDFなどのフォーマットで保存すると、トラブルを防ぐことにも繋がります。

書面契約と電子契約それぞれの、原本の保管方法

書面契約の場合、原本は紛失や盗難など心配する必要のない安全な場所で保管することが重要です。長期間の保管が法律によって定められているため、自然災害によって被害を受けやすい所での保管も避けたほうがよいでしょう。ファイリングしておくとすぐに取り出すことはできますが、簡単に手に取れることはリスクにも繋がるため、金庫や防火庫などといった鍵がかかる頑丈な場所での保管が理想的です。また、もしもの場合に備えて写しを作成しておくとよいでしょう。

電子契約の場合の原本の保管については、民法上は印刷して保管することは求められていませんが、税法上は電子帳簿保存法の条件を満たさない場合は印刷して保管する必要が出てくるといった点で違いがあります。電子帳簿保存法では、「電子文書のデータを修正や削除した場合にはその履歴を残す」「ディスプレイ画面に鮮明に表示されるように保存する」などの保管条件があり、それらの条件を満たしていなければ、電子契約であっても印刷して紙の状態で保管しなければなりません。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
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