「UR賃貸に住んでいるって、ちょっと恥ずかしいかも……」
そんなふうに感じる方がいるのは事実です。しかし一方で、「初期費用が抑えられる」「広々とした間取りを選びやすい」など、UR賃貸ならではのメリットを享受している入居者も多く存在します。
本記事では、「UR賃貸 恥ずかしい」というネガティブなイメージや理由を整理しながら、実際にどのような利点・欠点があるのかを総合的に解説。最後まで読むことで、“恥ずかしさ”を感じるよりも、UR賃貸の魅力に気づく方が増えるはずです。ぜひ、部屋探しの参考にしてみてください。
目次
なぜ「UR賃貸は恥ずかしい」という声があるのか?
近年はCMの「URであーる。」などで知名度が上がり、初期費用の安さなどお得な印象を持つ人も増えているUR賃貸ですが、一方で昔ながらの「団地」のイメージからくる偏見も根強く残っています。本章ではUR賃貸に対するネガティブなイメージを整理しながら、その要因について深掘りしてみます。
古い物件のイメージ
UR賃貸住宅には、1955年に設立されたUR都市機構(当時は日本住宅公団)が長年にわたって供給してきた物件が多いため、築年数の古い団地やマンションも少なくありません。そのため「外観や設備が古そう」「民間の新築マンションと比べると見劣りするのでは?」とマイナスイメージを持つ方がいるようです。
UR賃貸では、築年数が経過した物件を中心に間取りや設備を現代の生活ニーズに合わせて改良しています。物件の外観は年代を感じさせる場合があるかもしれませんが、部屋の中はリノベーションによって最新のデザインや機能性を取り入れ、快適に暮らせるようアップデートされているケースも多いです。
「安い物件」という先入観からくる不安
一部では「UR賃貸は家賃が安い」「経済的に厳しい人のための住宅」といった印象が先行し、「見た目やイメージも安っぽいと思われるのでは」と不安を抱く方もいるようです。しかし実際には、UR賃貸にはエリアや築年数、間取りの違いによってさまざまな価格帯の物件があり、民間の賃貸よりも家賃が高めのケースも珍しくありません。
また、「UR賃貸」と「収入が一定水準以下の方向けの公営住宅」を混同しているケースも多いようです。かつてUR賃貸が「公団住宅」と呼ばれていたことが、この誤解を生む一因かもしれません。
周囲との比較で気後れを感じることも
大きな一戸建てや高級マンションに住んでいる知人・友人を思い浮かべると、UR賃貸の「外観が地味」「設備が最新式ではない」と感じてしまい、招いたお客さまに対して少し気後れを覚えるケースもあるようです。さらに、子どもの友だちが遊びに来た際に、建物の様子をどう思われるかが気になってしまうという声も聞かれます。
こうした「恥ずかしさ」や不安の多くは、先入観や周囲との比較による部分が大きいといえるでしょう。実際には、UR賃貸の中にも新しいタイプやリノベーション物件が多数あるため、まずはメリット・デメリットを客観的に把握することが大切です。
UR賃貸には写真のようなタワーマンションも存在します。
出典:https://www.ur-net.go.jp/chintai/kanto/tokyo/20_7020_report.html
UR賃貸は本当に“恥ずかしい”のか? 実は豊富なメリット
出典:https://www.ur-net.go.jp/chintai/
前章で見たようにネガティブなイメージを抱かれることもあるUR賃貸ですが、実際は民間マンションにはない大きなメリットがたくさんあります。ここでは、代表的な長所を見ていきましょう。
初期費用を抑えられる
UR賃貸は礼金・仲介手数料が不要で、入居時に支払うのは敷金(2カ月分)、日割り家賃、日割り共益費のみ(※)。一般的な賃貸契約で発生する初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)と比べると、合計金額を抑えやすいのが大きな魅力です。
※さらにキャンペーン期間中は、敷金の負担が軽くなることもあります。
入居時の費用負担が軽いだけでなく、更新時の手数料も不要である点も嬉しいポイントです!
保証人が不要
賃貸契約でしばしばネックとなる“連帯保証人”を立てる必要がありません。近年は核家族化や単身世帯の増加もあり、「保証人探しが難しい」という方も多いため、これは大きな安心材料です。
UR賃貸の申し込み時に必要な書類はこちらのページから確認できます。
間取りが広め
UR賃貸はもともとゆったりした設計になっているケースが多く、同じ家賃帯の民間物件と比べて部屋数や広さに余裕がある場合が少なくありません。お子さんのいるファミリーや在宅ワークで広いスペースを確保したい方には特に魅力的でしょう。
割引制度やポイントサービスが充実
UR賃貸には、子育て世帯や新婚世帯などを対象とした「子育て割」や「近居割」といった制度があり、適用されると家賃が数年間割引になることも。こうした大幅な割引制度は民間賃貸ではなかなか見られません。
家賃の支払いでPontaポイントがお得に貯まるサービスも存在します。
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敷地や共用部が広く、治安も良好
団地タイプのUR賃貸は敷地が広大なケースが多く、敷地内に公園や緑地が設けられていることもしばしば。子どもが遊ぶ場所が確保しやすいほか、繁華街から少し離れたエリアにまとまって建設されている場合が多いため、治安の面で安心感があります。
リノベーションやDIY物件がある
古いイメージの強いUR賃貸ですが、中にはリノベーション済みの物件も用意されており、最新の設備が整っていることも。さらにDIYリフォーム可能物件では、入居者が自分好みに部屋をカスタマイズできるなど、自由度の高さが魅力です。
DIY可能物件は、退去時の原状回復義務が免除される点も非常に魅力的です。
DIY可能物件の例
出典:https://www.ur-net.go.jp/chintai/diy/
UR賃貸の注意点
このようにさまざまなメリットがあるUR賃貸ですが、押さえておきたい注意点も存在します。詳しく見てみましょう。
UR賃貸で暮らすにあたって事前に押さえておきたい注意点
築古物件が多く設備が旧式
UR賃貸は昭和30年代から長期にわたり供給されてきた経緯上、築数十年の物件も数多く存在します。外装・内装のリノベーションや補修が進んでいる物件もありますが、最新のデザイナーズマンションと比べると見劣りする可能性は否めないでしょう。
また築年数が古い物件の場合、エレベーターが無かったり、オートロックや宅配ボックスといった最新設備がついていなかったりする場合もあります。設備面の快適さを最重要視する方には、向かない物件があるのも事実です。
審査基準が厳しめ
UR賃貸は礼金・仲介手数料が不要で初期費用が抑えられる反面、入居審査では家賃と収入のバランスが厳しくチェックされます。原則として月収が家賃の4倍以上ないと申し込みできず、基準に満たない場合は多額の貯金(家賃の100倍)など別途条件が必要です。
そのため収入が不安定なフリーランスやアルバイトの方、年収が低めの若年層にとってハードルとなります。「審査に落ちた」という声の多くは収入要件によるもので、保証人を立てれば入居できることが多い民間賃貸と比べ誰でも借りやすいわけではない点に注意が必要です。
ただし、民間賃貸と比べて入居基準が明確化されているのはメリットだと言えるでしょう。
物件数・エリアの制約
UR物件は全国に約70万戸と豊富ですが、地域によっては供給が偏っています。特に地方都市や都心部の一等地ではUR物件が少なく、「住みたいエリアにURがない」場合もあります。また駅近物件が比較的少ない傾向もあります。人気エリアのUR賃貸は常に順番待ちで競争率が高く、空き待ち状態のことも少なくありません。
家賃が周辺相場と比較して高い場合も
「UR賃貸は安い」というイメージがある一方、都心部の好立地物件や高層階になると、周辺相場よりも高い家賃が設定されているケースも見られます。また広めの間取り設計や定期的なリフォーム実施も家賃に反映されていると考えることができます。もちろん物件のグレードや広さを考えれば適正価格との声もありますが、「初期費用は安いが毎月の支払い負担が大きい」と感じる人も少なくありません。
ただし、これらのデメリットはUR賃貸に限った話ではありません。住まい探しの際は、メリットとデメリットを総合的に判断することが重要です。
UR賃貸の口コミ・評判を調査
ここでは、UR賃貸に実際に住んでいる方の口コミ・評判を一部ご紹介します。SNS上では以下のような声が見られました。
上の口コミにもある通り、一部物件では無印良品やイケアと提携してリノベーションや家具設置を行うなど、「恥ずかしい」よりも「うらやましい」と感じられる物件も多い印象です。
まとめ:恥ずかしいかどうかより、自分のライフスタイルとの相性を重視しよう
「UR賃貸 恥ずかしい」という言葉だけを聞くとネガティブなイメージが先行しがちですが、実際には「初期費用が抑えられる」「広々とした間取りがある」「DIY可能物件がある」など、他にはない魅力が数多く存在します。もちろん、築年数の古い物件や設備面の見劣りといった注意点もあるため、誰にでもおすすめできるわけではありません。しかし、条件が合えば非常に快適でコストパフォーマンスの良い暮らしを実現できるのがUR賃貸の特徴です。
- 恥ずかしいと思う人の多くは、周囲との比較や先入観で判断している可能性が高い
- 実際には家賃が高めの物件や利便性の高いリノベーション物件など、多彩な選択肢がある
- 豊富な割引制度や保証人不要など、民間にはないメリットも見逃せない
部屋探しをする際は、外観やステータスよりも「自分に合っているか」が最も重要です。「UR賃貸は恥ずかしい」と気にするよりも、自分や家族のライフスタイル、予算、希望条件と照らし合わせて、本当に満足できる住まいかどうかを考えてみてください。
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