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2024年3月末で廃止!介護療養型医療施設の役割と代替施設

 

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2024年3月末で「介護療養型医療施設」は廃止となりました。介護療養型医療施設とは、医療と介護の両方のサービスを受けられる施設として、多くの方々に利用されてきた施設です。しかし、2006年の医療・介護保険制度の見直しに伴い廃止が決定していました。その後、延長などを経て2024年3月末で完全廃止となったのです。

本記事では、廃止された介護療養型医療施設について、これまでの役割と今後の代替施設について詳しく解説します。

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目次

介護療養型医療施設とは

介護療養型医療施設は、医療と介護の両方のサービスを受けられる施設です。医療が必要な方でも、介護保険のサービスを利用することで、費用の負担を抑えながらできるだけ自宅に近い環境で生活を送ることができます。

介護療養型医療施設の特徴

介護療養型医療施設では医師による診察や看護、リハビリテーション、介護サービスなどが提供されます。医療と介護の専門スタッフが連携してサービスを提供することで、利用者の心身の健康を維持・向上させることが可能です。

とくに、長期的な療養が必要な方を対象としています。短期間のリハビリテーション施設とは異なり、長期的な視点で利用者の療養をサポートする施設です。医師、看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門スタッフがチームを組んで利用者のサービスを提供します。それぞれの専門性を活かして、利用者一人ひとりに最適な療養プランを作成し、実行しています。

介護療養型医療施設の基準

厚生労働省が発表している介護老人保健施設の基準は以下の通りです。

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医師 医療法に規定する必要数以上(概算で48対1)
薬剤師医療法に規定する必要数以上(概算で150対1以上)
看護職員6対1以上
介護職員6対1以上
理学療法士、作業療法士実情に応じた適当数
栄養士医療法に規定する必要数以上(100床以上の場合1)
介護支援専門員1以上(100対1を標準とする)
人員基準
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病室1室当たり定員4人以下、入院患者1人当たり 6.4㎡以上
機能訓練室 40㎡以上
食堂1㎡×入院患者数以上
廊下幅1.8m以上(中廊下は2.7m以上)
浴室身体の不自由な者が入浴するのに適したもの
設置基準

出典:厚生労働省「介護療養型医療施設」

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介護療養型医療施設のメリット

介護療養型医療施設のメリットは、大きく分けて4つあります。

医療ケアの充実

介護療養型医療施設は、医師や看護師などの医療従事者が24時間常駐しており、医療度の高い方でも安心して生活できます。また、他の介護施設では受けられない医療行為も提供されます。

機能訓練の充実

介護療養型医療施設では、理学療法士や作業療法士による機能訓練が充実しています。リハビリテーションを受けることで、身体機能の維持・向上を目指し、自立した生活への復帰を目指すことができます。

看取り・ターミナルケアへの対応

介護療養型医療施設では、最期まで自分らしい生活を送りたいという希望を尊重し、看取りやターミナルケアにも対応しています。医療と介護の両方のサポートを受けることで、安心して人生の最期を迎えることができます。

入居一時金が不要

多くの介護療養型医療施設には、入居一時金がありません。特別養護老人ホームなど、他の介護施設では入居一時金が必要となるため、経済的な負担が軽減されます。

介護療養型医療施設は2024年3月末に完全廃止

介護療養型医療施設の廃止は、主に以下の理由から決定されました。

医療と介護の役割分担の明確化

介護療養型医療施設は、医療と介護の両方のサービスを提供する施設ですが、医療保険と介護保険の両方の財源を使用するため、医療と介護の役割分担が曖昧であるという問題がありました。

医療ニーズの高い方の受け皿不足

介護療養型医療施設には、医療ニーズの高い方が多く入所していますが、医療体制が十分とはいえない施設もあり、医療ニーズの高い方の受け皿不足が課題となっていました。

参考:厚生労働省「介護療養病床・介護医療院の これまでの経緯」

介護療養型医療施設のデメリット

介護療養型医療施設は、医療と介護の両方のニーズを満たせる施設ですが、いくつかのデメリットもあります。

費用が高額になる可能性がある

介護療養型医療施設は、医療度の高い方が入所するため、介護保険と医療保険の両方を利用しても、費用が高額になる可能性があります。とくに、医療費の自己負担分が高くなる場合があることを、理解しておきましょう。

個室が限られている

介護療養型医療施設は、個室よりも多床室が多いため、プライバシーが確保しにくい場合があります。

入所基準が厳しい

介護療養型医療施設は、医療度の高い方を対象としているため、入所基準が他の介護施設よりも厳しい場合があります。

レクリエーションやイベントが少ない

介護療養型医療施設は、医療に重点を置いているため、レクリエーションやイベントなどの活動が少ない場合があります。

介護療養型医療施設の代替施設「介護医療院」

介護療養型医療施設の2024年3月末での廃止に伴い、代替施設として介護医療院が新設されました。介護医療院は、2018年4月に介護保険法の改正に伴い新設された施設です。介護療養型医療施設(介護療養病床)に代わり、長期的な医療と介護の両方を必要とする要介護高齢者の方を対象としています。

主な特徴

医療と介護の一体的な提供

医師、看護師、介護職員などがチームを組み、利用者の状態に合わせて医療と介護を一体的に提供しています。

長期療養に対応

喀痰吸引や経管栄養など、医療度の高い方でも長期療養を受けられます。

看取り・ターミナルケア

最期まで自分らしい生活を送りたいという希望を尊重し、看取りやターミナルケアにも対応しています。

多様なサービス

食事、入浴、排泄、リハビリテーションなどのサービスを提供しています。

介護医療院の施設基準

介護医療院の施設基準は、厚生労働省が定める「介護医療院の人員、施設および設備並びに運営に関する基準」に基づいて定められています。主な基準は以下の通りです。

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施設(第5条第1項)施設の基準(第5条第2項)
療養室・1の療養室の定員は、4人以下
・入所者一人当たりの床面積は8㎡以上
・地階に設けてはならない
・一つ以上の出入り口は、避難上有効な空地、廊下または広間に直接面して設ける
・入所者のプライバシーの確保に配慮した療養床を備える
・入所者の身の回り品を保管することができる設備を備える
・ナース・コールを設ける
診察室診察室は、次に掲げる施設を有している
1. 医師が診察を行う施設
2. 喀痰・血液・尿・糞便などについて行われる臨床検査を行える施設(臨床検査施設)
3. 調剤を行う施設
臨床検査施設は、体から排出されたり、採取されたり検体の検査(検体検査)の業務を委託する場合では、当該検体検査にかかる設備を設けないことも可能
処置室処置室は、次に掲げる施設を有する
1.入所者に対する処置が適切に行われる広さを有する施設
2.診察の用に供するエックス線装置が10キロボルト以上であり、かつ、その有するエネルギーが一メガ電子ボルト未満のもの
機能訓練室内法による測定で40㎡以上の面積を有し、必要な器械および器具を備える。ただし、併設型小規模介護医療院では、機能訓練を行うために十分な広さがあり、必要な器械や器具を備える
談話室入所者同士や入所者とその家族が談話を楽しめる広さ
食堂内法による測定で、入所者1人当たり1㎡以上の面積を有する
浴室・身体の不自由な人が入浴するのに適したものとする
・一般浴槽だけでなく、入浴に介助を必要とする者の入浴のための特別浴槽が必要
レクリエーション・ルームレクリエーションを行うために十分な広さがあり、必要な設備を備えている
洗面所身体の不自由な者が利用するのに適している
便所身体の不自由な者が利用するのに適している
出典:生労働省「介護医療院とは?」

介護医療院の施設類型

介護医療院には、以下の施設類型があります。

介護医療院Ⅰ型

介護療養病床相当と同等のサービスを提供しており、重篤な身体疾患を持っている人や身体合併症がある認知症高齢者が利用対象です。医療体制が充実しており、医師や看護師の人員配置が厚いのが特徴です。

介護医療院Ⅱ型

老人保健施設相当以上のサービスを提供しています。介護医療院Ⅰ型に比べて比較的容体が安定した高齢者が利用対象です。

人員配置

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人員配置(指定基準)介護医療院医療機関併設型介護医療院併設型小規模介護医療院(Ⅰ型・Ⅱ型)
(Ⅰ型)(Ⅱ型)(Ⅰ型)(Ⅱ型)
医師48対1(施設で3以上)100対1(施設で1以上)48対1100対1併設される医療機関の医師によって当該併設型小規模介護医療院の入所者の処遇が適切に行われると認められた場合は置かないことが可能
リハビリ専門職適当数適当数併設される医療機関の職員(病院の場合にあっては医師またはリハビリ専門職、診療所の場合にあっては医師)によって、入所者の処遇が適切に行われると認められれば置かないことが可能
薬剤師150対1300対1150対1300対1併設される医療機関の職員(病院の場合にあっては、医師また薬剤師、診療所の場合にあっては医師)によって、当該施設の入所者の処遇が適切に行われると認められれば置かないことが可能
看護職員6対16対16対1
介護職員5対16対15対16対16対1
栄養士または管理栄養士定員100以上で1人定員100以上で1人併設医療機関に配置されている栄養士または管理栄養士によって、介護医療院に栄養士を置かないことも可能
介護支援専門員100対1(施設で1以上)100対1(施設で1以上)適当数
診療放射線技師適当数併設施設の職員の兼務を行うことなどによって、適正なサービスを確保できる場合には、配置しなくても問題ない併設施設との職員の兼務を行うこと等により、適正なサービスを確保できる場合は、配置しなくても問題ない
調理員、事務員等適当数併設施設の職員の兼務を行うことなどによって、適正なサービスを確保できる場合には、配置しなくても問題ない併設施設との職員の兼務や業務委託を行うこと等により、適正なサービスを確保できる場合は、配置しなくても問題ない
出典:厚生労働省「介護医療院とは?」

介護医療院のメリット

介護医療院は、介護と医療の両方のサービスを受けられる施設です。主に以下のメリットがあります。

医療体制が充実

介護医療院には医師が常駐しており、24時間体制で医療を受けることができます。喀痰吸引や経管栄養など、医療機器を使ったケアも可能です。

重度の要介護者でも入所可能

介護医療院は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設よりも、重度の要介護者を受け入れることができます。認知症高齢者や医療的ケアが必要な方でも、安心して入所できるでしょう。

長期的な入所が可能

介護医療院は、短期入所やショートステイにも対応していますが、基本的には長期的な入所を想定しています。

リハビリテーションを受けられる

介護医療院では、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションを受けることができます。機能訓練や運動療法などを通して、身体機能の維持・向上を目指すことが可能です。

看取りまで対応

介護医療院では、看取りまで対応することが可能です。最期まで住み慣れた環境で、家族に囲まれて過ごしたいという希望を叶えることができます。

食事や入浴のサポート

介護医療院では、食事や入浴などの日常生活のサポートも受けることができます。自立した生活を送りたい方や、介護負担を軽減したいご家族にとって、安心できる環境でしょう。

介護保険の利用が可能

介護医療院は、介護保険の利用対象施設です。介護保険を利用することで、費用負担を軽減できます。

介護医療院のデメリット

介護医療院は、医療と介護の両方のサービスを受けられる施設ですが、いくつかのデメリットもあります。

費用が高い

介護医療院は、介護保険の適用を受けることができますが、全額自己負担ではありません。介護度や利用するサービス内容によって、月額数十万円程度の費用がかかることもあります。

積極的な治療は行わない

介護医療院は医師が常駐していますが、積極的な治療は行わず日常的な医療ケアが提供される施設です。積極的な治療を検討している場合は、まずは病院を受診し、方針を固める必要があります。

個室の数が少ない

介護医療院は、個室よりも多床室の方が多いため、個室を希望する場合、入所が難しい場合があります。

自宅と環境が異なる

介護医療院は、自宅とは環境が異なるため、入所当初は慣れない場合があります。

規則や制限がある

介護医療院は、医療機関でもあるため、生活時間や外出などに規則や制限がある場合があります。

介護医療院の選び方

介護医療院を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

医療体制

医師や看護師の人数や人員配置、医療機器の充実度など、医療体制が充実している施設を選びましょう。

費用

介護医療院は、介護保険の適用を受けることができますが、自己負担ではありません。費用負担を考慮して、無理のない範囲で利用できる施設を選びましょう。

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入所条件

介護医療院には、入所条件があります。要介護度や年齢、医療的ケアの必要性など、入所条件を満たしている施設を選びましょう。

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居室

個室や多床室など、希望に合った居室がある施設を選びましょう。

食事

食事の内容や時間帯など、希望に合った食事を提供している施設を選びましょう。

リハビリテーション

リハビリテーションの設備やプログラムが充実している施設を選びましょう。

イベントやレクリエーション

季節の行事やイベント、レクリエーションなど、入所者の生活を充実させるための活動が提供されている施設を選びましょう。

見学・相談

実際に施設を見学したり、相談会に参加したりして、施設の雰囲気やスタッフの対応を確認しましょう。

上記のポイントを参考に、複数の施設を比較検討して、自分に合った施設を選ぶことが重要です。

まとめ:介護療養型医療施設廃止後は必要に応じて代替施設へ

介護療養型医療施設は、医療保険と介護保険の両方の適用を受けられる長期療養施設です。しかし、2024年3月末で完全廃止しました。今後は代替施設として介護医療院を利用することになります。

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この記事を書いた人

GMOサインが運営する公式ブログ「GMOサインブログ」の編集部です。
電子署名/電子サイン/電子印鑑(デジタルハンコ)/脱印鑑(脱ハンコ)/電子文書/電子証明書/電子帳簿保存法など、電子契約にまつわる様々なお役立ち情報をお届けします。

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