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金消契約とは、消費者と金融機関の間で、金銭消費賃借契約を結ぶ契約を指します。たとえば銀行から住宅ローンを受ける際に、この金消契約を結びます。ローンを組む機会がなければあまり馴染みのない契約でしょう。
しかし、金消契約は住宅ローンで重要な契約なため、どのような契約なのかを把握しておく必要があります。そこで、当記事では金消契約とはどのようなものなのかについて、詳しく解説します。
金消契約(金銭消費貸借契約)とは、消費者が金銭を借りて消費する目的で、金融機関と結ぶ契約のことを指します。住宅ローン、カードローン、キャッシングなど、将来の返済を約束したうえで、金銭を借り入れる契約が金消契約です。
住宅ローン利用時によくある勘違いとして、金消契約は不動産会社と交わしていると誤解されていることが挙げられます。金消契約は、不動産購入者(消費者)と銀行(金融機関)が結ぶ契約です。
ここからは金消契約の代表的存在でもある住宅ローンを例に挙げ、住宅ローン手続きの流れと金消契約の時期を紹介します。はじめに住宅ローン手続きの流れは、以下の通りです。
金消契約は、住宅ローンの審査が本承認されたのちに行います。契約は、融資実行の1週間~1カ月前に締結するのが一般的です。
金消契約は銀行と結ぶ契約なため、銀行の営業日に行います。つまり、金消契約を対面で締結する場合には、平日の日中に取り交わすことが一般的です。
平日の日中に働いている人は、金消契約を締結する時間を確保する必要があります。仕事の休みを確保する場合には、住宅ローン手続きの流れを把握して金消契約を締結する日程を調整しましょう。
金消契約当日の基本的な持ち物は、以下の通りです。
・実印
・預金通帳と銀行印
・印鑑証明(連帯保証人の分も必要)
・住民票
・売買契約書
・本人確認書類(免許証・保険証など)
・収入印紙
他にも、抵当権設定のための書類や火災保険関係書類などが必要になる場合があります。ケースごとに持ち物が微妙に異なるため、不安な場合には担当者に確認しましょう。
また、金消契約当日の服装は普段着で問題ありません。スーツなどの正装でなくても問題ないため、都合の良い服装で銀行を訪問しましょう。
金消契約は、いわば借金に関わる契約です。消費貸借契約では、種類・品質・数量の同じ物を返す代わりに金銭などを受け取るという契約を取り交わします。よって、金銭消費貸借契約では住宅を購入するための金銭を受け取る代わりに、金銭を返していくという契約になります。
一般的な金消契約に記載されている条項は、以下の通りです。
・賃借する金額
・返済期日
・返済方法
・利息
・期限の利益喪失
・遅延損害金
ケースによっては、連帯保証や抵当権の抵当権の設定などの条項が増えます。
次の項目からは、金消契約に記載される主な条項を解説します。
最も基本的な事項は、賃借する金額です。賃借する金額については「○年○月○日に金○円を貸付け」というように、金額とあわせて貸付実行日を記載する場合があります。
返済期日は、一括返済または分割返済の2種類です。一括返済では、貸付元本の全額を返済期日に一括で返済し、定期の弁済日に支払うのは利息のみです。一方の分割返済では、貸付元本を定期の弁済日に利息を含めて、何回かに分けて返済します。
貸付元本の返済方法では、具体的な返済方法と期限前返済の可否が記載されます。具体的な返済方法は、銀行振込または現金交付が一般的です。銀行振込の場合は、振込手数料の取り扱いに気をつけましょう。現金交付の場合には、現金受け渡しの場所を確認します。
期限前返済については民法591条2項によって、可能であることが一般的です。しかし、契約内容によって禁止または条件の付加ができるため、必要に応じて確認する必要があります。
民法589条1項によって、金銭消費貸借契約には、利息の計算方法を明記する取り決めがあります。また、元本額に応じて利息の上限額が定められていることもポイントです。
利息制限法1条によって、金銭消費貸借契約の適用利率が以下のように定められています。
元本額 | 上限利率 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
元本額が増えるにつれて、上限利率は下がります。
期限の利益とは、返済期日まで借りた金銭を利用できることを意味します。しかし、借主が何らかの理由で返済を怠った場合には、期限の利益を失わせなくてはなりません。返済を怠った場合に、期限の利益を喪失させる目的で、期限の利益喪失事由が定められています
期限の利益喪失事由には、期限の利益喪失につながる事柄(返済を怠るなど)が起きた時点で直ちに期限の利益を失う当然喪失事由と、貸主の請求によって、期限の利益を喪失する請求喪失事由の2種類が存在します。
遅延損害金とは、支払いが遅れた時に借主が貸主に支払う損害賠償金です。契約書に約定利率がなければ、法定利率年3%が適用されます。
金消契約に落ちる主な理由は、以下の通りです。
・住宅ローン完済時の年齢が高い
・収入の安定性が見込めない
・信用情報に問題がある
それぞれ詳しく解説します。
多くの金融機関では、住宅ローン完済時の年齢に80歳未満という基準を定めています。そのため、住宅ローン完済時の年齢が80歳以上となる計画では、金消契約の仮審査で落ちる可能性が高いです。よって、80歳未満の年齢で完済となる返済計画を立てる必要があります。
個人事業主や非正規雇用で働いている場合には、収入の安定性が見込めないと判断される場合があります。また、正社員であっても給与の変動が激しい場合や、勤続年数が短い場合などは金消契約の仮審査で落ちる場合があります。
金消契約は銀行と結ぶ契約なため、信用情報に問題があると落ちる場合があります。保険料の滞納やクレジットカードの支払いの延滞などで、信用情報に傷がつくため注意しましょう。
また、2年以内で2度延滞があれば金消契約の審査に落ちやすくなるといわれています。信用情報は、信用情報機関への開示請求により、確認することが可能です。もし、延滞の履歴がある場合には、記録が消去されてから審査に臨みましょう。
金消契約締結時の注意点は、以下の通りです。
・書面での締結には収入印紙の貼付が必要
・不利益な条項を見落とさない
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
金銭消費貸借契約を書面で締結する場合には、収入印紙の貼付が必要です。どちらが印紙税額を負担するかについては、金消契約書に明記されています。
しかし、金銭消費貸借契約において、印紙税額は借主が負担するケースが一般的です。
また、印紙税額は、貸付額に応じて異なります。以下に一例を挙げるため、参考にしてください。
貸付額 | 印紙税額 |
---|---|
500万円~1,000万円以下 | 1万円 |
1,000万円~5,000万円以下 | 2万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 |
金銭消費貸借契約書の印税額額は、非課税から60万円まで定められており、貸付額が高額になるにつれて、印紙税額も増えるため注意しましょう。
金消契約で特に確認しておきたい項目は、以下の通りです。
・借入額
・借入年数
・金利
特に金利は正確に把握しておかなければ、実際の返済額と異なる認識をする恐れがあります。契約内容によって金利の計算方法は異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
当記事では、金消契約とはどのようなものなのかについて解説しました。書面での締結では収入印紙が必要ですが、電子契約サービスを利用することで収入印紙が不要となります。
電子契約サービスには、電子印鑑GMOサインがおすすめです。
高度なセキュリティを保持できるため、金消契約などの重要度の高い契約でも安心して利用できます。また、チャットや問い合わせフォームだけでなく、営業時間内であれば電話でもサポートを受けられます。そのため、デジタルツールに不慣れな人にも利用しやすいことがメリットです。金消契約において、メリットの多い電子契約を活用しましょう。
金銭消費貸借契約書には、確定日付の付与を行うことが多々あります。
※主に住宅ローン契約時など
確定日付とは?
出典:日本公証人連合会
確定日付とは、文字どおり、変更のできない確定した日付のことであり、その日にその証書(文書)が存在していたことを証明するものです。公証役場で付与される確定日付とは、公証人が私書証書に日付のある印章(確定日付印)を押捺した場合のその日付をいいます。
確定日付取得は電子契約によって契約を締結した場合にも行うことが可能で、各公証役場および電子確定日付センターで申請を受け付けています。手続きが完了した電子データは、XMLファイル、XSLファイルおよびPDFファイルが一つにまとまった電子公文書(zipファイル)として返送されます。
このzipファイルの一部を取り出したり、フォルダ名やファイル名を変更したりすると、電子公文書としての有効性が失われるため注意しなければなりません。
そこでGMOサインでは、電子公文書をzipファイルのまま本来の契約書データと紐づけて一元管理できる「補足資料ファイルのアップロード機能」を提供しています。
電子契約サービスによってはzipファイルの保管に対応していないケースもあります。これまで電子契約利用時にzipファイルを別途保管しなければならない点が不便だと感じていた方は、ぜひこの機会に電子印鑑GMOサインをご検討ください。
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