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土地賃貸借契約書に印紙を貼る場合の金額は?印紙貼付が必要なケースと具体的な金額を解説

 

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不動産の賃貸借契約を締結する際、実は対象が「土地」なのか「建物」なのかによって印紙が必要かどうかも異なります。不動産の賃貸借契約は高額になるケースもあり、印紙が必要となれば、印紙税額も高額になるため、要不要はしっかりと把握しておかなければなりません。

本記事では、不動産オーナーや不動産業関係者の方へ向け、不動産取引のなかでもとくに「土地賃貸借契約」を中心に印紙が必要かどうかについて解説します。印紙税額についても詳細にお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

不動産賃貸借契約の種類

不動産賃貸借契約は、土地を対象にするものと建物を対象にするものの2つに大別できます。それぞれの概要は次のとおりです。

土地賃貸借契約

土地の賃貸借契約とは、一般的に建物が建っていない土地を対象に賃貸借契約を締結することを指します。土地の借主は、その土地にマンションやオフィスビル、倉庫、工場など目的に応じて建物を建てることが可能です。

賃料は基本的に土地の面積や立地条件により決められるため、建物の大きさや種類は関係ありません。なお、借主には借地借家法により次のような権利(借地権)が与えられます。

  • 借地権の存続期間は30年以上とし、30年に満たない存続期間は無効となる(借地借家法三条)
  • 貸主は、借主が建物を所有する目的で土地賃貸借契約を更新することを拒絶するには、貸主自体が土地を使用する正当な事由が必要である(借地借家法六条)
  • 借主が借りた土地の登記をしていない場合でも、土地上の建物について所有権登記がある場合、借地権は第三者に対しても認められる(借地借家法十条一項)
  • 土地賃貸借契約を期間満了によって終了する際、借主は貸主に対し、建物と土地の付属物を時価で買い取るよう請求ができる(借地借家法十三条)

建物賃貸借契約

建物の賃貸借契約とは、土地の所有者からマンションやオフィスビル、工場など建物の権利のみを得るものです。賃料は建物の状態や設備、使用目的、賃貸期間などによって定められます。

1年以上の賃貸借期間を設ける「普通建物賃貸契約」。そして期間の満了によって更新が行われず確定的に契約が終了する「定期建物賃貸借契約」があります。

普通建物賃貸借契約では、貸主と借主双方が解約の意思を示さない限り契約期間を過ぎても契約は終了しません。これに対し定期建物賃貸借契約は、基本的に契約期間の更新はありません。

賃貸借契約を締結する方法

土地、建物、どちらであっても賃貸借契約を締結するには、賃貸借契約書を作成し、貸主と借主双方の署名捺印を持って行います。

もちろん、ほかの契約と同様、口約束だけでも契約は成立するものの、後々トラブルにならないよう、契約書を作成するのが一般的です。とくに企業として賃貸借契約をする際は契約の金額も高額になるケースが多いため、かならず契約書を作成しましょう。

ここでは、企業が賃貸借契約を行う場合の基本的な流れについて簡単に解説します。

STEP

審査

貸主は、自身が所有する土地もしくは建物の賃貸借契約をしたいという企業からの申し込みを受け、審査を行います。借主は会社の登記簿謄本などを用意し、審査を受けます。

STEP

契約内容の確認・締結

審査の結果、問題がなければ双方で賃貸借の条件を確認し、問題がなければ貸主側が賃貸借契約書を作成。賃貸借契約書に署名捺印を行い契約は締結完了です。

賃貸借契約書に記載する主な事項

賃貸借契約を締結する際、重要なポイントとなる賃貸借契約書です。ここでは土地賃貸借契約書に記載すべき主な事項について解説します。

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記載事項内容
契約する土地の概要所在地、地番、地目、地積など
賃貸借の期間普通借地権:30年以上
※定期借地権:
(一般定期借地権)50年以上
(事業用定期借地権)10~50年未満
(建物譲渡特約付借地権)30年以上
賃貸の用途居住用のマンションを建てる
オフィスビルを建てる
駐車場にする
倉庫を建てる
など
(すでに建物がある場合、建物の所有者は誰かもかならず明記する)
賃料敷金や礼金がある場合は併せて記載する。
また、普通借地権の場合、更新料も記載。
なお、賃料は月額で記載するのが一般的。
返還時の要件契約期間が終了し、土地を返還する際の要件
禁止事項賃料の滞納や遅延、増築や大規模な修繕、貸主に承諾なく土地を第三者に貸与、転売するなどの禁止事項
禁止行為を行った際の罰則上述した禁止行為を行った際の罰則。
敷金の返金を行わない、契約解除、損害賠償など
契約書の作成年月日・署名捺印土地賃貸借契約を作成した年月日と貸主・借主双方の署名捺印

※一般定期借地権:用途制限はない。契約更新はなく、建物の買取請求もしない。契約終了時、借主は建物を取り壊して土地を返還する。なお、契約は公正証書で行う必要はないが、書面や電磁的記録(電子契約)による契約締結をしなければならない。

※事業用定期借地権:用途は事業用建物所有に限る。契約更新はなく、建物の買取請求もしない。借主は建物を取り壊して土地を返還する。なお、契約はかならず公正証書で行う。

※建物譲渡特約付借地権:用途制限はない。契約方法にも制約はなく、口頭での契約でも可能。借主には建物買取請求権があり、貸主は契約期間終了後、この権利を行使された場合、相当の価格で買い取らなければならない。なお、権利行使後も借主がそのまま建物を使用したいといった場合は、借家契約の関係でその建物を借家として貸す。

参考:借地借家法

(定期借地権)

第二十二条 存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

2 前項前段の特約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十八条第二項及び第三十九条第三項において同じ。)によってされたときは、その特約は、書面によってされたものとみなして、前項後段の規定を適用する。

(事業用定期借地権等)

第二十三条 専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。

2 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。

3 前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。

(建物譲渡特約付借地権)

第二十四条 借地権を設定する場合(前条第二項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第九条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。

2 前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。

3 第一項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第三十八条第一項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。

出典:借地借家法 | e-Gov法令検索

賃貸借契約書に印紙が必要な場合

賃貸借契約書を作成する際、もう一点気になるのが印紙の貼付が必要かどうかです。

借主は頻繁に賃貸借契約を行うことはありません。しかし、不動産オーナーや不動産業関係者は所有している不動産が多いほど、契約も頻繁に発生します。とくに企業との不動産契約は高額になるケースが多く、印紙があるかないかでかかる費用も大きく異なるため、印紙の要不要は知っておかなければなりません。

実は、賃貸借契約の対象が「土地」か「建物」かで印紙の要不要は異なります。印紙が必要となるのは土地賃貸借契約印紙の貼付が不要なのが建物賃貸借契約です

土地の賃貸借契約で必要な印紙税額

実際に土地賃貸借契約で必要となる印紙税額は次のとおりです。

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土地賃貸借契約書に記載された契約金額印紙税額
1万円未満(※)非課税
10万円以下200円
10万円を超え50万円以下400円
50万円を超え100万円以下1,000円
100万円を超え500万円以下2,000円
500万円を超え1,000万円以下1万円
1,000万円を超え5,000万円以下2万円
5,000万円を超え1億円以下6万円
1億円を超え5億円以下10万円
5億円を超え10億円以下20万円
10億円を超え50億円以下40万円
50億円を超えるもの60万円
契約金額の記載のないもの200円
※契約金額が1万円未満であっても、土地賃貸借契約書に金額が記載されていない場合は、200円の印紙税が発生します。

土地と建物の境界が曖昧な場合の対応方法

上述したように、土地賃貸借契約の場合は印紙が必要。建物賃貸借契約の場合は印紙が不要です。ただし、土地と建物の境界が曖昧なケースも少なくありません。ここでは、具体的な例を挙げ、課税なのか非課税なのかについて解説します。

駐車場

たとえば、企業が自社の営業車を置く駐車場として土地賃貸借契約をする場合、駐車場は建物ではないため、土地賃貸借契約となり印紙税も発生すると思われるかもしれません。しかし、駐車場として借りる場合でも印紙税が発生するのはとくに駐車用の設備がない土地、舗装されていない土地のみです。

印紙税が発生しないのは建物以外に施設、物品も含まれます。そのため、アスファルトで舗装され駐車スペースの枠が書かれている、駐車メーターが設置されている場合は駐車場施設であると判断されるため、印紙税はかかりません。そのほか、車庫が設置されている、車(物品)を寄託(保管)するための契約であっても、印紙税は0円です。

ただし、舗装されているだけでは施設とみなされない場合もあるため、契約時にかならず双方で要件のすり合わせをするか専門家に相談するようにしましょう。

参考:No.7107 駐車場を借りたときの契約書|国税庁

土地賃貸借契約であっても印紙税がかからないケース

土地賃貸借契約は印紙税がかかるうえ、駐車場や自動販売機のように建物か土地かの判断が難しいケースもあり、手間もコストもかかります。そこでおすすめなのが土地賃貸借契約の電子化です。

従来、不動産契約は書面での契約が必須でした。しかし、2022年5月18日より宅地建物取引業法施行規則の一部改正が行われ、賃貸借契約においても電子契約が可能になったのです。

(1)「宅地建物取引業法施行規則」の一部改正

「宅地建物取引業法」(昭和 27 年法律第 176 号)において、重要事項説明書等の書面の交付を電磁的方法により行うことを可能とする改正が行われたことに伴い、以下の事項を規定する改正を行いました。

  • 宅地建物取引業者が書面を電磁的方法で提供する際に用いる方法
    (電子メール、Web ページからのダウンロード形式による提供、USBメモリ等の交付など)
  • 宅地建物取引業者が書面を電磁的方法で提供する際に適合すべき基準
    (書面に出力できること、電子署名等により改変が行われていないかどうかを確認できることなど)
  • 宅地建物取引業者が、書面を電磁的方法で提供する場合に、あらかじめ相手方から承諾を得る際に示すべき内容
    (電磁的方法で提供する際に用いる方法及びファイルへの記録形式)
  • 宅地建物取引業者が書面の交付を受ける相手方から承諾を得る際に用いる方法
    (電子メール、Web ページ上の回答フォーム、USBメモリ等の交付など)
出典:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001479895.pdf

書面による契約では契約の種類によって収入印紙を貼付なければなりません。しかし、電子契約は書面に当たらないと解釈されることから、印紙税は発生せず非課税となります。

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そのため、2022年5月18日以降、土地賃貸借契約も電子契約を利用することで印紙税はかからなくなりました。取引を行う相手の同意が条件とはなるものの、電子契約の利用により、印紙税にかかるはずだったコストの削減が実現します。

さらに電子契約ならばクラウド上で契約締結が可能であり、契約書の印刷や封筒へ入れる作業、郵送にかかる時間などがなくなるため、大幅な業務効率化も可能です。

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まとめ:土地賃貸借契約は電子契約がおすすめ

土地賃貸借契約とは、一般的に建物が建っていない土地を対象に賃貸借契約を締結するものです。

ただし、土地だけの賃貸借と建物だけの賃貸借で印紙税の要不要が異なるため、これまではその判断が困難となるケースも少なくありませんでした。とくに駐車場などは土地か建物(に相当する施設)かの解釈が曖昧であり、その判断のためだけに専門家や税務当局へ確認をする手間が生まれるなど効率的ではありません。

そこで、おすすめなのが土地賃貸借契約の電子化です。電子契約は書面に当たらないと判断されるため、土地賃貸借契約でも印紙税は非課税になります。また、電子化によりこれまでかかっていた手間やコストが解消するのはもちろん、請求書や領収書、社内稟議などの電子化も可能となり、大幅な効率化が可能です。

電子契約は、ExcelやPDFを使い自身でも行えます。ただ、それでは作成や管理の手間がかかるため、書面での契約と大きくは変わりません。そのため、電子契約サービスを活用するのがよいでしょう。おすすめはGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供する電子印鑑GMOサインです。

不動産取引のような高額な契約ではセキュリティ対策も重要となるため、GMOサインでは不動産取引に特化したプランも用意しています。収入印紙の貼付が不要になるだけではなく、高いセキュリティを実現し、スピーディーな契約が可能です。

土地賃貸借契約の手間やコストでお悩みの際はぜひ、国内シェアNo.1(※)電子契約サービスGMOサインの不動産DXのご利用をおすすめします。

※1 「電子印鑑GMOサイン(OEM商材含む)」を利用した事業者数(企業または個人)。1事業者内のユーザーが複数利用している場合は1カウントとする 。自社調べ(2023年11月)
※2 電子署名およびタイムスタンプが付与された契約の送信数(タイムスタンプのみの契約を除く。電子署名法の電子署名の要件より)。自社調べ(2023年12月)

 

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
電子署名/電子サイン/電子印鑑(デジタルハンコ)/脱印鑑(脱ハンコ)/電子文書/電子証明書/電子帳簿保存法など、電子契約にまつわる様々なお役立ち情報をお届けします。

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