多くの商品やサービスにキャッチコピーが付けられていますが、なぜキャッチコピーが重要なのか、またその具体的な効果は何なのかご存じでしょうか?
本記事では、キャッチコピーを用いることがなぜ企業にとって重要なのか解説します。また、キャッチコピーを作る際のポイントにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもキャッチコピーとは?
キャッチコピーとは、商品やサービスの特徴や魅力などを、短い言葉で端的に表したものです。CMやポスターなど、さまざまな媒体に用いられています。
以下でキャッチコピーが生まれた歴史について紹介します。
キャッチコピーが生まれた歴史
日本最古のキャッチコピーは、約300年前の江戸時代に生まれたとされています。それは「土用の丑の日」で、夏にウナギを売るために考えられたそうです。
現在も「夏といえばウナギ」というイメージが定着しているのを考えると、キャッチコピーには大きな集客効果が見込めるといえるでしょう。
スローガンとの違い
キャッチコピーと混同されやすい言葉に「スローガン」があります。スローガンとは、企業や組織の目標や使命を表現するための言葉です。スローガンを企業が掲げることで、内部のモチベーションを高め、目標を明確にできるメリットがあります。
一方、キャッチコピーは商品やサービスの特徴を端的に表したものであり、スローガンとは大きく異なります。また、キャッチコピーが消費者向けなのに対し、スローガンは主に社員やメンバー向けという違いもあります。
キャッチコピーと企業の関係
多くの企業では自社商品を宣伝する際などにキャッチコピーを活用していますが、これはキャッチコピーを用いるとさまざまなメリットが得られるからです。
以下ではキャッチコピーを用いるメリットや、必要性などを紹介します。
キャッチコピーが持つメリット
キャッチコピーを用いると、以下のようなメリットが得られます。
サービスや商品に付加価値を与える
キャッチコピーは、商品やサービスに新たな魅力を付け加えることができます。たとえば掃除機に対して「家中のゴミを一瞬で吸い取る」とキャッチコピーを付ければ、その掃除機に高い吸引力を持っているイメージを与えられます。
キャッチコピーによって商品の魅力を明確化できるため、消費者の購買意欲を刺激することが可能です。
また、食品メーカーが「毎日の健康を支えるサプリメント」というキャッチコピーを使った場合、サプリメントが健康維持のための必需品であるという印象を与えることができます。このように、キャッチコピーは商品やサービスの魅力をより引き立てる力を持っています。
ユーザーの記憶に残る
インパクトのあるキャッチコピーは、ユーザーの記憶に強く残ります。個性的なキーワードや言い回しを意識したキャッチコピーを用いると、ユーザーの記憶に残りやすくなり、商品・サービスを覚えてもらえるでしょう。
短くて覚えやすいキャッチコピーは、ブランドの認知度を高めるために非常に有効です。
サービスや商品の特徴を伝えやすい
キャッチコピーは、商品の特徴や利点を瞬時に伝える手段として優れています。たとえば速乾性の優れたタオルの場合、「瞬間吸水、瞬間乾燥」というキャッチコピーを付けると、そのタオルの最大の特徴をシンプルに伝えられます。
他にも、スマートフォンの広告で「1日中持つバッテリー」といったキャッチコピーは、消費者に対してその製品の長所を明確に伝えることができます。
売り上げに直結しやすい
キャッチコピーは、消費者の購買行動に直接的な影響を与えることができます。魅力的なキャッチコピーは消費者の注意を引き、購入意欲を高めるため、売り上げの向上に貢献するのです。
たとえば、化粧品に「肌にやさしい、自然由来の成分」というキャッチコピーを用いることで、消費者に安全性や自然派志向のイメージを強く訴えかけることができます。
化粧品は日々新商品が販売されていますが、同様の製品が多数ある市場の中で、心をつかむキャッチコピーであれば消費者に選ばれる可能性が高まり、結果として売り上げの向上に影響すると考えられるでしょう。
キャッチコピーの必要性
現代の市場では、キャッチコピーは商品やサービスの成功に欠かせない要素となっています。その理由を具体的に見ていきましょう。
消費者との信頼関係を築く
効果的なキャッチコピーは、消費者との信頼関係を築く手助けとなります。消費者は、キャッチコピーを通じてブランドの価値観や理念を理解し、そのブランドに共感をおぼえることができます。
たとえば、食品ブランドが「自然の恵みをそのままに」というキャッチコピーを使用することで、消費者はそのブランドが自然素材にこだわっていることを理解しやすくなるでしょう。また、自然素材へのこだわりをアピールすることにより、消費者に安心感を与えられるため、企業への信頼性も高められます。
他社との差別化を図る
市場には多くの競合商品やサービスが存在しますが、キャッチコピーを用いれば他社との差別化を効率良く図れます。独自性のあるキャッチコピーを用いることで、消費者はその商品やサービスを区別しやすくなります。
たとえば、あるエナジードリンクが「飲めば24時間戦える」というキャッチコピーを使用すると、「飲めば24時間元気でいられる」「エネルギーをしっかり補給できる」強力なイメージを消費者に植え付けることができます。
他社にはない個性的なキャッチコピーにすれば、商品・サービスがより記憶に残りやすくなり、他の商品とは異なるイメージも与えられるでしょう。
消費者の関心を引きつける
キャッチコピーは、消費者の関心を瞬時に引きつける力があります。購買意欲を高めるためには、まず消費者の注目を集めることが必要です。興味関心を刺激できれば、商品を手に取ってもらえたり、サービスを試してもらえたりなど、購入のきっかけを作れます。
たとえば、新しいスニーカーの広告が「雲の上を歩くような履き心地」というキャッチコピーだった場合、消費者はスニーカーの履き心地に興味関心を抱きます。お店で商品を試してみたい、実際に触れてみたいという気持ちにさせられるため、結果として売り上げにつながる可能性も高められるでしょう。
効果的なマーケティングを実現する
キャッチコピーは、広告キャンペーンやマーケティング戦略の中心となる要素です。効果的なキャッチコピーがあることで、広告のインパクトが強まり、キャンペーン全体の効果が高まります。
たとえば夏のセールの告知に「夏だけのアツイ価格!」というキャッチコピーを使用することで、消費者に期間限定のお得感をおぼえさせ、購入意欲を促進させられます。
キャッチコピーを作る際の注意点
ここまでで解説してきたように、キャッチコピーを用いればユーザー獲得や売上高向上など、さまざまなメリットを得られます。しかし、そのためには魅力的なキャッチコピーを生み出さなくてはなりません。
以下で魅力的なキャッチコピーを作る際の注意点を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ターゲットになるユーザー層を決める
キャッチコピーを作成する際には、ターゲットとするユーザー層を明確にしなくてはなりません。どのような年齢層や性別に向けて発信するのかを明確にしないと、曖昧で魅力が伝わりにくいキャッチコピーになってしまうからです。
まずは商品・サービスが、そもそもどの層に向けて作られているものなのかを考えましょう。たとえば若者向けのファッションブランドであれば、流行に敏感で個性的なスタイルを好むユーザー層をターゲットにすることが考えられます。
ユーザーにどんなことを伝えたいのかをイメージする
次に、ユーザーに伝えたいメッセージを具体的にイメージします。商品やサービスのどこを強調したいのか、どこが魅力なのかを考えてみてください。
たとえば無添加の化粧品の場合、添加物を使用していないことで安全性や安心感を伝えたいと考えるでしょう。そのため、キャッチコピーにおいてもこれらの要素をアピールできるようなフレーズを加える必要があります。
商品やサービスのセールスポイントを精査する
キャッチコピーを作成する際には、商品やサービスのセールスポイントを詳しく分析する必要があります。他社製品との違いや優れている点を洗い出し、それを基にしたキャッチコピーを考えましょう。
たとえばスマートフォンの新モデルであれば、「超高速充電」や「驚異のカメラ性能」といった、商品独自の強みをアピールします。
魅力的なキャッチコピーを作る7つのポイント
キャッチコピーは、以下の7つのポイントを意識して作成すれば、より魅力的に仕上がります。企業の商品・サービスをユーザーにアピールしたい場合は、以下のポイントを参考にしてみてください。
テンポの良い言葉にする
キャッチコピーはリズムやテンポが重要です。言葉のリズムが良いと、記憶に残りやすくなります。そもそも商品・サービスが記憶に残っていないと、購入したり試したりする機会は少なくなるため、テンポを意識することはとても大切です。
たとえば、スナック菓子のキャッチコピー「サクッと、パクッと、止まらない!」はリズム感があり、覚えやすく親しみやすいです。リズムを意識することで、言葉が耳に残りやすくなります。
わかりやすく短い文章にする
シンプルで短いキャッチコピーは、消費者にすぐに理解されやすく、強い印象を与えます。インパクトがあると子どもやシニアも覚えやすくなるため、どのような層にもアプローチできるでしょう。
たとえば、化粧品のキャッチコピー「まるでマシュマロのような素肌へ」は短くてわかりやすく、商品の魅力を瞬時に伝えます。短くすることで、消費者が一目で内容を理解できるようになります。
数字を織り交ぜながら具体的に示す
具体的な数字を使うことで、信頼性と具体性を高めます。商品・サービスに説得力が生まれるため、効果や実績などをアピールしたいときには積極的に用いることをおすすめします。
たとえば、フィットネスクラブのキャッチコピー「利用満足度98%」は、具体的な数値を示すことでサービスの満足度を強調できます。数字を使うことで具体性が増すため、もしキャッチコピーに利用できそうな数値がある場合は導入してみましょう。
ユーザーの感情を揺さぶるフレーズを選ぶ
感情に訴えるフレーズは、ユーザーの心に響きやすく、購買意欲を高めます。
たとえば、ペットフードのキャッチコピー「家族の一員に最高の食事を」は、ペットを「家族の一員」と言い表すことで、愛犬・愛猫への愛情をより深め、購入意欲を刺激できます。
感情に訴えることで、消費者の心にキャッチコピーが深く残るでしょう。
ユーザーをあえて刺激するフレーズを選ぶ
挑発的であったり、驚きを与えたりするようなフレーズは、ユーザーの関心を引きつけます。
たとえば、アウトドア用品のキャッチコピー「限界を超えろ!」は、冒険心を刺激し、消費者に挑戦心を抱かせます。刺激的なフレーズを使うことで、消費者の興味を引きつけることができます。
また、刺激的なキャッチコピーはインパクトもあります。とくにパワフルさを売りにしている商品・サービスに効果的です。
ユーザーの好奇心を引きくすぐるものにする
好奇心を刺激するキャッチコピーは、ユーザーに「もっと知りたい」という気持ちを抱かせます。
たとえば、レストランのキャッチコピー「ここだけの秘密の味」は、消費者の好奇心を引き、実際に訪れてみたいという気持ちを高めます。好奇心をくすぐることで、消費者を引きつける効果が期待できるでしょう。
ユーザーが新たな発見を得られる内容にする
新しい情報や発見を提供するキャッチコピーは、ユーザーに価値を感じさせ、興味を引き続けます。
たとえば、ダイエット本のキャッチコピー「知らなかった、こんなに簡単に健康になれる!」は、新しい健康法を学べることへの期待感を与えます。これまで知らなかった情報をダイエット本でインプットできるように印象付けられるでしょう。
まとめ:キャッチコピーをしっかり理解して活用しよう
キャッチコピーは商品・サービスの魅力を端的に表すもので、キャッチコピーにより、売上高アップやユーザー獲得などのメリットを得られます。
まずはターゲット層や商品・サービスの魅力を明確にしたうえで、ユーザーの感情を揺さぶるようなフレーズを考えてみましょう。