Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の略称であるSNS。日本で一般的にSNSが認知されたのは、2004年にサービスを開始したmixiやGREEではないでしょうか。それから時を経て、現在では国内外でさまざまなSNSがサービスを行っています。
本記事では、現在、日本で人気があるSNSの種類や用途、それぞれの特徴を紹介しますのでぜひ、参考にしてください。
目次
SNSの概要
SNSはさまざまな定義があるものの、基本的にはユーザー同士がテキストや写真、動画などを通してコミュニケーションを図るサービスです。
総務省が毎年発表している情報通信白書の2023年度版によると、日本のSNS利用者数は2022年度の時点で1億200万人。そして2027年には1億1,300万人になると予測しています。
総務省|令和5年版 情報通信白書|SNS
延べ人数ではあるものの、日本の人口とほぼ同じ人数が利用しているという結果からも、SNSの人気や認知度の高さが伺いしれるのではないでしょうか。
日本におけるSNSの歴史
記事冒頭で、日本において一般的にSNSが普及し出したのは2004年に登場したmixiやGREEだと説明しました。その後、SNSの普及に大きく貢献したのは、2006年3月にアメリカでサービスを開始したSNS、X(当時はTwitter)です。
X(当時はTwitter)の登場
2006年当時は英語版しかなかったこともあり、日本では一部のユーザーのみが利用していました。しかし、2008年4月に日本語版が登場して以降、徐々にユーザーを増やしていき、2010年8月には国内利用者数(月次ユニーク訪問者数)が1,000万人を突破しています。
アメリカでは、Xの前にも2002年にFriendster、2003年にMySpaceなどのSNSが人気となったものの、日本には浸透しませんでした。
2008年以降、日本でもXに近いSNSとして、「Timelog」や「つぶろぐ」などが登場。mixiもmixiエコーという名前でmixi内においてXのようなサービスを開始したものの、現在ではすべてサービス終了しています。
Facebookの台頭
日本で次に人気となったのは、2006年にアメリカで一般公開されたFacebookです。mixiやXが基本的に匿名性のSNSだったのに対し、Facebookは元々、大学の学生向けにつくられた実名制のSNSとして2008年、日本語版のサービスが開始されました。
日本でのSNSは匿名での利用が一般的であったこともあり、最初はXほど人気とはならなかったものの、2011年8月には訪問者数1,000万人を突破。そして2023年7月時点で訪問しなおかつなんらかのアクションを起こした人数は、2,600万人を超えているといわれています。また、2022年には全世界のユーザー数が29億人を超えるなど、世界でもっとも利用されているSNSです。
総務省|令和4年版 情報通信白書|SNS
主な特化型SNS
ここまで紹介したSNSはどれもテキストでのやり取りを基本としたSNSです。しかし、SNSにはテキストだけではなく、写真や動画に特化したものも少なくありません。
そのなかでも主なものとして挙げられるのは、動画共有型SNSのYouTube、画像共有型SNSのInstagramです。
YouTubeがサービスを開始したのは2005年12月で、翌2006年11月にGoogleに買収されました。その翌年2007年6月に日本語版のサービスを開始し、2024年6月現在の国内アクティブユーザー数は7,120万人です。
動画共有型SNSとしては、ほかにニコニコ動画やTikTokなどもあり、とくに2017年10月にサービスを開始した中国発のTikTokは、ショート動画を中心とした動画共有SNSで、若者を中心に日本でも高い人気を誇っています。
Instagramは写真投稿を目的としたSNSとして、2010年10月にiPhoneアプリとして誕生しました。その後、2012年にFacebookに買収され、2014年に日本語版のアプリがリリース。2017年には「インスタ映え」という言葉が流行語大賞の年間大賞を受賞し、人気と認知度は一気に増加しました。2024年6月現在の国内アクティブユーザー数は6,600万人です。
LINEの躍進
さまざまなSNSが登場しては消えていくなかで、現在、日本でもっとも多くのユーザーが利用しているSNSがLINEです。LINEはメッセージアプリという側面もあるものの、広義ではSNSの一つとして認知されています。
2011年6月、LINEは中高生を中心に身近な知り合い同士が、メールよりも気軽にテキストのやり取りを楽しめるツールとして登場しました。
利用には電話番号の登録が必要なことから、実名制に近いサービスとして普及し、2024年6月現在、国内のアクティブユーザー数は9,600万人以上です。
SNSの主な使い方
SNSはコミュニケーションツールであり、ユーザー同士でコミュニケーションを行うのが基本的な使い方です。ただし、SNSの種類によりさまざまな使い方があります。具体的にはビジネス用途とプライベート用途です。ここではそれぞれの代表的な使い方について解説します。
ビジネス用途としての主な使い方
SNSは多くのユーザーが利用していることもあり、ビジネスを目的に使うユーザーも少なくありません。SNSをビジネス用途で使うケースは大きくあります。1つは企業が広報やPR、ユーザーとのコミュニケーションとして使うケース。そしてもう1つは個人が企業PRを請け負ったり、コンテンツを公開して視聴回数で報酬を受けたりするケースです。
企業がビジネス用途で使用する場合
企業がビジネス用途でアカウントを取得して広報やPRを行います。また、カスタマーサービスの一環として、利用ユーザーからの問い合わせ対応としてSNSを利用するケースも多いようです。ほか、SNSによっては登録ユーザーを細かくセグメントできることから、広告の出稿先として利用するケースもあります。
企業によってはX、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTokなどメジャーなSNSのほとんどでアカウントを取得して利用するケースも珍しくありません。
GMOサインもさまざまなSNSを利用しています。
個人がビジネス用途で使用する場合
個人がビジネス用途でSNSを利用するのは、インフルエンサーとして企業のプロモーションを行うケース。そして自らコンテンツを発信して視聴回数やユーザーからの投げ銭によって収益を得るケースです。
企業プロモーションを行うには、特定分野で多くのフォロワーを獲得する必要があります。美容や飲食、ガジェットなど特定分野の投稿を頻繁に行い、多くの閲覧数や返信を受けるようになると、企業側からプロモーションの話を持ち掛けられるケースが多いようです。
コンテンツの発信は、主に動画系が中心で、YouTubeやTikTokで自らが作成した動画を公開し、視聴回数や登録ユーザーを増やすことで収益を得ます。また、YouTubeのほか、Pococha、17LIVE、ニコニコ生放送などで生配信を行い、視聴ユーザーから投げ銭によって収益を得る方法もあります。
プライベート用途としての主な使い方
プライベート用途としての主な使い方は、友人もしくはSNS上で知り合ったユーザー同士でコミュニケーションを楽しむ、コミュニケーションは取らず情報収集手段として使用する、そしてコミュニケーションと情報収集の両方で使用するの大きく3つです。
サービスの利用方法は人それぞれであり、SNSはユーザー同士のコミュニケーションツールだとしても、コミュニケーションを取らなければならない訳ではありません。情報収集手段の一つとして使うのもSNSの重要な利用目的になり得るでしょう。
とくに近年では、飲食店情報はInstagram、最新の音楽や映画情報はXやYouTubeなど、検索エンジンの代わりとしてSNSを利用するユーザーも多いようです。
2024年現在、人気の高いSNS
2024年現在、多くのユーザーが利用する人気の高いSNSを種類別に紹介します。
テキスト中心のSNS
LINE
LINEの特徴は、スマートフォンでの利用が基本であり、メールや電話の代替サービスとしての利用が中心である点です。アカウントは電話番号に紐づけられているため、複数アカウントを持つことは困難であり、友達や家族がメッセージやスタンプのやり取りを行うためのサービスといえます。
一方でビジネスアカウントも多く、気に入った企業や店舗と友達になり、クーポンを取得したり、問い合わせをしたりといった使い方も盛んです。
X(旧Twitter)
基本的には140文字以内で短文を投稿するタイプのSNSです。ただし、有料制サブスクリプションに登録すると25,000字までの投稿も行えます。匿名でも利用できるSNSのため、趣味に特化した投稿、自分の周辺で起きたできごとを中心とした投稿、ニュースに対する感想を中心とした投稿など投稿内容は多様です。
他ユーザーの投稿を自分のタイムラインに投稿するリポストや気に入った投稿に対する「いいね」など、短時間で多くのユーザーに情報を拡散できるのが最大の特徴といえます。
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Facebook
元々がハーバード大学内で利用するためにつくられたSNSのため、一般に開放された後も知り合い同士がコミュニケーションを取るために使うケースが多いのが特徴です。ビジネスを目的としたSNSを謳っている訳ではないものの、ビジネスサークルやサロンの宣伝、情報共有の場として使われるケースも少なくありません。
Threads
Threadsは、FacebookやInstagramを運営するMeta社が2023年7月に開始したテキスト系SNSです。Xに近い形態ではあるものの、1回で500文字までの投稿ができる点、Instagramのアカウントがないと登録できない点などが異なります。
ダイレクトメッセージはできないものの、1回の投稿に添付可能な画像はXが4枚に対し10枚。動画の長さはXが最長2分20秒(Xプレミアム加入者は最長2時間)に対し最長5分となっています。
写真・動画系SNS
YouTube
世界最大の動画共有SNSであるYouTubeは投稿動画のほか、ミュージシャンがライブを、劇団が演劇を生配信することも可能です。また、ここ数年は小中学生の将来なりたい職業の上位になるほど人気を得ている個人動画配信主、いわゆるYouTuberもコンテンツ動画や生配信を行っています。
Instagram
写真・動画投稿、生配信を基本としたSNSです。テキストのみの投稿はできず、写真や動画を投稿することでユーザーとコミュニケーションを取ったり、企業がプロモーションを行ったりします。
また、ほかにも24時間で投稿が消えるストーリーズも人気です。企業、個人にかかわらず多くのユーザーがお気に入りの写真・動画を投稿しています。
TikTok
動画投稿を中心としたSNSで、Instagram同様、生配信も可能です。長尺の動画も投稿できるものの基本的にはショート動画が中心で気軽に見られることから、とくに中高生を中心に人気となっています。2018年にはTikTokが新語・流行語大賞にノミネートされ、現在でも多くの流行がTikTokから始まっています。
BeReal
BeRealとは、2020年にフランスで開発され、アメリカで人気となった写真投稿系のSNSです。
ほかの写真投稿系SNSとの大きな違いは、投稿する写真に一切加工ができない点にあります。アプリから通知が来たら2分以内に自撮りをして投稿しなければなりません。
そのため、投稿した写真は意図せず変顔になってしまうケースも多く、それがリアルだとして、日本でも中高生の間で人気となっています。
SNSをビジネスで活用する場合はそれぞれのSNSの特徴を把握することが重要
ひと口にSNSといっても、その種類は多様であり、そこに集まるユーザーも利用方法も大きく異なります。そのため、企業がビジネス用途でSNSを利用する場合は、かならず事前に個人として使ってみて雰囲気やノリを把握することが重要です。
また、自社のユーザーがどこにいるかの把握も欠かせません。初めから一つに絞るのではなく、複数のSNSを使い、適切なSNSを選択することが成功につながるでしょう。