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介護保険とは?仕組みや対象者、要介護認定をわかりやすく解説

 

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介護が必要になり、介護サービスを利用する際には介護保険を利用することが可能です。介護保険は健康保険とは異なり、40歳以上のすべての国民に加入が義務づけられているもので、その財源は介護保険料だけでなく国からの公費でも賄われています。ただし、どのような形でいくら介護保険料を負担しているのか、把握していないケースもあるかもしれません。また、いざ介護保険の適用を受けたいと思っても、制度が複雑でよくわからないという人も多いでしょう。

現時点ではまだ介護保険を利用することはないかもしれませんが、将来的に自分や家族が利用する可能性は十分にあります。今のうちから介護保険について理解しておくことは、大変重要です。本記事では介護保険の仕組みについてわかりやすく解説します。

現在介護業界ではDX化が急速に進んでいます。DX化の要素の一つ「電子契約」について、次の記事で詳しく解説しています。介護業界で業務改善に取り組まれている方必見の内容です。ぜひご覧ください↓

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目次

介護保険とは

介護保険は、介護が必要になったときに備える公的な保険で、2000年4月に開始されました。市区町村が保険者となっており、40歳以上の人が被保険者となります。介護保険制度は、健康保険や公的年金などと同様に強制的な加入が定められています。この保険が誕生した社会的な背景や目的はどのようなものなのでしょうか。

介護保険制度が誕生した背景

介護保険制度が誕生する以前までは、介護は家族で行うものという考え方が主流でした。しかし、社会情勢の変化から家族で介護を行うのが難しい状況になり、介護保険制度が創設されました。

少子高齢化が進展し、社会問題化していますが、この流れは最近になって起こったことではありません。1980年代あたりから徐々に高齢化率が上昇しはじめ、1990年代以降に急拡大しました。介護保険制度が誕生した背景には、高齢化率の上昇や平均寿命の伸び、核家族化などが挙げられます。

介護保険制度が誕生した2000年当時の時点ですでに高齢化率は上昇していましたが、現在では、さらに高水準な状況です。

介護保険制度の基本的な目的

介護保険制度では、自立支援利用者本位(利用者主体)、社会保険方式の3つの考え方を基本としています。

自立支援とは?

自力で生活できるようにサポートするという考え方です。介護が必要な人でも、日常生活のすべてができないわけではありません。できないことだけをサポートして、自力でできることは本人に任せる形で介護を行うことを理念としています。

利用者本位(利用者主体)とは?

利用するサービスの種類や頻度などを利用者本人が自分で決めるという考え方です。ケアマネジャーなどは、あくまでアドバイスをするにとどまります。家族も本人の意見を尊重して施設の利用を決めるのが基本です。

社会保険方式とは?

被保険者が支払う保険料を運営の財源に充てる制度のことです。被保険者でない人は、基本的に費用の負担はありません。ただ、実際には保険料のみで介護保険制度を運営するのは難しく、公費も投入されています。

介護保険料の金額と支払う仕組み

介護保険では被保険者が第1号被保険者と第2号被保険者の2種類に分かれています。

第一号被保険者:65歳以上の者
第二号被保険者:40歳から64歳までの医療保険の加入者
出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」

それぞれの介護保険の被保険者について、保険料の金額が決まる仕組みや支払い方法を見ていきましょう。

第1号被保険者

第1号被保険者とは、65歳以上の介護保険の被保険者のことです。職業の有無や種類などは関係なく、65歳の誕生日になると第2号被保険者から第1号被保険者に自動的に切り替わる仕組みです。

65歳以上の人は、一般的にこの年齢になると年金を受給しています。介護保険料は原則として特別徴収(年金からの天引き)です。従って、特別な支払い手続きなどは必要ありません。

ただし、年金支給額が年額18万円未満の場合には、特別徴収ではなく普通徴収の方法で支払います。普通徴収の場合は支払いの手続きが必要で、口座振替や納付書などで支払います。納付書で収める場合には毎回銀行やコンビニなどに行く必要がありますが、口座振替なら自動的に引き落とされるため手間がありません。

第2号被保険者

第2号被保険者は40歳以上65歳未満の介護保険料の被保険者です。会社員や公務員など健康保険に加入している人と自営業者など国民健康保険に加入している人とで保険料の支払い方法は異なります。

会社員・公務員

会社員や公務員の場合には、健康保険料に上乗せされて天引きされる仕組みです。保険料額は標準報酬月額に介護保険料率をかけて計算されます。標準報酬月額は健康保険料の計算で使われるものと同一のものです。介護保険料率は健康保険組合によって異なり、毎年改定されます。

たとえば、2024年度の協会けんぽの介護保険料率は1.60%です。
参考:協会けんぽの介護保険料率について

なお、賞与が支給された場合にも標準賞与額に介護保険料率をかけた分の金額が保険料として天引きされます。またパートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用で働いている人でも健康保険に加入していれば、会社員や公務員と同じ扱いです。健康保険で会社員や公務員の扶養に入っている人は、介護保険料の負担はありません。

自営業者

自営業者の場合には、国民健康保険料に上乗せされる仕組みです。国民健康保険料は所得割と均等割に分かれており、地域によっては平等割と資産割もあります。

所得割に関しては介護分という形で保険料率が加えられ、所得に比例して負担が増える仕組みです。所得が一定額以下の人やゼロの人は所得割の負担はありません。平等割は全世帯が負担するもので、所得とは無関係に負担が生じます。

なお、無職の人や社会保険が適用されない条件で働いている人も自営業者と同じ扱いです。

介護保険被保険者証

健康保険は加入した時点で被保険者証が交付されるのに対して、介護保険では第1号被保険者になってからの交付となります。65歳の誕生日を過ぎると、保険者である市区町村から自宅に被保険者証が郵送されてきますから、申請手続きなどはとくに必要ありません。

40歳以上64歳未満の第2号被保険者で特定疾病に該当し、要介護認定または要支援認定を受けている人にも被保険者証が交付されます。

介護保険のサービスの利用対象者

介護サービスの利用対象者を被保険者の種類別に見ていきましょう。

第1号被保険者の場合

介護保険のサービスは、原則として第1号被保険者を対象としています。実際に介護保険のサービスを受ける際には要介護認定または要支援認定を受けていなければなりません。要介護認定または要支援認定に応じて、受けられるサービスの種類や料金が決まります。

第2号被保険者の場合

第2号被保険者の場合には、原則として介護保険のサービスの対象にはなっていません。しかし、例外として特定疾病に該当している場合には、要介護認定または要支援認定の申請が可能です。要介護認定または要支援認定を受ければ、それに応じた介護保険のサービスを受けられます。

特定疾病には、次の16種類の疾病が該当しています。

  • 末期がん
  • 初老期における認知症
  • 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
  • 関節リウマチ
  • 筋萎縮性側索硬化症
  • 後縦靱帯骨化症
  • 骨折を伴う骨粗鬆症
  • 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病
  • 脊髄小脳変性症
  • 脊柱管狭窄症
  • 早老症
  • 多系統萎縮症
  • 脳血管疾患
  • 閉塞性動脈硬化症
  • 慢性閉塞性肺疾患
  • 両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

みなし2号の場合

原則として40歳以上の人は介護保険に加入していますが、40歳以上65歳未満の生活保護受給者は介護保険料を支払える状況にないため、被保険者にはなりません。しかし、特定疾病に該当し、要介護・要支援状態にある場合は第2号被保険者とみなして審査を行い、要介護または要支援認定を受けた場合は介護保険のサービスを「みなし2号」として利用可能です。

なお、65歳以上の場合は、生活保護を受給していたとしても介護保険の第1号被保険者になります。被保険者となることで介護保険料の支払い義務が生じますが、生活扶助に介護保険料の分が足されて支払われる仕組みのため、実質負担はゼロです。

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要介護・要支援とは

介護が必要な状態になったときに、市区町村の窓口で手続きをすることで、要介護認定または要支援認定を受けることができます。要介護認定は1〜5の5段階に設定されており、要支援認定は1と2の2段階です。

要介護の認定

日常生活で必要な動作を自力で行うのが難しい場合に要介護の認定を受けることができます。たとえば1人で食事をしたりお風呂に入ったりできないなど、介助を要する状態が該当します。

ただし、介助が必要な状態でも少し手助けをするだけで済む状態の人もいれば、ほとんどの動作について介助が必要なケースもあるでしょう。そうした実情を考慮し、要介護認定は介護が必要な時間を基準にして5段階に分けられています。介護が必要な時間がもっとも短いのが要介護1で、段階的に介護の必要度が上がっていきます。

スクロールできます
要介護1トイレに行った際にズボンの上げ下ろしができない。1人で着替えができない
要介護2サポートがないと立ち上がったり、歩いたりすることができない
要介護3トイレや入浴、着替えなどの動作全般を1人で行うことができない。認知症の症状が出ている
要介護4日常動作の全般を1人では行えない。暴言・暴力・徘徊など、認知症の症状が進行している
要介護5寝たきりで起き上がることができない。理解力が低下し、話すことも難しい
要介護レベルの目安

要支援の認定

現在のところ日常生活上の介助は不要なものの、将来的に自力での生活が困難になる可能性がある場合に要支援の認定を受けられます。要介護状態になるのを防止するために支援が必要な状態です。要支援は2段階に分かれており、要介護に近い状態なら要支援2の認定になります。

スクロールできます
要支援1生活に基本的な動作はほぼ行えるが、食事や入浴、掃除などの一部の動作が1人でできない
要支援2食事ができ、トイレにも行けるが、体に支障が出ていて入浴時に背中を洗えない。または足を上げられず、浴槽をまたげない
要支援レベルの目安

自立

要介護認定で自立と判定された場合には、自力で日常生活を営むことができ、将来的に介護が必要になる可能性も低い状態です。自立の場合には、介護保険のサービスを利用することはできません。

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介護保険のサービスを利用する流れ

介護保険のサービスを利用する際には、次のような流れで行います。

要介護認定または要支援認定を受ける

市区町村の窓口で要介護認定の申請手続きを行います。介護保険被保険者証が必要になるため、持参しましょう。本人が自分で行うのが難しい場合には家族が代わりに申請手続きをすることも可能です。また、ケアマネジャーに依頼することもできます。

申請手続きが正常に受理されると、認定調査が行われます。主に職員が自宅を訪問して、普段の日常生活の様子を見てみたり、聞き取りを行ったりする内容です。そして、かかりつけ医から主治医意見書を作成してもらいます。認定調査で得た内容と主治医意見書の内容をもとにして審査判定が行われます。審査にはコンピュータによる一次判定と介護認定審査会による二次判定があり、これは全国共通の判定方法です。

申請日から30日以内に自宅に審査結果が郵送される流れとなっています。

ケアプランを作成する

要介護または要支援の認定を受けたら、ケアマネジャーに依頼してケアプランを作成してもらいましょう。ケアマネジャーにケアプラン作成を依頼するのに費用はかかりません。

ケアプランには、利用者がどのような状態か、どのような介護を必要としているのか、本人や家族と話し合って記載します。

ケアプランは、家族や介護を受ける本人が作成することも可能です。その場合はセルフケアプランまたはセルフプランとなりますが、ケアマネジャーに作成したもらった方が手間もかからず、手続きがスムーズです。ケアプランが完成したら、介護サービスを利用できるようになります。

要介護認定の更新を行う

要介護認定には、有効期限が付いています。有効期限切れになると効果がなくなり、介護保険のサービスを受けられなくなりますから、更新が必要です。新規の場合の有効期限は原則6カ月です。同じ区分で更新を受けた場合には、原則12カ月有効となります。

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介護保険のサービスの種類

介護保険で利用できるサービスは主に次の種類に分けられます。

居宅介護サービス

居宅介護サービスは、これまで通りに自宅に住みながら利用できる介護サービスです。介護職員が自宅を訪問してサービスを提供するものや利用者が介護施設に通所をして利用するサービスなどがあります。

短期間だけ介護施設に宿泊して利用するサービスも居宅介護サービスの一種です。

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地域密着型サービス

地域密着型サービスは、自宅近くの地域で生活を続けていきたい人を対象にしている介護サービスです。訪問や通所で利用するサービスが中心ですが、入所して利用するサービスもあります。また、原則として自宅がある市区町村のサービスのみ利用可能です。

福祉用具や住宅改修に関するサービス

自宅で介護をする場合に、介護保険を利用して福祉用具をレンタルしたり、購入費用の補助を受けたりできます。介護のために住宅の改修を行う場合にも利用可能です。

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まとめ:介護保険はいざというときの支え!健やかな日々を守るための下支えと理解しよう

介護保険は、介護が必要な状態になったときに適切な介護サービスを受けられるようにするための制度です。40歳以上になると、介護保険の被保険者となり保険料を負担するようになります。

基本的に介護保険のサービスの対象は65歳以上の第1号被保険者で、介護認定を受けている人となります。40歳以上65歳未満の人に関しては、特定疾病に該当する人のみ対象です。

自分や家族が介護を必要とする状態になってしまったら、介護保険のサービスを利用できないかどうか検討してみましょう。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
電子署名/電子サイン/電子印鑑(デジタルハンコ)/脱印鑑(脱ハンコ)/電子文書/電子証明書/電子帳簿保存法など、電子契約にまつわる様々なお役立ち情報をお届けします。

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