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会社は、正確な会計帳簿を作成し、保存しなければなりません。これは、会社法第432条に規定があります。
また「法人税法および法人税法施行規則」では、法人は帳簿を備え付けて、取引を記録するとともに、帳簿と取引関係書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければならない、と定められています。
このように、法令上、作成および保存が義務付けられている「会計帳簿」ですが、会計帳簿には「主要簿」と売上帳「補助簿」があります。今回は、「補助簿」について解説します。
補助簿とは、名前のとおり主要簿の補助的な役割を担う帳簿です。主要簿には、「総勘定元帳」と「仕訳帳」があります。総勘定元帳とは、全ての勘定について勘定科目ごとに記帳する帳簿で、全ての科目について残高を知ることができます。仕訳帳とは、日付順に仕訳をしていくもので、日々の取引の内容を把握することができる帳簿です。
補助簿には、大きく分けると「補助記入帳」と「補助元帳」の2種類があります。補助記入帳とは、日付順に特定の勘定科目についてまとめるものです。補助元帳とは、特定の勘定科目の明細を記録する帳簿で、頻繁に使われる勘定科目についてすぐに調べられるように備えるものです。「補助記入帳」と「補助元帳」の具体的な帳簿の内容については、後の項目で解説します。
主要簿だけでも決算書を作ることはできます。しかし、経営をする上ではリアルタイムに様々な情報を把握する必要があります。たとえば、売掛金の残高は総勘定元帳で確認することができますが、総勘定元帳を見てもどの取引先の売掛金が未回収なのかはわかりません。
そのようなときに役に立つのが補助簿のひとつ、「売掛金元帳」です。これは、取引先別に売掛金の残高がわかる帳簿です。補助簿は、主要簿と異なり必須の帳簿ではありませんが、主要簿を補助するものとして経営上欠かせないものなのです。
このように、補助簿は実務上、非常に重要な帳簿です。かつては、伝票から仕訳帳、総勘定元帳、補助簿への転記という大変な作業が必要でしたが、今は会計ソフトがあるので、伝票さえ入力してしまえば、主要簿も補助簿も自動で作成してくれます。そのため、会計ソフトを導入しているのであれば、補助簿を改めて作成する必要はありません。
現金の入出金について記録する帳簿です。現金の入出金がいつあって、残高がいくらあるのかを把握するためのものです。現金の管理は非常に重要ですので、補助簿ではありますが、企業では必須の帳簿といえます。現金出納帳は次のように記入します。
現金出納帳
日付 | 勘定科目 | 摘要 | 入金 | 出金 | 残高 |
2021.6.1 | 消耗品費 | コピー用紙購入 | 2,500 | 35,000 |
預金の入出金について記録する帳簿です。現金と同様、預金の入出金は重要であるため、独立した帳簿が作られます。いつ入出金があって、預金の残高がいくらあるのかをすぐに把握することができます。預金出納帳は次のように記入します。
預金出納帳
日付 | 勘定科目 | 摘要 | 入金 | 出金 | 残高 |
2021.6.1 | 売掛金 | 株式会社○○ | 55,000 | 1,250,000 |
仕入帳は、商品などを仕入れた場合に記録する帳簿です。仕入帳には、仕入先、仕入の個数、単価も記録します。これらの情報は、主要簿には記載されないため、商品を管理する上で仕入帳が必要になるわけです。仕入帳は次のように記入します。
仕入帳
日付 | 摘要 | 金額 |
2021.6.1 | (株)○○、掛、商品B@3000円 数量100個 | 300,000 |
売上帳は、商品を販売した場合に記録する帳簿です。売上帳には、販売個数や単価も記録します。経営者にとって、売上は最も関心のある項目です。どのような商品がどこに売れているかという情報は、主要簿を見てもわからないため、売上帳が必要になります。売上帳は次のように記入します。
売上帳
日付 | 摘要 | 金額 |
2021.6.1 | (株)△△、掛、商品C@4000円 数量50個 | 200,000 |
支払手形記入帳は、支払手形の支払い状況を管理するための帳簿です。手形を決済できないと不渡りとなり、会社は信用を失ってしまいますので、しっかりと帳簿で管理しておく必要があります。支払手形記入帳は次のように記入します。
支払手形記入帳
売掛金元帳は、掛けで商品を販売した場合の内容を記録する帳簿です。売掛金の回収ができないと資金繰りが狂ってしまうため、しっかりと管理することが求められます。売掛金元帳の特徴は得意先ごとに帳簿が作られる点です。具体的な記入例は次のとおりです。
売掛金元帳
株式会社△△
日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 借/貸 | 残高 |
2021.6.1 | 売上 | 200,000 | 借 | 1,100,000 |
買掛金は、掛けで商品を仕入れた場合の内容を記録する帳簿です。買掛金を約束通り支払わないと信用問題に関わるため、独立した帳簿で管理することが求められます。買掛金元帳も得意先ごとに帳簿が作られます。具体的な記入例は次のとおりです。
買掛金元帳
○○株式会社
日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 借/貸 | 残高 |
2021.6.1 | 仕入 | 300,000 | 貸 | 800,000 |
固定資産台帳は、固定資産の内容について記録した帳簿です。保有している固定資産がどれだけあって、減価償却費を控除した現在の価値はどのくらいなのかを把握するのに必要な帳簿になります。固定資産台帳の特徴は、会社によって様式がかなり違うということです。様式は特に決まっていませんので、使いやすい項目を設定して構いません。具体的な記入例は次のとおりです。
固定資産台帳
今回は、補助簿の種類と書き方、補助簿が必要になる理由、主要簿との違いなどについて解説しました。会計ソフトが普及している現代においては、改めて作成しなくても会計ソフトが自動で補助簿を作ってくれますが、補助簿を使って事業を管理するのはあくまで人です。今回の記事を参考に、補助簿を積極的に経営に活用してみてください。
会計ソフトの導入は多くの企業で進んでいるようですが、契約書の管理については、未だ紙で行っているという企業もあるようです。会計処理の合理化と同時に、コスト削減や業務効率化が図れる契約書の電子化についても検討してみてはいかがでしょうか。「電子印鑑GMOサイン」は、簡単に導入することができますので、おすすめです。
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